« 年末年始視聴予定 | トップページ | 魅力的な人物たちの「清須会議」 »

2013年12月29日 (日)

モローとルオー

126日 「モローとルオー 聖なるものの継承と変容」展(パナソニック汐留ミュージアム)
はじめ行こうと予定していた日がダメになって、10日までの会期にまた駆け込みで行ってきた(歌舞伎座の帰り)。実は、最初に予定していた日は天皇皇后両陛下がいらしたそうで、それも一般客と一緒に鑑賞なさったようで、ひょっとしたら私もその時間帯に行っていたかもしれないのであった。
あんまり日が経ってしまったので、ごくごく大雑把に簡単に「見てきた」というだけの記録にとどめておく。
モローは、何年か前パリのモロー美術館で見た作品のいくつかと再会した(と思う。モロー美術館は作品がた~くさんあり過ぎて、よく覚えていない)。
ルオーの前半は、レンブラントの影響を受けていて私の知るルオーではなく、ひょっとして私はルオーと誰かを間違えているかもと不安になりつつ見進めていったら、あったあった、私の知ってるルオーが出てきた。ルオーのあの太い輪郭線、色彩美は、美術賞に何度も落選するルオーに対し、師であるモローが色彩で内面を表すように指導したことから生まれたそうである。モローは弟子・ルオーの絵を自ら模写している(「石臼を回すサムソンジョルジュ・ルオー作品に基づく」)ほどその才能を認めており、モロー美術館の初代館長に任命したとのことである。
ルオーはそこからまさに色彩画家として、あの特徴的な絵画を数々生み出していったのである。
ルオー作「夜の風景または作業場での乱闘」(1897)は、初めて描いた社会下層の絵であり、ゴヤの黒い絵との共通点がある。「男性裸体画習作」(1895)は、当初は全身像だったが、第二次大戦で破損し、半身像に変えられた可能性があるそう。ここにも戦争の爪跡がみられるわけだ。「キリスト教的夜景」はルオーの集大成と言われているそうだが、たしかに、という感じ。離れて見ないとわからない。離れて見ると、キリスト、母子が見えてくる。印象的な作品だった。
モロー作「バルクと死の天使」(1890頃)は、死の天使が乗る馬の手綱を取るアトロポス(運命を司る3人の女神の中で最も恐ろしい=運命の糸を切る女神)を描いている。厚塗りで遠く離れないとよくわからないが、アトロポスが笑っているようで実に不気味である。「一角獣」は美しく具象的であり、「女たちと一角獣のいる風景」は想像力の世界であった。「貴婦人と一角獣」からインスピレーションを受けたというのがわかる気がした。
展示は絵画だけでなく2人の往復書簡や、モローが所有していた「北斎漫画」まであって興味深かった。
パナのミュージアムは2回目だが、スペースも出展数もほどよく、静かに疲れず見られるのがいい。

|
|

« 年末年始視聴予定 | トップページ | 魅力的な人物たちの「清須会議」 »

展覧会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 年末年始視聴予定 | トップページ | 魅力的な人物たちの「清須会議」 »