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2014年7月 8日 (火)

七月大歌舞伎初日昼の部

75日 七月大歌舞伎初日昼の部(歌舞伎座)
140709syoniti この日のわさわさ(安倍さん・ケネディさんの観劇に、サッカー。安倍さん、翌々日にはニュージーランド、オーストラリアとは、なんてタフなんだ)は先日書いた通り。
朝、つい目が覚めてしまってフランス×ドイツ戦の後半を見てしまった割には全然眠くならなかった。
「正札附根元草摺」
右近さん・笑三郎さんが舞台中央からせり上がり。本当はぎりぎりまで右近さんのこと心配していたから(別に、休演なんていうお知らせは出ていなかったんだけどね)、立派な姿を見て心からほっとした。首を痛めたということだったけど、しっかり首を何回も振っていたし。
そう、右近さんの五郎は立派で血気盛ん、かっこいい。笑三郎さんの舞鶴はきりっとして、しっとりして、美しい。2人ともとても丁寧な踊りで、草摺引きや、舞踊の内容がよくわかって、とても面白かった。踊る人によって内容が変わるわけじゃないだろうに、澤瀉屋の踊りはわかりやすいと何となく思う。もっと見ていたかったな。
「夏祭浪花鑑」
初日にしてはかなりきっちり仕上がっていたと思う。
普段はあまり上演されない「お鯛茶屋」が入ったことにより(私は初めて見る)、磯之丞のしょうもない坊ちゃんぶり(「三婦内」だけでもわかるんだけど、こういう放蕩をしてるから、まわりが動かざるを得ないという事情も合わせて)、一寸徳兵衛の人物、お梶との関係がよくわかった。徳兵衛は「住吉鳥居前」から見ると、とても粋でステキなのに、へ~、初めはそんなんだったんだ、とびっくりした。
「住吉鳥居前」では、出所した団七の衣類を整えてやった三婦がフンドシだけ忘れてしまったことに気づき、「しょうがない、自分のフンドシはおろし立てだから、これを使ってもらおう」と、フンドシをはずす。この場面は通常客の目の前で見せると記憶しているが、今回は床屋の中に入って、その様子を見せずに想像させるという形を取っていた。ケネディさんに配慮したのだろうか。それでも、客席からはくすくす笑いが起きていたので、ここの面白さは伝わったのだろう。
「団七内」は初めてかと思ったら、徳兵衛がお梶を口説いた場面で、一度見た記憶が甦ってきた。でも「屋根上」は初めて。「長町裏」の後「団七内」までに5分の幕間がある。この間、キャロラインさんは席を立ったようで、幕が開いてもしばらく戻ってこず、ちょっとでも見ない場面があるのはもったいない、なんて余計なお世話でやきもきしてしまった。立ち回りは全体的にはさらっとした感じだったが、屋根の上でのトンボ、花道での返り越しなど、危険なシーンも多々あり、みなさん千穐楽までお怪我のないように、と祈りつつ楽しんだ。
さて、中車さん、新歌舞伎以外の歌舞伎は「楼門五三桐」以来だろうか。三河屋義平次は笹野さんも演じているが、笹野さんと中車さんでは役者としての立ち位置が違うから向けられる目が多少厳しいものになるのもやむを得まいと思っていた。ところが中車さん、まずは合格点だ。ばばっちさ、金に目のない小狡さ、ぎょろ目をひん剥いて団七を罵る憎らしさ。「自由にやってみる」と中車さんは語っていたそうだが、それが成功しているようだ。見得も決めていたし。海老蔵さんの元結をはずしたり、いろんな手順があって大変だろうが、巡業後間もない初日によくここまで仕上げてきたものだと思った(役はこれだけじゃないしね)。義平次の色々な言動にかなり笑いが起きていたが、義平次という人物に思わず笑ってしまうという部分はあっても、そんなに笑うかなあという感じ。強いて言えば、はじめのうち声が変と思ったが(妙に高い)、それも後半は普通の声に戻って気にならなくなった。中車さんは「ぢいさんばあさん」でも年老いてからがよかったことを考えると、老け役が合うのかもしれない。夜の部も老け役だから期待している。
海老蔵さんは、肩で風を切って歩く風情と家族を思い恩を立てる心情がよくミックスされていて、いい団七であった。義平次を殺した後、神輿が近づくにつれてアセる気持ちがリアルに伝わってきて、こちらも手に汗握り、全身を硬くして成行を見守った。逃げろと勧める徳兵衛の助言に聞く耳もたない団七の目の昏さが海老蔵さん独特で、せっかくの友の配慮を無にするのかとの苛立ちも、この目で抑え込まれる。「悪い人でも舅は親」が団七の心にずっとのしかかっているんだろうな。

徳兵衛の猿弥さんは、三婦のイメージが残っていて時々混乱してしまったが、男として実にカッコいい徳兵衛をカッコよく演じていた。ラストも頼りになる男のあたたかい気持をこちらも十分受けながら、心地よく団七を見送った。
玉三郎さんのお辰からはアツい義侠心というよりは、冷静に自分の仕事を果たそうとしている感じを受けた。鉄弓をふうふう吹くのは、これまで冷まそうとしているのかと思っていたが、その反対だということがわかった。
左團次さんの三婦はこれまで見た三婦の中で一番高齢(失礼)なのでどうかと思ったが、闊達な侠客らしさを楽しんで生き生きと演じているように見えた。
右之助さんの女房おつぎは安心して見ていられる。おつぎが義平次に琴浦を渡さなければ…ねえ…。
吉弥さんのお梶は姉さん女房に見えなくもなかったが、しっとりときっぱりがとても素敵。どうして義平次からこんな娘ができたんだろうっていつも思う。
門之助さんはしょうもない坊ちゃんにぴったり。その甘さ、だらしなさ、上品さ、周囲が放っておけない感じがよくわかる。
右近クンの琴浦は意外にも門之助さんと違和感なく似合いのカップルだった。
私、昼の部は初日しか取らなかったのよね。もし「夏祭」が期待はずれだったら、と思って。よかったらその時点でチケット取ろうという考えは甘かった。もう幕見しかないなあ。3A3Bの戻りは出ないよね。幕見って、なかなか決心がいるのだ。
<上演時間>「正札附根元草摺」20分(11001120)、幕間20分、「夏祭:お鯛茶屋・住吉鳥居前」55分(11401235)、幕間30分、「夏祭:三婦内・長町裏」80分(13051425)、幕間5分、「夏祭:団七内・同屋根上」35分(14301505
初日は約10分遅れだった。
追記:めでたい焼きが8月から250円に値上げされるそうだ。これまでずっと200円で頑張ってくれていたからやむを得ないとはいえ、ちょっとイタイなあ。

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コメント

わたしは7/7に見て参りました
お鯛茶屋・團七内・屋根上は串田和美演出ではおなじみですので、ご覧かと思いました
長町裏で終わらない場合には、最後に徳兵衛が登場し、團七の落とした雪駄を拾う場面があり、そのあとの團七内の展開につながるのですが、今回はカットしていましたね

また尾木ママに会いましたよ(今回は和服でした)
それと昼夜で波乃久里子さんがご覧になっていました
あと、夜の部には永島敏行さんもおいででした

投稿: うかれ坊主 | 2014年7月11日 (金) 18時04分

うかれ坊主様
帰国されてご覧になられたのですね。よかったですね‼
尾木ママのことは、海老蔵さんのブログに出ていました。昼の部かと思ったら夜の部観劇だったと。
うかれ坊主様は本当に有名人をよくご覧になりますよね。

串田演出--そうでした、1度だけコクーンで見ていたのですが、2008年のことで、すっかり忘れておりました。ダメですねぇ。
そうそう、雪駄の場面、カットされていました。団七内で、徳兵衛がいきなり雪駄を出していたので、拾う場面があってもよかったですね。

投稿: SwingingFujisan | 2014年7月11日 (金) 19時08分

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