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2014年10月 2日 (木)

巡業西コース

925日 松竹大歌舞伎巡業西コース(三郷市文化会館)
初日の板橋は日程的にダメだったので、三郷を取ってみた。武蔵野線三郷駅には初めて降りた。文化会館は駅から徒歩13分。地図は見たものの西も東もわからないのでバスを利用した。行きはともかく帰りは近く感じるものだし、道路もすいていて、あっという間に駅に戻った気がした。
会館での座席は2階中ほど、舞台もよく見え、音響もよかった。こういう会館って上のほうが音響がいいのかなあ。王子も上でよく聞こえたし。来年の川口リリアも上を取ってみよう。
「小栗栖の長兵衛」
上演自体は何回かあったけれど、私が見るのは演舞場に中車さんが初登場したとき以来かしら。暴れ者の長兵衛を疎んでいた村人たち(父親さえも)が、長兵衛が手柄を立てたと知った瞬間掌返しで長兵衛にすり寄るという人の本性を風刺した作品であると認識していたけれど、今回は民話風な、のどかなイメージが強かった。
父親はじめ村人たちも、長兵衛を心の底では憎んでおらず、それゆえ手柄を知って心底喜んでいるような、そんな感じ。巫女(春猿)と僧侶(猿弥)だけは、さすがに本性見えたりだったけれど。
寿猿さんは父親としての怒り、悲しみの表現がうまいと思った。中車さんにはもうまったく違和感ない。人の迷惑も顧みず、自分勝手な理論で自由に暴れ回っているのが逆に痛快なくらいだった。村人と長兵衛の取りなし役としての妹夫婦(門之助・笑三郎)の慎ましさ、困惑がよかった。
右近さんの馬士が、いい意味で一番民話的だったかも。
「口上」
今回は梅玉さんから上手側へ門之助→笑三郎→寿猿→右近、下手へまわって笑也、春猿、弘太郎、月乃助、猿弥ときて、中車、猿之助という順での口上だった。
梅玉さんは、猿之助さんについて「亀治郎の頃より才能豊かな勉強家、努力家で、それにますます磨きがかかっている」。中車さんについては「一流のテレビ役者香川照之さんにとって歌舞伎に入るのは大きなご覚悟だったと察する。3年の間に歌舞伎役者としても大きくなった。歌舞伎は一生が芸の精進、これからも精進して」と紹介した。
他の口上は、だいたいこれまでと同じなので省略します。

「義経千本桜 川連法眼館の場」
久しぶりにうるうるきた狐忠信だった。最初から狐の切なさがいっぱいで、出では鼓の音に心底嬉しそうに寄り添い、愛らしい。静に怪しまれてからのしおれた様子、本物に迷惑がかかるというセリフに狐の心根が感じられて、哀れであった。「その鼓は私の親。親でございます」にはぐっと胸が摑まれ涙が出た。
本物の忠信がニセ忠信を捉えようといきり立つのを義経が手で制するのを初めて見たような気がする。いつも忠信ばっかりみて義経を見ていなかったから気がつかなかったのかもしれない。
狐言葉に笑いが起きたのは(とくに急に早口になった時)巡業だからか。巡業だからかと言えば、とにかくお喋りが多い。茶の間でテレビ見てるんじゃないからとイライラしていたら、やがて遅れてきた仲間に立ちあがって合図しちゃって…。さらにお喋りは盛り上がる。でも、そういうことも含めて巡業なんだ、と思うことにした。猿之助さんのケレンにみんな歓声をあげ、大きな拍手を送り。それでいいのだ。
梅玉さんはやっぱり義経だ。梅玉さん、時々すごく好きだと思う(いつも好きなんだけど、時々「すごく」)。
笑也さんの静は清潔感の中に愛人的要素、女武道的要素があって素敵だった。
荒法師との立ち回りは7人の群舞のようで魅力的、もっと見ていたかった。
<上演時間>「小栗栖の長兵衛」55分(17001755)、幕間25分、「口上」15分(18201835)、幕間25分、「狐忠信」70分(19002010

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コメント

3年ですかあ。はやいものですねぇ 
やっぱり見に行けばよかったかな、と思っていたので、様子がわかってなるほど、納得です。ありがとうございます。
12月歌舞伎座、奮発しなきゃだわ。笑

投稿: urasimaru | 2014年10月 3日 (金) 14時45分

urasimaru様
こんばんは。コメントありがとうございます。
衝撃の襲名発表、そして襲名興行、3年も経つと猿之助・中車の名前も馴染んでくるものですね。中車さん、3年間の努力が徐々に実を結んでいるような気がしました。

12月歌舞伎座、楽しみですね‼ でも私は1月国立をフンパツするので、12月も3階かなあ…。

投稿: SwingingFujisan | 2014年10月 3日 (金) 23時03分

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