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2014年11月11日 (火)

11月明治座昼の部①:高時

1110日 十一月花形歌舞伎昼の部(明治座)
いよいよ今月始動
「高時」
どこかで見ているはずなのに、舞台を見てもまったく記憶にない。で、上演記録を調べたら、今回初見であった。歌舞伎座で6年前の12月に梅玉さんで上演されているのだが、この月私はパスしたらしい。ここまで記憶にないのはショックだわと思いながら舞台を眺めていたけれど、一度も見ていないんだから記憶がなくて当たり前。何かと勘違いしていたのね、きっと(我當さんのイメージが強いので、必死でデータと記憶を検索したら「佐々木高綱」でした。高時⇔高綱)。前置き終わり。
お犬様をめぐる「北条家門前の場」では、ばかばかしくも高時のお犬様が駕籠に乗せられており、それを警護する武士たちのセリフから、彼らもばかばかしく思っている様子。そこへやってきた安達三郎の母(蝶紫)と子ども。運悪く、他の犬が2匹通りかかり、お犬様(雲竜っていう名前だった)は駕籠を下りてしまう。そして安達三郎の老母の脚に噛みつく。気の荒い犬だから気をつけろと武士たちに注意されていたけれど、これは不可抗力の出来事。大騒ぎにあんっているところへ安達三郎(弘太郎)が現れ、鉄扇で犬を打ち殺してしまう。怒った武士たちと三郎は闘うが、母と息子を囚われ殺すぞと脅かされては自分が捕まるしかない。この時の子役がいじらしい。老母はもう先が長くないからと死ぬ覚悟だが、息子も父のためなら婆様と一緒に死ぬと言うのだ。三郎はこんなことがまかり通る北条の世は長くは続くまいと言ってお縄にかかる。
弘太郎さんがしっかりと行儀のいい演技で(この人を見るといつも「行儀がいい」と思う)、父親らしさを見せていたので感心した。もう父親役もぴったり合うようになってきたのだなあ。
次の「北条家奥殿内の場」では、下手に大薩摩、上手に竹本が並んでいる。浅葱幕が振り落されると、高時(右近)が柱にもたれかかった横向き姿で酒を飲んでいる。真ん中には愛妾衣笠(笑也)が正面を向いて、奥には侍女たちが非開けている。愛犬が殺されたことが高時に告げられるとき、大薩摩に霞幕がかけられた。安達は死罪だと怒る高時に、ちょっと待ってくださいと奥から声がかかると、霞幕が取り除かれ大薩摩は退場していた。大佛陸奥守貞直(猿弥)に続き、秋田城之介入道延明(寿猿)が高時を諌める。ここ、ちょっと眠くなったが、寿猿さんの若々しさに驚いた。あんまり若く見えたので別人かと思ったくらいだが、声は間違いなく寿猿さんだ。
2
人が引っこむと再び大薩摩が登場する。
高時は衣笠に舞を舞わせて飲み続ける。笑也さんは、ずっと動きが少なくこのまま終わるのはつらいなと思っていたら舞う場面があったのでよかった。品よく美しい笑也さん。
やがて一陣の風が起こり、明かりが消え、雷鳴がとどろく。衣笠も侍女たちも怯えて逃げ出すと、天狗が現れた。まず下手から滑車で1人、そして上手からも滑車で1人、す~っと飛んできたかのよう。さらに6枚の襖が返り天狗が6人、計8人。高時と天狗たちの運動会的(?)要素たっぷりの舞は見応えあって楽しかった。右近さんは海老反りしたり、大の字姿で高く掲げられたり(2度あった)、宙吊り(舞台上でちょっと吊られた程度だったから、宙乗りじゃなくて、宙吊りかな)があったり。天狗におちょくられているのに本人がわかっていない感じでやや不器用に踊っているのがとてもうまい。かなりの技術を要すると見た。右近さんの高時は「重々しい傲慢さ」というのではなく「聞く耳持たぬ傲慢さ」であったように思う。
なお、竹本のシン幹太夫さんが体調不良で11日から休演、葵太夫さんがピンチヒッターとのこと。幹太夫さん、私が見た時にはもう具合悪かったのかなあ、気がつかなかった。葵太夫さんによると、本来ならその座組の中から代役を出すのだが、今回は代役がいないため急遽葵太夫さんに依頼がいったそう。葵太夫さんも先々月だったか喉の不調を訴えておられたから大変だけど、竹本がいなくて芝居ができないというわけにはいくまい。座館が多いと大変だなあ(今月は歌舞伎座、国立、明治座、永楽館、巡業)。幹太夫さん、お大事に。葵太夫さんもお気をつけて。

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コメント

こんにちは。私もみてきました^^
寿猿さんといい竹三郎さんと言い、なんとも元気!
役者魂!で
すね♪

投稿: urasimaru | 2014年11月12日 (水) 20時28分

urasimaru様
こんばんは。
ほんとほんと、このお2人の元気さには驚くばかり。
役者魂! かっこいいです。

投稿: SwingingFujisan | 2014年11月12日 (水) 21時14分

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