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2013年9月13日 (金)

椿姫で延命:イグノーベル賞

毎年楽しみにしているイグノーベル賞が今年も発表になった。
7年連続で日本人が受賞である。
今年は、「心臓移植したマウスにオペラを聞かせると生存期間が延長した」という研究(帝京医大・新見正則准教授他)が医学賞を、「タマネギの催涙成分を作る酵素」発見(ハウス食品・今井真介研究主幹他、石川県立大学・熊谷英彦学長)が化学賞を受けた。

マウスの実験は、心臓移植術後7日間、音楽を1日中聞かせたところ、平均生存期間はオペラ(ヴェルディの「椿姫」)群26日、モーツァルト群20日、エンヤ群11日、音楽を聞かせなかった群7日であったとのこと。音楽により免疫抑制細胞が増えたらしい。興味深い研究である。免疫に関する理解能はゼロに等しいので読んだってわからないだろうけど、検体数とか、他にどんな曲を聞かせたのかとか、モーツァルトは何の曲だったのかとか、人間への応用可能性とか、そういうことをもっと詳しく知りたい。
玉ねぎのほうは、既に催涙成分はわかっているはすだがと思っていたら、2002年に別の酵素を発見して、切っても涙の出ない玉ねぎも開発されているそうだ。玉ねぎは普段あまり食べないので特別な関心はなかったが、最近動脈硬化予防に少し食べるようにしているから、これも面白いと思った。ハウスの研究だっていうところがミソなのは、レトルトカレー開発中の発見だというから。
なお、授賞式にはマウスの着ぐるみを着た研究者が「椿姫」を歌って大ウケしたようだ。受賞者のスピーチは笑いをとらなくてはならないらしいから、その点はバッチリだね。

イグノーベル賞には皮肉を込めて贈られるものもあるが、趣旨は「人々を笑わせ考えさせてくれる研究」(Research that makes people LAUGH and then THINK)である。日本人の受賞として私の印象に残っているのは、バウリンガル(2002年平和賞)、34年間自分の食事を撮影し続け食物が人体に与える影響を分析しているドクター中松(2005年栄養学賞)、ウシの排泄物からバニラの香り成分を抽出(2007年化学賞)、粘菌コンピュータ(2008年認知科学賞。このチームの3人は別のチームでこの研究を発展させ、粘菌を使った鉄道網の設計で交通科学賞を贈られている。粘菌は南方熊楠の伝記を読んで以来ちょっと興味がある)、わさび警報器(2011年化学賞)である。
世界の受賞者一覧を見ていると、ほんと独創的な研究がい~っぱい。確かにちょっと笑っちゃうけれども実生活に役立ちそうな研究には目を引かれる。
たとえば今年、ハイジャック犯を通路に仕掛けた落とし穴に落してパラシュートで警察直行という装置を考え出して
安全工学賞を受けたアメリカの研究なんか、可笑しいけれど実用化されるといいなあと思う。
これからもイグノーベル賞に注目だ。

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コメント

楽しい授賞式でしたねえ。
ベニスの商人はご覧になる予定ですか?感想楽しみにしています。

投稿: urasimaru | 2013年9月14日 (土) 21時47分

urasimaru様
昼間ネットのニュースで見て、映像がほしいなあと思ったら夕方のテレビでやっていたので嬉しくなりました。スピーチは制限時間が近づくとぬいぐるみを抱いた女の子が裾を引っ張って壇から下ろそうとすると聞いていたので(買収に成功すると、時間オーバーしてもいいとか)、実際ぬいぐるみの女の子が写った時にはにやりとしました。

ベニスの商人、見る予定なんですが、16日なんですよ。台風が心配。何しろ、悪天候に弱い電車を使うので…。

投稿: SwingingFujisan | 2013年9月14日 (土) 22時24分

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