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2014年10月14日 (火)

空気を感じる菱田春草

1013日 菱田春草展(国立近代美術館)
14101401kimbi 国立劇場観劇後に行くつもりだったが、それでは閉館になってしまう。ということで、朝イチで観劇前に変更。美術館に着いたら行列ができていて驚いた。チケット売り場にできた行列だった。私はいただいたチケットをもっていたので、すんなり展示会場へ。朝イチだというのにけっこう混んでいたのは、休日だったから? 台風が来る前に?(被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。日本の気候、どうなっちゃってるんだろう) 昨日の「日曜美術館」でやったから?
「落葉」、「黒き猫」両方見るつもりだったが甘かった。「落葉」は前期で13日まで、「黒き猫」は後期で15日から。えいっ、やっぱり見たいのは「落葉」だ。
春草、空気を描く画家、と私は思う。好きです。
1章 日本画家へ:「考え」を描く 1890-1897
2章 「朦朧体」へ:空気や光線を描く 1898-1902
3章 色彩研究へ:配色をくみたてる 1903-1908
4章 「落葉」、「黒き猫」へ:遠近を描く、えがかない 1908-1911
朦朧体は当時の美術界の理解を得られず、酷評されたそう。洋の東西を問わず、美術界というのは封建的だったんだなあと思う。岡倉天心はえらいっ。
どの絵もいいのだけど、キリがないから何点かに絞って感想を。
2章「寒林」、実物を見てぞくっときた。これを見られただけでも幸せ。「武蔵野」は雀を手に乗せたくなった。「月夜飛鷺(陸離)」は鷺が何かに驚いて飛び立った様子を描いているそうだが、飛び散った羽にそれが感じられる。逆光に輝く白い縁取りが効果的。「秋草」は左双が大観、右双が春草によるもので、同じモチーフを描きながら描き方は全然違う。春草は大観とインドやヨーロッパに行って、旅行費用を稼ぐため現地で個展を開いたりしていたんだそうだ。知らなかった。
3章は配色をテーマにしているが、私は2章よりもこちらのほうに空気を感じた。どれもいいけれど、とくに「山路(雨)」、「風」、「月下波」が好き。
4章では、背景を描かなくなってからの絵画がたくさん展示されている。「落葉」連作5点は、構図や描き方に少しずつ違いがあるのが興味深い。空間の描き方というのだろうか。「猫」系作品は後期展示の重文の「黒き猫」以外の4点が見られたからいいとしよう。「白き猫」がけっこう印象的だった。「雪の山」は私が好きな山の風景だ。目に飛び込んできた瞬間、胸がきゅんとなるほどだった。
最後に展示されていた「四季山水」は素晴らしい。9mの巻物で、途中風景が切れることなく四季が描かれている。「ノッティングヒルの恋人」で「SHE」がかかる中、ヒュー・グラントが町を歩くと季節が変わっていく、そのシーンを思い出した。そして春からもう一度ず~っと眺めていったら、自分がその季節の中、移り変わる季節の中を歩いているような気分になった。
14101402kimbi

近美前庭の彫刻。インパクトあるねえ。

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コメント

おはようございます。
このところ、美術展の行列具合に興味があるんですが、意外と平日の午前中は混んでるのかも。オルセー展とか。
なので、なんとか夜間開館、閉館間際など、見極めたいなーと思ったりしてます。でもね、そうは並べない(根性ない)から、パスするものも多くなるかも。
春草展は先週金曜日に行き損ねたから、さて……。ヒュッと行けるような所に住みたいものですわ。

投稿: きびだんご | 2014年10月15日 (水) 09時42分

きびだんご様
こんばんは。
美術展の午前中は比較的年齢層が高いかもしれませんね~。団塊の世代は数も多いから…。オルセー展はHPで混雑状況を調べてから行きました。私も並ぶ根性ありませんわ。で結局、白菜は諦めました。いつか現地で見ようっと、って見果てぬ夢ですが。
もうちょっと気楽に行かれるといいんですけれどねえ(きびだんご様のお近くにはヒュッと行かれるいい美術館がおありじゃないのですか?)。私はどこへ行くにも遠い。だからどこでもドアがほしい~!!

投稿: SwingingFujisan | 2014年10月15日 (水) 21時50分

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