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2014年11月26日 (水)

11月歌舞伎座夜の部

1122日 十一月顔見世大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
諸事情あり、涙を呑んで「鈴ヶ森」はパス。松緑・幡随×菊之助・権八は絶対見ておきたかったんだけどな。仕方ない。
「勧進帳」
キレキレ、アクティブな弁慶であると思った。全身全霊で義経を守り全身全霊で弁慶になっていた染五郎さん、線の細さはほとんど感じさせることなく見事に演じ切った。初日はどんなにか緊張したことだろう、ニンでない弁慶を高麗屋の後継者として演じる精神力にどれほど強いものがあったころだろう。あの恐ろしい大けがから復帰したことがこんなにも嬉しいのかと、うるうるさせられた。
最初は吉右衛門さんの身体が大きいためにちょっと小ぶりに見えたが、この先のことは「それがしにおんまかせあって」というセリフ一言で、ぐっと頼り甲斐が弁慶の身体に漲り、線の太さを感じるようになった。声もしっかり出ていた(声を張り上げると上体が反るのは今後の課題だろうか)。いつもよりハスキーでなく、きれいな声でセリフも聞き取りやすかった。普段の声と違う声をコンスタントに出し続ける、それも大音声で出すって、どれだけの努力の賜なんだろう。問答のところは元々難しいからサッパリだったけれども、富樫との丁々発止には劇場空間全体が緊迫感に包まれているようで、全員が身を乗り出しているようなそんな錯覚に陥った。時々、声が高くなると幸四郎さんそっくり。今まで顔は似ていると思っても声が似ていると感じたことがなかったからちょっとびっくりした。
打擲では、幸四郎さんは義経に軽く一礼するのがいつも納得できないのだが染五郎さんは一瞬躊躇したように見えて即座に打擲したのがよかった。
振る舞い酒を飲む場面や延年の舞は、弁慶らしく大らかに、心地よく酔って楽しく舞っており、その中にも義経に関する注意を怠らない様子が感じられた。舞は元気で勢いよく、味わうというよりはこちらも舞を楽しんだ。
義経を守ろうという気魄がこれほど感じられる弁慶は久しぶりに見た(初めてかも?)気がする。それは、高麗屋、播磨屋の後継者としてその芸を守ろうとする気魄でもあったのかもしれない。その気魄が客席をアツくし、万雷の拍手を起こしたのだろう。
最後、六方の前にまず幕内の富樫に向かって一礼、それから客席にではなく天に向けて一礼したのがとても感動的でよかった。弁慶はこれよ。六方も手拍子が起こりそうなのを微妙にずらすタイミングで手を振り、ここはお父さんより上だと思った。この六方を見たくて、今回はいつもの3B席ではなく3階東側を取ったのだ。でも一番端じゃなかったので太刀持ちの金太郎クンはほとんど見えなかった。

義経は弁慶より身体が大きいが、置かれた状況に対する心もとなさ、心細さが全身から見えて、あの吉右衛門さんが弁慶を頼りにしている、と思うと涙が出そうになった。判官御手では、義経ってこんなに弁慶に近づくんだっけ。引っこみは、後ろを見ずに一目散に花道を早足で去って行った。
幸四郎さんの富樫はセリフがねばっこいから、私の席からは富樫の表情もあまり見えなかったけれど、これまでの富樫とはイメージがずいぶん違った。う~ん、やっぱり幸四郎さんは弁慶の人かな…。番卒が注進するのと富樫が袖をくるっとして刀を脇に構えるタイミングがほぼ一緒で、ちょっと早いかなと思った。「判官でもない人を」は普通に聞こえたが、その後の表情に富樫の感情が表れていて感動的だった。
「すし屋」
上方を舞台にしながら江戸っ子の権太。すっごく粋でかっこよくて素敵だった。江戸風だからさらっとしているのも私は好きだ。
権太が首の入ったすし桶と金の入ったすし桶を間違えるところは数えて持っていく松嶋屋型とは違い、菊五郎さんは何となくそれを持って行ったのでちょっと変な気持ちがした(数えるほうが説得力あるような…)。権太は背中を斬られ、それから腹を刺されていた。
梶原が権太をほめている間、善太がず~~っと父親を見つめていたのが印象的だった。女房子どもを身替りに立てる場面からはけっこう泣いた。
梅枝クンのお里がとても可愛くて心の変化がよく表現されていてよかった。セリフというか声の出し方が一部孝太郎さんに似てると思ったので、孝太郎さんから教わったのだろうか。
忘れないようにってメモしたのにそれが見つからなくて、覚えていることだけを記載。見つかったら追記するかも。でも、ありそうなところ、どこ探してもないんだよね~。
<上演時間>「鈴ヶ森」40分(16301710)、幕間30分、「勧進帳」73分(17401853)、幕間15分、「すし屋」102分(19082050

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