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2014年4月24日 (木)

やや地味だけれど愛おしい:オススメ、「こども展」

418日 こども展(森アーツセンターギャラリー)
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日オープン前の内覧会に行ってきた。
全体に地味な印象は否めないが、いわゆる「肖像画」とは違って、画家が自分の子供、あるいは自分の親戚、友人、知り合いの子供を描いた作品が多く、それぞれの作品はどれもほんわかとした気持ちにさせるものであった。11枚、じっくり見るに値するいい作品で、点数もほどよく、全然疲れを感じなかった。
目玉はアンリ・ルソーの「人形を抱く子ども」であろう。一見ヒゲをはやしたオッサンみたいな顔にも見え、また身体のバランスが不自然であるにもかかわらず、少女の絵として惹かれるものがある。
私のイチ押しはレイモン・レヴィ=ストロース「子どものクロード・レヴィ=ストロース」。ソシュールを祖とする構造主義に学生時代ひどく苦しめられただけに、そいつを普及させたクロード・レヴィ=ストロースの子供時代は大いに興味深い。木馬の三輪車に跨るクロードは、彼にもこんな子供時代があったのかと感慨にふける前に、4歳にしてなんと賢そうな顔をしているのか、さすがにクロード・レヴィ=ストロースだわい、と感心させられた。
もう1人、現代の有名人が描かれている作品があり、興味を引かれた。ジョルジュ・アルディッティ「家族の肖像」にはフランス人俳優ピエール・アルディッティが正面を向いて描かれている。彼はすでに大人で、後ろ向きになった父の画家ジョルジュの前に座り、ワインのグラスを掲げている。ピエールといえば、私の大大大好きな映画「しあわせ」(クロード・ルルーシュ監督)に出ていて、私は今それしか思い出せないのだが、父を見つめる彼の表情がとてもいい。家族の11人がくっきりとした形で日常的な様子を見せながら、どことなく現実感がないような不思議な絵である。
ジョフロワ「教室にて、子どもたちの学習」には、机に紙を広げ読み書きをしている子供たちが描かれているが、目を最後列に机を並べる子供たちにやると、石盤を使っている。子供たちの姿からはわからないのだが、貧富の差を表すのだろうか…。
ベルナール・ブーテ・モンヴェル「ヌムールの寄宿舎」は、修道女の監視を受けながらヌムール通りを並んで歩く少女たちを描いた作品だが、「花子とアン」の世界をちょっと思い出した。
レオナール・フジタの「フランスの48の富」は「小さな職人たち」に通じるものがある。
好きな作品はほかにもたくさんあるのだけど、モーリス・ドニ「ボクシング」、ポール・マテイ「室内の子どもと女性」、ダヴード・エンダディアン「ヤシャール=アザールの肖像」、ウジェーヌ・デュレンヌ「身だしなみ」を挙げておく。
子どもはじっとしていない。じっとしているのを嫌がる。そこで、画家は素早いタッチで描いたのだそうだ。素早いタッチでも作品は丁寧に仕上げられ、そこには子どもに対する愛おしさが込められているように思えた。もちろん私の好みだけれど、「これはちょっと…」というような作品は1点もなく、画家の愛おしい気持がそのまま私の全作品に対する愛おしさになるのでした。
かなり、おススメであります。

上の会場で「アンディ・ウォーホル展」をやっていて、かなり賑わっていた。
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