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2014年7月30日 (水)

7月歌舞伎鑑賞教室「傾城反魂香」

724日 第86回歌舞伎鑑賞教室千穐楽(国立劇場大劇場)
140730domomata 本当は12日に見る予定で途中まで出かけたのだけど、よんどころない事情によりドタキャン。挫けてこのままパスしようかと一時は思ったのだけど、梅玉さん初役の又平を逃すわけにはいかないと考え直し、チケットを探したら、千穐楽の第二部にバッチリの席が残っていて、即決。
ただし、当日はやっぱりいろんな事情で「歌舞伎のみかた」は残念ながらスルーして「傾城反魂香」のみの観劇になってしまった。
「傾城反魂香」
思いつくままに。
・舞台両側電光掲示板に義太夫の文句が出ていて、けっこう文字を追ってしまう。すると、その文句とおりに役者さんが動いているのがわかって、興味深いやら、ちょっと入り込めないやら。
・虎を追いかけてきたお百姓さんたちが延郎、松太郎、辰緑、梅蔵等々ベテラン揃いで、「おお」と思った。その中で一番前(虎側)にいて提灯で藪を照らしていた人が、修理之助が虎を消そうとしている間、「この人何をやるんだろう」という顔つきで修理を見たり虎に目をやったり。あの場にいたら確かにそういう気持ちになるだろうなと感心した。
・梅丸クンの修理之助、初々しくて美しく行儀よく、又平との関係で複雑な立場にある様子が丁寧に伝わってきた。
・東蔵さんの将監は初役だそうだが、意外な気がした(北の方は見たことがあるような気がする)。情を秘めて理非を説きながら、おとくを振り切るつらさが感じられる将監であった。「おのれまでがきちがいとは」と女房を蹴り打ち据える又平の姿を悲しげにじっと見ているのが印象的だった。
・手水鉢に絵を描く前、又平は柄杓を手水鉢の向こうへ押しやって落し、上から水を覗きこんで、自分の顔をしっかり映して見つめる。
・この柄杓、たいがい落ちた時にカタっと音がするのだが、今回は手水鉢の周りが苔むし草が生えているので、何の音もしない。柄杓は後におとくが「抜けた」ことに気づく伏線となるものだから、ここは音をさせて印象づけたほうがいいような気がした。
・又平が描いている間、おとくは又平のそばでじっと見ていた。その姿に愛が感じられた。
・梅玉さんの又平も初役。配役を知ったときにはイメージが湧かなかったが、端正で実直で、屈折がないわけではないが変な屈折はなく、悲しみの絵師という感じだった。そう、今まで見た中で一番「絵師」らしさを感じたのが梅玉さんだ。どこがどうと言われると困るのだけど…。初役というのが不思議なくらいニンだと思った。
・魁春さんのおとくは、まさにそういう夫を愛情で支えていて、でしゃばり感がないのがよかった。このコンビで歌舞伎座でも見たい。

・絵の抜けるタイミングがやや遅いような気がした(又五郎さんの時はもうちょっと早かったような…。でも、別の公演では今回くらい遅いこともあったから、取り立ててどうこう言うことじゃないのかも)。
・「かか、抜けた」が、あまりにさりげないというか、小さな声でさらっと言っていたので、客席は盛り上がりようがなくて、拍手も起きなかった。確かにあまりにびっくりしたらそういう言い方になるのかもしれない。でも、芝居としてはここが一番の盛り上がりなんだからなあ、と思わないでもない。内から外の様子を窺っていた将監が出てくるにしても、やっぱり盛り上がらない。前半がつらいだけに、後半、ここでぐっと客の共感も得たいと私は思うのだがこういうやり方は梅玉さんらしいのかもしれない。
・それにしてもあまりに拍手のしどころがなくて「土佐の苗字が許りたぞえ」のおとくのセリフで、誰かがもうガマンできないという感じで、主導して拍手が起こった。
・下女おなべが登場して、師匠の着物を渡し、着替えを手伝っていた。おなべは梅乃さん‼ べちゃべちゃよく喋る下女ではあるが、品は落さず、嬉しそうでおなべも又平を心配していたんだなと心があたたかくなった。
・又平は藪の前に行って、師匠から頂いた着物に着替えていた。
又平の脱いだ着物はおとくがおなべにあげると言って持たせ、おなべも有難がっていたが、いくら下女でも袖の破れた粗末な着物をそんなに押し戴くだろうか。
・又平がおとくの鼓に合わせて舞う時、又平はおとくを叱らない。私、いつもあそこがよくわからないので、今回はそれがなくてとても気分がよかった。舞もこれまで見ていたのと違うような気がした。梅玉さんの舞は絵師らしい感じで、ちょっと剽軽にも見えたりする部分があった。
・花道の引っこみでは、おとくの歩き方指南があった。これまでおとくが前に立ちあるいは後ろから支えて又平を引っ張って来たのが、ここからは又平主導に変わったという印象をもった。
・千穐楽は「親子で楽しむ歌舞伎教室」だったことに途中で気づいた。一定年齢以上の子はおとなしく見ていたが、小さい子の中にはむずかる子もいて、おかあさんが抱いて席をはずすこともあった。
・全体にはとても好感のもてる、素直であたたかな「ども又」であった。
<上演時間>「歌舞伎のみかた」30分(14301500)、幕間20分、「傾城反魂香」80分(15201640

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