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2014年1月

2014年1月31日 (金)

梅枝クン結婚続報

梅枝クンが今年結婚するということは、先日の国立劇場研修発表会大喜利の席で自ら発表していたが(ということで、本エントリーのタイトルは続報)、お相手のこと、結婚に至る経緯、そしていつ結婚するのか、等々が今日のサンスポに出ていた(→ココ)。
それによると、お相手は京都在住の一般家庭の女性で、婚姻届は3月京都入りの前を考えているらしい。
結婚を機にますますの精進と活躍を期待します。
おめでとうございます。

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日本文化を、歌舞伎を愛したコンダーさんの恋

121日 「コンダーさんの恋」(明治座)
何の予備知識もなくチケットを取った私は大地真央主演と言うからコンダーさんが大地さんだと思っていた。そうしたら、コンダーさん=コンドル、イギリス人建築家のジョサイア・コンドルのことであった。
伊藤博文・井上馨は不利な通商条約を改正しようとするが、まったく相手にされないのを、日本は法律や文化が整備されていない野蛮国だと思われているからだと考え、極端な欧化政策に走る。その一環としてイギリスから高名な建築家を招き西洋建築物をつくろうとするが、そんな野蛮な国に来てくれる建築家はいない。無名のコンドルが自分で志願したのか無理やり行かされたのかは忘れてしまったが、ともかく弱冠28歳のコンドルが御雇建築家として来日したのだった。
コンドルは日本文化に関心を持ち、愛し、日本舞踊を習ったり、歌舞伎を観劇したり、自分でも歌舞伎を演じたりしたそうだ。そのコンドルに日本舞踊を教えたのが前波くめ。それが大地さんであった。
物語は、鹿鳴館を設計したコンダーさんとくめの恋、くめの周囲の人物たちの恋、西欧的ダンスパーティを開く箱はあっても踊れる人がいないという騒動を中心に、鹿鳴館周囲の日本の姿を軽妙に見せる。登場人物はみんな実在の人物であり、史実とフィクションの入り混じった肩の凝らないコメディーを楽しんだ。G2さんは鹿鳴館に関する資料を読み漁り(作家はまず資料を集め読み漁るのが仕事だ)、山ほど出てきてお宝エピソードに胸ときめかせ、「鹿鳴館を設計した英国人に日本人の嫁がいたと知ったときには小躍りすらした」そうだが、さぞや劇作家としてのイマジネーションを掻き立てられただろうことは想像に難くない。舞台写真は→ココで見られます。

物語は狂言回し役でもある勝海舟(江守徹)の回想で始まり、当時の日本の状況が映像を使って語られる。そして舞台は一転華やかな日本舞踊ショーに。大地真央・寿ひずる・未沙のえると3人宝塚出身者が揃って踊っている。赤姫の衣裳(伏線かも…考え過ぎかな)の大地さんはあんみつ姫みたいで可愛らしい。そこへ弁慶・助六・鏡獅子・碇知盛が乱入し、黒衣姿の男たちと立ち回りを展開する。2年半前に歌舞伎を作ったG2さん、やっぱり一度歌舞伎を経験するとその魅力から離れられないのだろうか(歌舞伎を取り入れたのがそれだけでないのは、後でわかった)。結局これはくめの夢であったのだが、歌舞伎ファンには嬉しい幕開けである。
大山巌(ベンガル)と山川捨松(秋本奈緒美)の恋の可笑しさ、悲しさ。もうネタバレしちゃっていいよね。大山は捨松と婚約していたのに突然断られてしまった。なぜなのか、大山は捨松の本心を知りたくて上京する。鹿鳴館前で再会した2人だが、15年間のアメリカ留学から帰国した捨松は日本語を忘れ英語しか喋れない。困り果てていると、アメリカ人のクララ・ホイットニー(牧瀬理穂。クララが登場する件は長くなるので省略)が通訳を買って出る。ところが今度は大山の薩摩訛りがひどくてクララには通じない。そこへ鹿鳴館の料理長(三上市朗)が薩摩弁の通訳を買って出て、捨松⇔大山の会話は、捨松⇔クララ⇔料理長⇔大山という具合に進められる。というのが可笑しさの部分。
このややこしい会話からわかったことは、捨松は会津藩の出であり、敵である薩摩の大山との結婚は大変困難であったものの、なんとか親戚家族の許可を取り付けることができた。しかし、捨松には会津戦争の折、砲撃を受けて亡くなった姉がいて、その砲撃を指揮していたのが大山だということがわかった、親族は許してくれても姉は決して許しはしないだろうというのが、捨松の婚約破棄の理由であった。結局、その砲撃時、大山は体調を崩していて指揮からはずれていたことが明らかになり、めでたしめでたし、となる(大山はあの<八重>に足を撃たれて負傷したんだって)。捨松については米国留学のことも大山夫人となったことも知っていたが会津出身とは知らなかった。この芝居に描かれたエピソードはフィクションかもしれないが、両藩の恩讐はつい最近まで根強くあったと聞くからあの当時、2人が結ばれるのはどんなに大変なことだったか。重い困難な問題、そして2人の意志疎通が二重の言葉の壁を超えて可能になり、2人が結ばれるという構造がうまくコメディになっていた。
ベンガルさんが武骨で不器用な大山巌を魅力的に好演していて応援したくなった(私がテレビで見るベンガルって変な役ばっかりなんだもの)。秋本さんはカタコトの日本語を喋ったり、心に重いものを持っていてむずかしい役だったと思うが、姉への気持ちは共感できたし、あの時代に15年外国生活をしたという芯の強さみたいなものが感じられた。とくに大山と結婚した後の秋本・捨松が生き生きとしてチャーミングだった。
もう1組の恋。それはクララと勝海舟の息子・勝梅太郎(葛山信吾)のカップル。梅太郎は小吉・海舟の血を引いたとは思えぬ優柔不断の優男で、見ているこちらがいらいらする。もっとも葛山さんは私の中では「幸せを運ぶバスガイド 桜庭さやか」の相方運転手、お人よしの<とんちゃん>(富田林)だから、イメージ的には全然違和感はない。この2人もクララのリードでめでたく結ばれる。牧瀬さんがお茶目で積極的なクララをやっぱり生き生きと演じていた。

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2014年1月30日 (木)

国立劇場大規模改修

まだ少し先の話だけど、国立劇場が2017年から大規模改修されるそうだ。
1966年にできた国立劇場は、最近雨漏りや空調の不備が目立ってきているんだとか。
演芸場なども集約して工事完成は東京五輪開催の2020年の予定。
その間、代替劇場で公演を続けるそうだけれど、どこになるんでしょうね。
東日本大震災のあと、色々な劇場が改修工事を行ったが、それとは別にさすがに築50年近くなると、老朽化が問題になってくるんでしょう。当然のこととはいえ、考えていなかったのでちょっと驚いた。

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浦井ファン必見、「アルジャーノンに花束を」再演

私が浦井健治クンを最初に知ったのは博品館劇場で見た「アルジャーノンに花束を」で。原作を読んで間もなくだったか(何となく敬遠していて、ずいぶん遅くなってから読んだものだ)、ミュージカルがあると知って、即チケットを取ったのだった。私はそしていっぺんで大好きになってしまった。ルックスもさることながら、ピュアでナイーブな感性には心が震えた。歌ももちろんうまい。芝居としての完成度も高く、この「アルジャーノン」は強烈な印象を私に残した。
その「アルジャーノン」が博品館劇場から8年経つ今年、9~10月に再演されるという。東京公演は天王洲銀河劇場、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて。
当時は比較的取りやすいチケットだったが、今度は大変だろうなあ。

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2014年1月29日 (水)

大相撲、勝負も観客ウォッチングも

今ごろというか、今さら、なんだけど…。
大相撲初場所、仕事が忙しくてほとんどテレビを見られず、楽しみにしていた北の富士の解説もほとんど聞くことができなかった。やはり仕事やら所要やらで見られない千穐楽ぐらい、と録画しておくことにした。
昨日、何の話から出たのか、相撲好きの息子が「そういえば、千穐楽に海老蔵が来てたよ。すぐにわかった。思いっきり目立ってたよ」と教えてくれた。私、たまたま母の施設で決定戦だけは見ていたし、どっちかというと観客ウォッチング派なのにぜ~んぜん気づかなかった。
急いで録画を見ると、いたいたhappy02 ほんと、思いっきり目立ってるhorse
絶対ブログに書いてるよね、と思ってすぐに海老ちゃんブログを見たら、やっぱり何度も更新されていたし、コメント数もすごくて、知らなかったは私だけかい、な気分(相撲見てる人、多いんだ)。
それから、里山と高安の取り組みに物言いがつき、審判員が話し合っている間、今度は秋山仁さんが写った。その隣にはピーター・フランクルさんがいる。そうか、2人とも数学者だものね。
去年の5月場所の千穐楽は獅童さんも見に行っていたんだよ~happy02(テレビに映ってるの見たら、TOKIOの松岡クンかと思ったsmile)。これも息子が教えてくれた。
ミーハーおばさんにとって、やっぱり相撲の観客ウォッチングは楽しい。録画しておいてよかった。

肝心の相撲でいうと、遠藤がやっぱり魅力的。遠藤って、かなり大柄だと思っていたけど、誰かと対戦した時、そうでもないんだと驚いた。里山は反則負けで負け越し技能賞逃したのはもったいない。松鳳山は快進撃だったのに結果9勝6敗は残念でもあり、まあそんなところかという気持ちでもあり(結婚して子供も生まれたっていうから、がんばれ!!)。稀勢の里は重圧に負けたか、綱取り一転カド番の危機を何とか乗り越えてほしい、何と言っても大関の中で安定性は一番だったんだから。

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2014年1月28日 (火)

大好きでした、吉之丞さん

吉之丞さんが亡くなった。
ずっと舞台に出ていらっしゃらなかったから心配はしていたのだ。
26日夜、旅立たれたそうだ。81歳。
2年半ほど前、「ウチくる!?」というテレビ番組に吉右衛門さんが出演された時、吉之丞さんがご自分で書かれた手紙を読まれて、涙もろくなっていた吉之丞さんに私もうるうるしたっけ。
いつかくる日だとは覚悟していたけれど、悲しい。新しい歌舞伎座の舞台で、
吉之丞さんの役の中で一番好きだった「毛谷村」のお幸を見たかった(今でも品格あるしっかりした演技が目に浮かぶ、セリフも聞こえてくる)。
吉右衛門さん、どんなにかお力を落されていることだろう…
心よりご冥福をお祈りいたします。ありがとうございました。

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2014年1月27日 (月)

壽三升景清いろいろ

115日、22日 「壽三升景清」(新橋演舞場)
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回行っているのはリピートしたわけではない。そのわけは後ほど。全編を見た22日は仕事を仕上げたばかりでただただ眠く、肝心の畠山との問答はがっくり。ということは、この芝居の本質を理解せぬまま、ただミーハー的に見てきたということになる。
ま、それも仕方ないか、元々ミーハー観劇記だし(って、何を開き直ってる)。

景清といえば吉右衛門さんの「日向嶋景清」というおそろしく暗い物語を思い出すが、こちらの景清は全然趣が違った。「関羽」「鎌髭」「景清」「解脱」を一連の流れにしたアイディアは「雷神不動北山櫻」みたいで面白いと思ったら、実はそれは景清が死ぬ間際、走馬灯のように夢見たことだった。海老蔵さんが景清の欲望をすべてかなえた夢を見せてあげたいという発想からそういう物語にしたのだと知った時、思わず感動してしまった。あとで海老蔵さんの考えを知ってから芝居を振り返ってみて納得したのは、景清の頬の隈取が青黛で描かれていたこと。芝居を見ている最中、あの隈がどうにも気になって、なんかあそこに暗い意味が潜んでいると感じていたのだが、やはりこれは景清の心の闇、陰を表すものだったようだ。それを感じさせてくれた海老蔵さんはすごいと思ったし、そもそも、海老蔵オーラが満ち満ちた芝居であった(海老蔵の海老蔵による海老蔵のための芝居だ、こんなことができるのは今は海老蔵さんしかいないんじゃないかって思った)。
発端・第二場岩窟の場は暗い(照明が、という意味)。暗くてなんだかよくわからなかった。第三場魏の国張遼館の場(「関羽」)では新蔵さんの魏の武将に<らしさ>があってとてもよかった。全体に迫力があって面白かった。
序幕・山崎の里鍛冶屋の場(「鎌髭」)は景清を討ち取るために源氏の武将たちが鍛冶屋に身を窶しているという設定だというから、自分の中の鍛冶屋さんをイメージしていたら、全然違ったのでびっくりした。刀鍛冶はああいう衣裳をつけていたのだろう。左團次さんが立派。萬太郎クンは声がいいから映える。 女形で見ることの多い廣松クンも頑張っていた。新悟クンはあまりしどころなくてちょっと気の毒だったかも。
市蔵さんと子分3人がチャリ場を演じる。腹太ゆる平(山左衛門)、鰒汁のむ平(新蔵)、風鈴あて平(仁三郎)というふざけた名前の3人が市蔵さんが持っている化粧水をつけたところお肌がしっとりしたと喜ぶ(何しろ市蔵さんの役名が<うるおい有右衛門>だから)のだが、実は彼らがつけたのはただの水だったという、どこかにありそうなお話。
自ら縄にかかった景清を入道の獅童さんが引っ立てて行く場面は、景清がびくともしないために獅童さんが道化役となって海老蔵さんに華をもたせる。それなりに面白いのだが、役とはいえ私はふざける獅童さんはあんまり好きではな二幕目・都清水五條坂花菱屋の場では芝雀さん(阿古屋)があんまりきれいでどきっとした(女性としてまったく違和感がない。<男>の部分がまず見られない)。景清の妻として、花魁としての品格、潔さが素敵だった。玉三郎さんに続く阿古屋は一気に菊之助・七之助あたりに飛ぶかと思っていたが、そうだ、芝雀さんがいるではないか!! 
六波羅に行くことになった阿古屋がおいらん道中で行きたいと言い出し、その準備が始まる。岩永左衛門(市蔵)の家来たちが若衆役を引き受けさせられるのだが、初めてのことで要領を得ないのと(傾城たちに練習をさせられる)彼らの動きがキョンシーみたいに両足飛びなので、なかなか大変そうだった。とくにおいらん道中は歩きにくそう。この家来たち、動きが変なだけではなく、顔もドラえもんがいたり、ふなっしーがいたり、壽を書いてあったり。指導役の京紫さんはドラえもんとふなっしー相手に花魁の傘の持ち方を教え、「なっしー」連発。「今でしょ」も(未だに流行しているんだ)。京蔵さんは煙草盆の指導で「おもてなしの心で」と。京妙さんは提灯と花魁に肩を貸す役の指導をしていた。金棒は家来がうまくできないので、結局は岩永がやった(珍しい、市蔵さんの金棒引き)。
景清と阿古屋の子・人丸の福太郎クン、禿姿が実に可愛かった。
畠山の獅童さん、どてら姿がよく似合い、カッコよかった。見送る右之助さんが凛としてきれいだった。と思ったら自分もかっこつけて花道を引っこむコミカルさのギャップが面白かった。
二幕目・都六波羅大牢の場(「景清」)で、景清に再会した福太郎クンが「もし、ととさま、人丸にございます。おなつかしゅうございます」とあいさつした時の表情が、いかにも懐かしんでいるようで上手だった。は先述したとおり、問答になって気がついのは、畠山が大牢の鎖を断ち切った瞬間であった。
津軽三味線がとてもよかったのにツケと重なる部分がけっこう多かったのが残念。またツケと重ならず聞き惚れようとすると今度は拍手がかき消してしまい、もったいなかった。

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2014年1月25日 (土)

浅草歌舞伎第二部は半分で

111日 浅草歌舞伎第二部(浅草公会堂)
仕事の追い込みで、本当はパスしなくてはならないところだったけれど、今日のお年玉ご挨拶は亀鶴さんで絶対はずせないし、かと言ってご挨拶だけ聞きに行くわけにもいかず、自分の中で折り合いをつけた結果が「博奕十王」まで。
「お年玉ご挨拶」
運よく、亀鶴さんに当たった。亀鶴さんは第二部の出演はないから、本当にラッキー。
第一部の愛之助さんも亀鶴さんも客席いじりをするので、本当は1階席のほうが楽しめるんだけど、最近超ケチになって、今回も3階最後列(何度も言うようですが、浅草の3階は最前列より最後列、と私は信じています)での観劇となった。
愛之助さん同様、口上口調でのご挨拶が終わると突然「はい、そういうわけでございまして~~」と豹変して笑いを誘う。「このご挨拶は遅れてきたお客様を待っているわけじゃないんですよ」「初めて歌舞伎を見る方――ちらほらいらした様子――…なんでもっと早く(見に)来ないかなあ(笑)」「舞台は皆さんと一緒に楽しむためのもの」。
お年玉は無条件であげていたけれど、最近それに疑問を感じていて、今日はお客様と博奕を打ちたい。ということで、あらかじめ決めてあった東京家政大の女子大生は花道から亀鶴さんにエスコートされて舞台へ(亀鶴さんに手を引かれていたよ~)。そういえば、亀鶴さんが座っていた緋毛氈にはサイコロとお土産の入った袋、そして筋書きが置いてある。
亀鶴さんが「1が出たらあなたの大切なものをください」と言ってサイコロを振ると、なんと1が出た!! 亀鶴さん、まさか1が出るとは思わなかった(初めて出たそう)とのことで少し焦り気味。「キスして」と言ってから恥ずかしいからと彼女の手にキス。そしてお菓子と手拭をプレゼントしていた。
彼女が下がった後は筋書きの宣伝。そして3月演舞場の猿之助スーパー歌舞伎Ⅱと、愛之助さんの「酒と涙とジキルとハイド」の宣伝も。「愛之助さんはおかまじゃございませんからね~」。
楽しいお年玉はあっという間に終わり、最後は再び口上口調で締まった。
「博奕十王」
花道に登場した猿之助さん、「通夜、告別式と参列いただき、あまた香典を頂戴し」と客席に挨拶して大ウケを取っていた。
亀治郎の会では亀鶴さんだった閻魔大王は男女蔵さん。押し出しが立派である。
獄卒の猿四郎・弘太郎さんは声がよく、男女蔵さんともども3人で恐ろしげな雰囲気を出していたが、それでいてどことなくユーモラスというかコミカルというか、簡単に騙されるのもごもっとも、地獄の守りにしては純な感じに、つい肩入れしたくなってしまった。世渡り上手で、ちょっと小憎らしくなってきた博奕打(こういう人っていそうだよねえ)を亀ちゃんが軽妙に演じていて、全体に楽しく見た。
<上演時間>「お年玉ご挨拶」5分(15301535)、「博奕十王」45分(15351620)、幕間25分、「新口村」50分(16451735)、幕間20分、「屋敷娘、石橋」30分(17551825

 

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2014年1月24日 (金)

浅草歌舞伎第一部本編

111日 浅草歌舞伎第一部(浅草公会堂)
先般、お年玉ご挨拶だけアップした浅草歌舞伎、やっと本編に入れるけれど、時間も経っちゃったし、簡単にということになりそう。
「義賢最期」
この演目はたしか海老蔵さんで最初に見て衝撃を受け、海老蔵以外にこの役は考えられないなんてコーフンしたものだが(当時は、海老ちゃんの汗浴びる席にこだわっていたなあ、もう遥か昔のことみたい)、愛之助・義賢を見ると(愛之助さんでは2度目。仁左様のを見たことがあるような気がしていたけれど、実際は見ていないらしい)、愛之助さんがうまい!! と拍手喝采したくなる。若手の中で義太夫物をやらせたら一番ではないだろうか。姿形もしっくりくるし、とくにセリフの言い方が好きである。うまく表現できないけど、言い回しに独特な丁寧さと感情が込められていると思う。セリフと同時に、それを発する表情にも丁寧に感情が込められていて、とにかく義賢の気持ちがひしひしと伝わってくるのである。
全体にとてもよかったのだが、唯一、兄・義朝の髑髏の場面が物足りなかった。怒りのエスカレートがやや不足しているようで、その後の展開につながりへの弱さを感じてしまった。けっこう肝心の場面であるだけに残念。
襖倒れ、仏倒れの大技は3階最後列から見ていても迫力たっぷり。わくわくどきどきした。襖は上手側の1人が支えるだけになり「イヤっ」と気合を入れるとラブリンが「んっ」と合図をして倒れた。とてもきれいだった。
満身創痍の義賢が水を求める場面はいつも心が痛む。「思い残すことはないが腹の我が子にただ一目。こればっかりは」にはいつも泣ける。
梅丸クンの待宵姫の愛らしいこと。でもちょっと幼すぎるような気がした。とくに折平の亀鶴さんとのバランスで見ると幼さが目立つ。はじめのうちは、落ち着いた低めの声が顔に似合わず、何となくこちらの居心地が悪かったが、折平の前ではちょっと声が高くなったのが面白かった。義母・葵御前を敬いいたわる表情、小万が現れたことによる憂いの表情はよく待宵姫の気持ちが出ていたと思う。小万に対する嫉妬を折平にぶつけるのは可愛らしいのだが、やっぱり亀鶴さんとのバランスがしっくりこない。
亀鶴さんは折平のニンではあると思うが、待宵姫との絡みではそういう意味で残念であった。
壱太郎クンは声がキンキンしないのがよかった。小万は夫が待宵姫といい仲になっていることは知っているのかしら。7年も探して、やっと見つけたのに、ちょっとかわいそう。それに、傷ついた義賢の許に小万が駆け付けた時、これからの小万の命を張った忠義を思ってうるっとした。通しでの壱太郎・小万を見たい。
橘太郎さん――橘三郎さんの間違いです。ごめんなさい!!――のじいさん、子役ちゃんとともに非常に和んだ。
申し次の侍の左字郎さんの声が素晴らしくいい!! 聞いていて気持ちがいい。
矢走兵内の欣也さんは巧まずしてコミカルな味が出ており、また兵内の武士としての一面もきちんと持っていてよかった。
吉弥さんが舞台をぐっと締めていた。安心して見ていられる役者さんというのはどんなに貴重な存在であることか。

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2014年1月23日 (木)

財布忘れて予備軍

大きな仕事は終わったのだけど、その間できなかったことの後始末で相変わらず忙しい。
そんな中、今日は墓参に行ったら、なんと財布を忘れていることに気づいた。それも30分も電車に乗って次の電車に乗り換えようと準備している時に。
バッグに入れたはずなのに。でも途中で落した気配はない。いっしょうけんめい記憶を辿って、バッグに入れている自分を思い浮かべるものの、どうもはっきりしない。何度バッグに手を突っ込んで探してもないんだから、やっぱり家に置いてきたのだろう。
行きは電車を乗り継いで、帰りは乗り換え駅までタクシーを使うつもりだった。行きにタクシーにしなくてよかった。乗ってしまってから財布がないとわかったらどうするんだ!!
さて、そうならなくてよかったけれど、霊園のお茶屋さんで買う榊代があるかthink これだけは持ってきていた小銭入れを覗くeye 500円玉が2枚と100円玉他がいくらかあるconfident よかったぁ!! ギリギリセーフhappy02 月に1回、榊を換えに行くような墓参だから、榊が買えなかったらもう一度出直さなければならないところだった。でもお供えものを買う余裕はまったくない。しょうがないね。
昨日深夜、NHKSPでアルツハイマーのことを見たばかり。私も番組でやっていたような運動療法を予防のためにやっておこうか、なんて思いながら見ていた。
実際、こうして財布を忘れてみると、忘れたこともさりながら、記憶が辿れないことがショックで、予備軍であることを痛感した(財布だけじゃないの。電車の中で仕事しようと思って筆箱を入れたつもりが、ない。これも記憶の中では、別のバッグから取り出したところまでははっきりしているのだけど…。帰宅したら、玄関に置いてあったbearing)。で、結局、財布は家の中に大事にしまいこんでありました。

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2014年1月21日 (火)

第13回研修発表会②:超難問クイズで盛り上がった大喜利

118日 第13回伝統歌舞伎保存会研修発表会
さて、最後はお楽しみ「大喜利」。舞台には緋毛氈の敷かれた床几が左右2台ずつ4台。その真ん中に机が置かれている。
まずは菊五郎さんが登場し、観客に謝意を述べ、「彼らも大勢のお客様の前で演じて自信になっただろう。数年先には歌舞伎界になくてはならぬ存在になってほしい(私の心中:今でもなくてはならぬ存在ですよ)。日本芸術文化振興会、平たく言えば国立劇場なんですが(客、笑)、協力していただいてありがたい」と挨拶した。
その後、松緑、松也、亀寿、権十郎、團蔵、彦三郎、時蔵、萬次郎、亀三郎、梅枝、右近、菊之助の面々が舞台に現れて、場内大いに盛り上がる。
それぞれの挨拶を簡単にご紹介する(メモが間に合わなくて、ちょっとだけの人もいる。記憶違いもあるかもしれない。ごめんね)。
松緑:たくさんいらして下さってありがとう。昼間の本公演より多いような気がする(私:笑っちゃうけど、笑えない)。今日ご覧いただいた「浜松屋」は来月、菊之助さんとやる。私ども2人の「浜松屋もお見捨てなきよう」(私:2人の花道のやりとり、楽しみ)。
松也:(立ち上がると、すかさず菊五郎さんが「AKB」とか何とか声をかけた。私としては「フライイングゲット」と言ってほしかったな。それはともかく、菊五郎さんのチャチャを受けて)昨年は色々お騒がせしました。今回の公演はボクらにも勉強になった。演じたみんなも光栄に思ったことだろう。
亀寿3度目の年男です。
権十郎5回目の年男です(叔父甥で年男か)。松也クンも世間を騒がせたが、自分もこれから結婚して子供もつくりたい(私:がんばれ、まだまだ若いっ)。
團蔵:権十郎さんは3年前、私の誕生日ににこにこしてやってきてこれをくれた(と言って、赤いマフラー――マフラーに見えたけど、違ったかな?――を取りだした)。権十郎さんは26日の誕生日で還暦を迎える。おめでとう。私からもプレゼントを(と、権十郎さんに差し出したのが赤いパンツ。巣鴨の元祖赤パン、マルジで買ったのかな? 客、大ウケ)。
彦三郎:見に来てくださってありがとう。
時蔵:伝統歌舞伎とかけて鏡モチと解く。その心は、どちらも「だいだい」が大切です。銀髪の貴公子、時蔵です(私:自分で言うかっ)。
萬次郎:とうふを見ると故郷を思い出す。故郷はとうふにありて思うもの(なんで、とうふの話になったんだっけ)。
亀三郎:自分も来月、浜松屋に出る。よろしく。
梅枝:銀髪の息子です。今年結婚します(10日ほど前、そういう噂を聞いてビックリしたのだが、本当だったんだ。おめでとう)。
右近:ソデで拝見して一番若手として先輩から教わったこと、緊張することもよくわかる(右近クンは本当に真面目に歌舞伎に取り組んでいて好感度高い)。
菊之助:昨年結婚して子供もできた。順風満帆幸せいっぱいかと思いきや、そうばかりではない。芝居で右からくるのは音羽屋、左からくるのは播磨屋の重圧。仕切るのはゴッドマザーにゴッドシスター。桃色吐息です。
菊五郎:あっち、どっち、ソチ。

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2014年1月20日 (月)

第13回研修発表会①:名題下役者さんは実力派揃い

118日 第13回伝統歌舞伎保存会研修発表会(国立劇場大劇場)
やっと大仕事が終わり、これからこの大仕事のために待っていただいていた仕事に取りかからねばならないのだけれど、どんどん感想がたまっていってしまうので、久しぶりに観劇記を。たまりついでで、新しいところからいきましょう、というわけでまずは研修発表会を。今回は前回のような挨拶はなく、いきなり演目に入った。
「廓三番叟」
この演目の最新の記憶は萬屋一家で踊った2010年の巡業。時さまが演じた傾城千歳太夫を弟子の竹蝶さんが演じるというのが個人的な眼目だった。竹蝶さんと新造の松男さんがしずしずと下手から登場する。竹蝶さんは最初緊張しているように見えたが(正直、こっちがどきどきしていた)廓模様になってからは踊りを楽しんでいるような余裕が感じられた。竹蝶さんは普段可愛らしいけれどわりとおとなしめな印象なのでちょっと心配したけれど、意外にも(失礼!)華やかさがあって、また小柄ながら新造との位の差もみられて大きさがあり、ほぉ~っと感心した。おっとりしたところが案外傾城っぽいかも、と思った。
松男さんは小柄で愛らしく、しかも色っぽい。のびのびとキレのある踊りは魅力的だった。
幇間は巡業では1人だったが今回は松悟さんとやゑ亮さん。楽しそうに踊っていて、こちらも楽しくなった。
後見は21期研修生。まだ本名での舞台だが、きびきびと先輩の支度を手伝って、いい勉強になったのではないだろうか。
「弁天娘女男白浪」
「挑む」メンバーの音一朗さんが弁天ですもの、期待しないわけがない。そして音一朗さん、まさに期待通りの素晴らしい弁天だった。
振り袖姿は、大柄なのとお顔が美形ではあるけれどもややごつさがあるのでちょっと惜しいと思っていたが(「ぴんとこな」の中山優馬クンみたい。いや、優馬クンよりはやわらかさがあった)、正体を現してからはもう音一朗・弁天の世界。<女装の美少年>は顔も美形(ほんっと、イイ男)、声もきれいで、声は菊之助さんに似ている。でも姿(動きからくる姿なのかな)には菊五郎さんがちらちら。体形的には菊五郎さんと全然違うのに、これは面白いと思った。
相棒の南郷力丸は咲十郎さん。南郷を指導したのは松緑さんだと思うのに、こちらには左團次さんがちらっと見えたのは、私の中で菊五郎×左團次のイメージが出来上がってしまっているせいかもしれない。若党役の時には武士らしさが板についてとても立派だったのに、正体がバレた途端に不良少年の本性を出す巧さ。若いだけにワルぶりが似合う。勢揃いの場でもそうだが、繊細な荒っぽさ(変な表現だけど、ただの荒っぽさじゃない)が咲十郎南郷の魅力。とにかくカッコよくてカッコよくて(今ごろ、気がついたの?って言われそう)
浜松屋を後にした2人の花道でのやり取りは大好きな場面だが、今回も満足のいく空気が2人の間に漂った。ああいう自然な空気っていうのは普段も仲がいいんだろうなあと思わせられる。

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2014年1月18日 (土)

3月国立は時さまが切られお富

14011801tirasi 3月国立劇場は「車引」と「切られお富」。
今日研修発表会に行って、チラシをもらってきた。
この情報は正式発表まで待っていたんだけど、もう発表になったのかな?
国立劇場HPの「再来月以降の公演予定一覧」には出ている。一度福助さんで見たことあるのに、ほとんど覚えていない。自分の感想を引っ張り出してみたら、いやな気持がしてあんまり後味がよくなかったと書いてあった。う~~む…。

ここのところ、記事が公演情報ばっかりになってしまっているcoldsweats02

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三人吉三、再び

1月6日の当記事で勘九郎・七之助・松也による「三人吉三」の公演速報をアップしたが、チラシ第一弾もできて正式発表になったようだ→ココ
こうなると、他の配役発表が待たれる。とくに、十三郎、おとせの発表が楽しみ。
土左衛門伝吉は笹野さんが、あるいは歌舞伎役者さんか、とかもね。
前回のコクーン「三人吉三」から7年目。世代がかわってどうな
るか。「天日坊」が面白かったから、大いに期待している。

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2014年1月17日 (金)

4月南座は歌舞伎×オペラ×能楽で「源氏物語」

うっかりしていたけど、4月南座の公演も発表になっていた→ココ
面白そうだけど、どうしようかなあ。南座は3月にも行こうと思ってるし、3月4月はmoneybagが厳しいし…。

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歌舞伎座3月4月演目・配役:4月は三津五郎さん復帰

歌右衛門襲名公演になるはずだった3月・4月公演は、「鳳凰祭」と銘打って3月は杮落、4月は開場一周年記念公演として行われる。
また、両月とも歌舞伎座松竹経営百年・先人の碑建立一年を記念する公演でもある。
3月の詳細は→ココ
4月の詳細は→ココ

4月は三津五郎さん復帰のようですよ~happy02
多忙につき、まだ演目・配役を吟味していないが、とりあえず、取り急ぎ。

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2014年1月16日 (木)

おいしい、はず。日本酒ボンボン

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先日、成田空港で見つけた日本酒ボンボン。
いろいろなお酒があったけれど、私は母の出身地である秋田誉三酒をまず手に取り、次に軽いところでと梅酒を選んでみた。
まだ口にしていないから美味しいかどうかはわからない。でもきっとおいしい。はず。と思う。
早く仕事終わって味わってみたいよ~。

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2014年1月15日 (水)

昆陽先生に感謝

14011501applepotato_2 先日、昼どきにテレビをつけたら、ヒルナンデスで巣鴨の地蔵通り商店街をぶらぶらしていた。地蔵通りとはちょっと離れていたけれど巣鴨は15年以上住んでいた町だから、ついつい見入った。

はるかむか~し、魚の骨をのどにひっかけ、これが何をやっても取れず、23日苦しんでいたところ、近所の人がお地蔵さまのお札をくれて、半信半疑どころか全疑だったけど、溺れる者はで、言われたとおりそれを飲んだ。すると、あぁら不思議、魚の骨はどこへやら、という経験がある(という話は以前にもしたかも…)。以来、魚の骨がのどに刺さったことはないが、お地蔵様のご霊験は絶対に信じている。

ま、それはともかく、テレビで紹介していたおいもやさんの大学いもがとってもおいしそうで俄然食べたくなった。でもわざわざ巣鴨に行くのもなあ…。そうだ、あした浅草へ行くんだっけ。そういえば浅草にも大学いもが美味しい店があったな、と思い出し、歌舞伎の帰りに寄ってみた。
大学いもを量ってもらっているとき、ふと見ると、「アップルポテト」があるではないか。「アップルポテト」って、その巣鴨のお店で売っていて、ちょっと食べてみたいかもなんて思っていたのだ。聞いたら、巣鴨も浅草も同じお店だったのだ!! 興伸というお店。知らなかった!! 
早速1つ購入。
りんごがまるまる1つ。芯を刳りぬいて、いもクリームというかスイートポテトというかを詰めてある。焼きりんごはそんなに好きというほどではないけれど、このりんごはりんごの爽やかな酸味がきいていて食感もよく美味しい。中のポテトとのバランスもいい。
アップルポテトが楽しめるのは5月くらいまでらしいから(季節商品)、次の浅草でも又買っちゃおう。大学いもも又買っちゃう。大学いもは父の大好物だったのよ。今は神棚に供えることしかできないけど、親孝行のつもりで。
それにしても、いもはおいしい。昆陽先生に感謝です。

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2014年1月13日 (月)

初春歌舞伎座は「東慶寺」だけ

113日 初春大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
14011301kabukiza 仕事が終わらな~い、どころかメドさえついていない。歌舞伎見てる場合じゃない。今日の夜の部パスしようか。でもいくら一番安い席といっても4000円まるまる捨てる決心がつかない。じゃあ、九段目を取るか、東慶寺を取るか…九段目だと仕事を半端に切り上げなくてはならない。
思い切って九段目を捨てることにした(歌舞伎ファンとしてあるまじきことよねえ)。それに今月私の歌舞伎座観劇は夜だけなんだから、これ1本だけになってしまった。
で「東慶寺花だより」。けっこう面白かった。仕事で疲れた頭には重い「九段目」より楽しめたと思う。ただ、謎解き的な部分がもう一つかな。それと、多分最後の「あべこべ」に井上ひさしの毒が効いているのだろうが、それが効果的に活かされていなかったのが残念である。
染五郎さんはニンに合っていて、とぼけた知性がよかった。役名が中村信次郎っていうのが、私にはツボ。1文字違いだけど、錦之助になっていてよかった、なんてつまらぬことを思った。染五郎さんの机が面白い。木製なんだけど、立てて持ち手と足を出すと、ガラガラ引っ張るキャリーバッグに変身するのだ(そういえば、「芭蕉通夜舟」でも机が雪隠に変身していたっけ)。これにはウケた。染五郎さんがやると、ほんと可笑しいのだ。ただ、この人、柏屋の娘お美代(虎之介)に惚れられているのだが、本人がお美代をどう思っているのかがよくわからなかった。満更でもなさそうではあったけれど、自分が所帯をもつよりは他人の人生を聞き取り見取りするほうが面白い、そんな感じ。
彌十郎さんは大家的な役が合っているが、今回は「食えない」大家ではなく、ストレートに「話のわかるいい主人」を頼りがいのある彌十郎さんらしく演じていたのが原作通りだとしても(原作を読んでいないのでわからないけれど)、どことなく物足りなさを感じたのは、決して彌十郎さんのせいではなく、そういう大家を見過ぎた私に刷り込みがあったせいか。
東蔵さんの東慶寺住職(?)は真面目でもっともらしい中にコミカルな感じがあって、東蔵さんの意外な一面を見たようで面白かった。芝喜松さんはセリフや動きに力を入れるのではなく自然さがよかった。
男の駆け込み、翫雀さんはセコセコせわしない人間をやらせたらぴったり、時としてうるさく思うこともあるが、今回はおおいに芝居を盛り上げたのではないだろうか。結局怖い奥さんに手を引かれて帰る可笑しさ。ラジオで、視聴者が自分のバカ話をして、タレントが「合格~」とか「不合格~」とか決める番組があるが、それを思い出した。一生懸命訴えたのに「ふごうかく~」の惣右衛門の悲哀は、信次郎や柏屋主人には可笑しかっただろうが(結局惣右衛門は奥さんに惚れてるってことか)、私にはちょっと気の毒であった。
秀太郎さんが亭主にぞっこんながら尻に敷いて怖がられるつよ~い女房を生き生きと演じていた。秀太郎さん、すっごくきれいだった。「お・も・て・な・し」を強調するのではなくさりげなくセリフに取り込んでいたのが<技>だと思った(危うく気づかないところだった)。
松之助さん(堀切屋の隠居)は若い囲い女にめろめろのエロじじいで、最初は強気でエロエロ満々だったのに、染五郎さんに「おまえさんはもうじじいなんだよ」と言われたら(実際はもっとソフトな言い方だったけど、ご隠居にしてみれば、そう突き付けられたってことだろう)、途端に肩を落し、本当にじじむさく見えたのにはびっくりした。うまい!! ちょっと哀れに思えてしまった。
笑也さんは損な役回りだったかも。許嫁もいるのにエロじじいに囲われているのがイヤで駆け込んできた女なのだが、この女性にあまり人間としての魅力を感じなかった。孝太郎さんの、非の打ちどころのないイケメン夫(見てみたかったけれど、芝居には登場しない)と離縁するために駆け込んだ女の方がよほど魅力的だった。人物の描かれ方のせいかもしれない。孝太郎さん(おせん)の聞き取りは、染五郎・孝太郎・彌十郎の絡みのテンポがよく、面白かった。ここで一つ気になったのは、「国産」という言葉。これが江戸時代にあった言葉なのかどうかわからないが、以前「黄金鯱」で「誕生日」という言葉に違和感を覚えたのと同じように、そこだけが妙に耳についた。井上ひさしのことだからちゃんと調べて書いているとは思うけれど
虎之介クンのお美代が花が咲いたみたいに可愛らしかった。
一緒に名題昇進した女形の梅乃さんと千壽さんが、弥次喜多みたいな立役コンビで、出番も多くセリフも多かったのがとっても嬉しかった。梅乃さんは、東慶寺に駆け込んだ女たちの1人かなあと思って一生懸命双眼鏡で覗いたけれどわからず、まさか立役で出てくるとは思わなかった。橋吾さんも笑也さんの恋人という大役だったけれど、3つのエピソードのうちここが一番面白くなかったので、橋吾さんもちょっと損だったかも。もっともそう思うのは私だけか。でも、もう少し脚本を整理したら、もっと面白くなるのではないだろうか。
<上演時間>「九段目」93分(16301803)、幕間30分、「乗合船」30分(18331903)、幕間20分、「東慶寺」94分(19232057
終演時刻が遅く、途中で席を立つ人もちらほらいた。また、幕見はがらがらだった。



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2014年1月11日 (土)

浅草、とりあえず

111日 浅草歌舞伎第一部(浅草公会堂)
140111asakusa01 まだ泥沼から首さえ出切っていないので、「口上」だけ。
公会堂を入ったところで、上のプログラム売り場はこむからここでお買い求めくださいと大々的に声が上がっていたのでそうしようかと寄ってみると、100円割引券の人は上で買ってくださいとのこと。結局2階(3階? 1階席のところ)の売り場に行ったらガラガラだった。
「口上」
愛之助さんだった。裃姿で登場し、口上口調で二言三言述べた後、すっとマイクを手にして立ち上がりリラックス口調に豹変。でそのギャップで笑いを取る。確か、ラブリンはいつもそうだったよね。でも今回は口上の後すぐに「義賢最期」だから珍しい拵えでの「お年玉」になった。
毎年浅草を卒業すると言いながら今年も浅草に残った。浅草は若手が活躍する場だが、自分も若手のつもり。歌舞伎界では4050は洟垂れ小僧と言われていて、自分は41歳になってやっと洟垂れ小僧になったところ。そう思ったら本物の若手が出てきた。自分ももう卒業しないと若手にとって邪魔だろう。時々冷たい視線を感じる(笑)。
恒例、質問コーナーでは裃姿に座席に下りる(「こんな格好で下りることはめったにない」と言いながら)。
140111asakusa02 最初の質問は、「生まれ変わるとしたら、男性ですか、おネエですか、女性ですか?」。いやあ、ウケたウケた。「さすがおネエはありません。男性です。もう一度歌舞伎役者になりたいから」。この方は愛之助さんにお菓子の袋を差し入れし、愛之助さんの手拭をもらっていた。
次の質問者。マイクを向けられると「勢い余って手を挙げちゃったんで…」。もちろん大ウケ。もう、今日は皆さんうますぎる。愛之助さん「勢いに免じて手拭を差し上げます」。
あまり時間を取るといけないということで、愛之助さんは舞台に戻り(今年も身軽だよねえ)、携帯に関するお願いをした後、これも恒例、拍手の練習。1階→2階→3階→全員の順で拍手を指導し、最後は再び口上口調で締めて終わり。
やっぱり浅草のお年玉はなくてはならないものだと強く思った。

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2014年1月10日 (金)

3月も南座へ行かなくっちゃ

3月南座花形歌舞伎の演目と配役が発表になっていた。
既視感があるんだけど、何しろ、歌舞伎と仕事を両立させるためには睡眠時間をけずるしかなく、頭がぼぉ~っとしているこの頃だから(ぼぉっとした頭で歌舞伎見られるのか…)、どこかでとっくに発表になっていたのかどうか自信がない(歌舞伎美人では今日付けの発表だから、既視感は後援会からのお知らせだったかも)。
昼の部は「吹雪峠」「素襖落」「与話情浮名横櫛」、夜の部は「御摂勧進帳」「京鹿子娘道成寺」。配役は→ココ
やっぱりこれは見に行かなくっちゃ。涎が出そうな配役ですわ。
そういえば、菊五郎劇団の若手は2月3月と花形公演なのね。

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2014年1月 9日 (木)

今年も夏の巡業は2つの襲名披露

早くも、今年の巡業予定が発表になっていた(→ココ)。と言っても、3コースとも襲名披露だっていうことだけ。
東コースは又五郎・歌昇襲名披露で、主役の2人に吉右衛門さん。
西コース・中央コースは猿之助襲名披露で、今のところ猿之助さんのみの名前が出ている。
あら、襲名披露の巡業は去年で終わったんじゃなかったっけと思ったら、去年は播磨屋が西・中央コースで、澤瀉屋は東コースだけだったのね。今年はその逆を回って、これで全部ご披露が終わるということでしょう。
又、暑い夏に吉右衛門さんが巡業なんだから、松竹さん、その前後に少し休ませてあげてくださいませ(と言っても、この寒さで夏の暑さが思い出せなくなっている)。

ねむいsleepy

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2014年1月 8日 (水)

めでたく楽しく初芝居:「三千両初春駒曳」

18日 「三千両初春駒曳」(国立劇場大劇場)
仕事がいよいよ泥沼化というか底なし沼化してきて(そんなこと言ったらバチがあたる)、せっかくの初芝居も感想がいつになるかわからない状態になりそうなので、ともかく今回は簡単にでも思ったことを勘定書きにしてみます。
14010801kokuritu_2 ・開演前の舞台は緞帳でも定式幕でもなくてこんなふうになっている(写真)。開演すると、場内が真っ暗になり(「しばらくお席にご案内できません」から、くれぐれも遅刻なさらないように)、やがて白い馬が明るく浮き上がって、きらきらと金の紙ふぶきが舞い落ちてくる中、馬は上手上方へ飛んでいく。

・開演前に少し時間があったので、前半の粗筋を読んでしまった。通常、初めて見るものは筋を知らないまま見たいのだけれど、今回は読んでおいて正解だったかも。
・信孝に三法師、柴田に真柴、「清須会議か」、とまず思った。
・松也クン、亀三郎さんの出番が多い(とくに前半)のが嬉しかった。この2人、いつも意外と出番が少ないのよね。
・團蔵さんが真面目な善人側(善悪で分けられないとは思うんだけど、芝居の性格上便宜的にそう言わせてもらう)の役だったのも嬉しい。もちろん、團蔵さんの軽妙なおどけも、悪役も大好きなのだけど、こういう團蔵さんもたまには見たいじゃない。もっとも、しばらくはこの人、本当に善人側なのかって疑ってしまったけれど(悪役イメージつきすぎ)。
・菊五郎劇団の初芝居はチャリ場が楽しみだし話題性もあるのだが、今回はチャリ場はほぼなし。それでも筋の面白さ、セリフの面白さ、登場人物の性格の面白さなどで、くすりと笑える部分がけっこうあった。私は、序幕で、高麗国の姫君・昭菊皇女(菊之助)が、浜に漂着した日本の漁師網作・実は小田家の家臣小早川采女(松也)を口説く場面で笑った。昭菊皇女は日本で言えば赤姫でしょう。赤姫の恋に対する積極性がそのまんま表れていて面白かったのだ。兄の勧める政略結婚がイヤだと言う昭菊皇女。兄にさからって一緒になってはその兄の怒りが怖いと言う網作。すると二人の縁は天が決めたこと、それに逆らったら天罰が下る、って脅かすんだもの。しかし、菊之助・松也のカップルは体形的にも合っていて美しい。
・もう1人の漁師・綱蔵(亀三郎、やはり実は小田家の家臣宅間小平太)が網作(綱蔵に網作…はは)に「昭菊皇女は縁談がイヤで男とみれが誰彼かまわず声をかける」とウソをつくと客が笑った。網作も「よくよく考えれば姫君が漁師風情に惚れるわけがない」と納得(そんなことない、昭菊皇女は本当にあなたが好きなのよ)。
・菊五郎さんの信孝は、家督相続に興味なく遊興三昧の鷹揚・駘蕩感がぴったり。それでいてその本質は鋭く聡明であるという点も人物の大きさを見せてよかった。四幕目「馬切り」の場で、真柴久吉が用意した小田信長追悼の3000両を信孝が「三千両、廓の遊興にワシが使う」には客席から笑いが起こったが、いかにもこの人物らしい、そして菊五郎さんらしいセリフまわしがウケたんだと思う。

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2014年1月 7日 (火)

電車の乗り方忘れてなかった

14010701narita 昨年12月23日以来、なんと15日ぶりに、今日、公共交通を利用して外出した。23日は墓参、そして今日は休暇を終えた娘を見送りに成田へ。
電車の乗り方忘れたかと心配したけど、さすがにそこまで劣化はしていなかった。
空港はひろ~いから7000歩くらい歩いたよ(普段はせいぜい200歩程度)。疲れた~













14010702narita 出発ロビー、離陸する飛行機を見守るタリーズの熊さん私も今日は見学デッキに出ず(寒そうなんだもの)、娘の飛行機がゲートを離れるのを熊さんの近くから見ていた(ここはガラス張りで汗かいた)。





ところで、今日初日の青山劇場「真田十勇士」、三津五郎さんがナレーションで仕事復帰したそうだ(録音は昨年12月29日だったとか)。まずはよかった。歌舞伎にも早く復帰してほしいけれど、無理は禁物。ゆっくり慎重に帰ってきてください。

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2014年1月 6日 (月)

お坊松也

6月にコクーン歌舞伎「三人吉三」上演が決まったそうだ。
和尚:勘九郎、お嬢:七之助、そしてなんとお坊に松也という配役だとか。
三人吉三の松也クンといば、私の中では演舞場での手代十三郎(
梅枝クンのおとせとの美しくも哀れなカップルだった)が印象に残っている。
8日以降の観劇生活復活に向けて、ひたすら仕事仕事で頭が破裂しそうな時にこのニュース。嬉しくて、また仕事に励む意欲が湧いてきた。

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2014年1月 3日 (金)

もうボーナスなし

なんとなくWeb松竹を開いたら、歌舞伎座2月公演は8日:ゴールド会員が一番早い発売日だということに気がついた。あれ、ボーナスは? 
調べたら、ボーナス会員の特典は26年1月公演までだった。てっきり杮葺落公演はすべて有効だと思っていた。
そういえば「ほうおう」もまだ封を切っていなかったなと、急いで開いてみた。筋書き割引券はいつも通り3枚。でも対象劇場は6カ所あるのよね。全座見る人がいるかどうかはわからないけれど、少なくとも東京公演は4劇場あるんだから…(あれ、今年は浅草も使えるようになったんだ。去年までは浅草は入っていなかったような
)。と言いながら私は3劇場のみでごめんなさい。

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2014年1月 2日 (木)

各劇場初日情報収集

今日は、歌舞伎座、演舞場、浅草と、国立を除く3劇場の初日(三越も初日だった)。私は8日まで歌舞伎を見られないので、Webで情報収集した。
演舞場では2幕第2場に全長9mの巨大海老が登場するとか(三升席はこれからだけど、どんな様子なんだろう)。
浅草では、猿之助さんが隼人クンのカレンダー販促に一役買ったとか、愛之助さんはオネエを卒業して片岡愛之助に立ち返りますと挨拶したとか。
三越では、劇場ロビーでなく店舗1階ロビーで鏡開きが行われ、春猿さんはこういう男の姿は慣れていないので恥ずかしいと述べたとか。
歌舞伎座の初日情報は引っかかってこなかった。
でも、そうだ、今日は「こいつぁ春から」があるんだっけ。楽しみ楽しみ。

松竹座、いいなあ。行かれないけれど、見たいっ!!

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2014年1月 1日 (水)

断捨離で迎えた新年

あけましておめでとうございます。
新年早々こんな話でなんですが、我が家は今、完全にゴミ屋敷状態。何年ぶりかの大掃除に断捨離精神を徹底させたら、普通ごみ、粗大ごみ、紙ごみ、金属ごみ、不要な布・衣料類で家が埋まってしまった。しかしこうしてごみとしてまとめられる前はそれぞれの場所でてんでんばらばら、必要ともされない、使いもされないまま、存在すら忘れられ、ごみとして意識されずに埃の中で何年も保管されていたわけだ。いずれにしてもごみ屋敷状態だったことにはかわりないわけで…。
ところで整理していて気がついたことのひとつは、何十年も前の衣類は捨てるには惜しい可愛いものが多かったということ。残念なことにしみが点在したり、虫食い穴がぽちぽちあいていたりで、大半が資源ごみ回収日を待つことになった。
あと1週間ほどの辛抱かな。

そして私の初芝居も1週間後。
こんな状態でも無事に我が家で新年を迎えられたことをありがたく思いつつ、今年もよろしくお願いいたします。

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