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2014年11月

2014年11月30日 (日)

明治座花形舞踊公演2日目

1128日 花形舞踊公演(明治座)
昨年に続き、今年も花形舞踊を見た。公演そのものは27日昼夜、28日昼とあり3公演とも魅力だったのだが、昨年同様、体力を考えて明治座花形歌舞伎千穐楽から少しでも日をあけるのと、演目からこの日にした。演目は「双草紙四谷怪談」も「煎じもの」も趣向の華舞踊家版という感じでしょ。とくに勘十郎・菊之丞・染五郎の3人による「煎じもの」は8月の趣向の華の再演!! ここで再び出会えるなんて嬉しくってしょうがない。ほかの演目もどこかで再演してくれないかな、って又趣向の華熱が甦ってきた。と同時に、この3人、ほんとうは趣向の華を続けたいんじゃないかな、という気がしてきた。

「双草紙四谷怪談」

東海道四谷怪談と忠臣蔵をミックスして勘十郎さんが素踊りの舞踊劇に仕立てたもの。勘十郎さんが民谷伊右衛門・佐藤与茂七・按摩宅悦の3役を、菊之丞さんが小仏小平・小汐田又之丞・鶴屋南北の3役を、ぼたんさんがお岩・小平女房お花の2役を、そして花柳芳次郎さんが大星力弥、染五郎さんが由良之助を演じる。「四谷怪談」に関してはお袖、直助、お岩とお袖の父、伊藤家の両親、伊右衛門の仲間などは出てこず、登場人物を絞っている。お梅(花柳凛)の乳母お槙(花柳美喜)と下女お竹(花柳時寿京)がけっこう重要なカギを握っていた。
「序幕・浅草観音額堂の場」。賑やかな浅草で佐藤与茂七と小汐田又之丞が出会う。そこへ大星が来て与茂七に何やら書を渡す。3人がそれぞれに引っこむと伊右衛門が歩いてくる。そこにいたのは伊藤家のお梅。お梅は伊右衛門に一目惚れ。花道を去る伊右衛門を見つめて、与三郎の羽織ならぬ扇を落す。
幕がしまり、スッポンから菊之丞さんが現れる。「鶴屋南北でございます」って、偶然だろうが、この間の「四天王楓江戸粧」と同じじゃない(
10月演舞場の錦之助さん、この前の猿之助さんに続いて3人目の南北である)。南北は、「この物語は忠臣蔵が背景である。今の場面は伊右衛門とお梅の見初めの場。次は雑司ヶ谷伊右衛門浪宅の場になる」と言って黒紋付きを脱ぐ。「私も小平の役で物語に入ります。先ほど演じていたのが小平の主人の小汐田又之丞です」と舞台へ上がった。序幕はちょっとわかりにくいため解説を入れたのかもしれない。この後は、セリフも時々入るし、浄瑠璃も聞き取りやすかった。
「二幕目・伊右衛門浪宅の場」。お岩さんが毒薬を飲まされて面体が変貌する場面なのだが、本家東海道四谷怪談をアレンジしてずいぶん違った展開になっていた。
①伊右衛門とお岩は多分仲睦まじく、本家でみられるような伊右衛門の冷酷さは描かれていない。伊藤家のお梅に言い寄られても、自分には妻がいるからと拒絶している。しかし、お梅の手紙に書かれたことを読んでショックを受け、そのままお梅とお槙、お竹に連れ去られるようにしてお梅のところに戻ってしまう。この時、お岩は伊藤家から贈られた毒薬でくるしんでいるのである。悲劇のもとはお槙、お竹の恐ろしい悪知恵。
盆の裏と表、花道と本舞台で伊右衛門×お梅、お岩の状況が展開され、その対比が効果的で面白かった。
②お岩が毒薬のことを知るのは伊右衛門に宛てたお梅の手紙によってである。色々あって手紙はお岩の手に渡り、お岩が読んでしまうのだ。ここはお梅の声で文面が読み上げられる。手紙には伊右衛門への恋心だけでなく「さっきの薬は面体帰る秘法の毒薬」であると書かれていた。お梅がきれいな声で無感情に読み上げるのが内容の恐ろしさを逆に強調していた。
お岩の顔は歌舞伎よりリアルに醜くなっており、髪の毛が抜けたりはしないもののちょっと怖かった。

③お岩を殺すのは伊右衛門ではなく小平である。主人・小汐田又之丞の眼病を治すために民谷家に伝わる秘薬がほしくて小平は民谷家に奉公しているのである。外出していた小平が戻ってきてお岩の変化に驚く。お岩が刀を抜いて伊藤家へ乗り込もうとするのを小平は止めようとし、揉み合ううちに誤ってお岩に斬りつけてしまう。倒れたお岩に覆いかぶさるようにしているところへ伊右衛門が帰ってくる。小平とお岩を認めると、不義を疑ったのか即座に小平に刀を振り下ろした。小平は「不義、間男の汚名を着て死んでもいい。そのかわり主人に民谷の秘薬を」と訴えるが、伊右衛門は無視して再び小平に斬りつける。ここでも揉み合ううち、小平は又お岩を斬ってしまう。伊右衛門は誤って赤ん坊を殺し、小平にとどめを刺す。この時、秘薬が小平の手に入る。「娘の色香に負けた自分が悪い。このままでは鈴ヶ森」と嘆きながら、ここで悪を貫く意思を固めたようだ。
正直言って、伊右衛門の悪に踏み込むきっかけがちょっと弱い。小平に恨まれてもお岩に恨まれるのは気の毒かも。最終的に伊右衛門とお梅が結ばれたとしても、お岩が恨むべきはお梅であって伊右衛門ではないと思いたくなるもの。

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2014年11月29日 (土)

「四天王楓江戸粧」、千穐楽

1125日 十一月花形歌舞伎夜の部(明治座)
平成8年、三代目猿之助が200年ぶりに上演したという「四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)」は昼夜通しで全編を上演したそうで、その再演は不可能と言われていた。しかし、不可能と言われれば言われるほどやりたくなる当代である。正味4時間弱の面白い芝居に作り上げていた。
スッポンから黒紋付きの猿之助さんが上がってくる。「私、四代目」で間を置く。当然観客は「市川猿之助でございます」と続くと思っている空気になる。すると猿之助さんの口から出たのは「鶴屋南北でございます」(先月の南北は錦之助さんだったね)。で客席爆笑(うまい具合に両方とも四代目だったね‼)。そして南北先生は「こちら側(花外)のお客様にはしばしお邪魔でしょうが」と花道七三に腰をおろして観客気分で芝居を見ようと言う。ところが幕があいたのに口上の席には誰もいない。慌てて南北先生、口上の席につき、黒紋付きを脱ぐと、鮮やかな水色の裃姿になった。上演の経緯を語った後、「昼夜で上演したものを夜の部に縮めたので筋など二の次」と笑わせる。筋を追っていたのではレポも大変になるので、省略。簡単にまとめれば、序幕が藤原純友の妻辰夜叉御前が甦り、その弟である左大臣高明とともに天下を狙う悪事、二幕目は平井保輔、その母幾野、兄嫁和泉式部、その妹橋立の物語、三幕目は「暫」「土蜘蛛」のパロディ、大詰は平将門の息子相馬太郎良門と妹七綾姫が出てきて…。とまあややこしいと言えばややこしい。四天王は渡辺綱(序幕)、坂田公時(三幕目)、碓井定光(三幕目)、卜部季武(大詰)。
王朝あり、世話物あり、パロディあり、妖術あり、チャリ場あり。そういえば、大向こうさんはいなかったみたいで、かかる声は女性ばっかり。澤瀉屋の公演では本当に女性の声が多い。
以下、箇条書きで。
「序幕 岩倉山の場」
・悪役、左大臣高明の亀三郎さん、なんて言ったって声がよい。三幕目の「暫」のパロでも出てくるが、花形が花形でなくなるころには不気味な公家悪もできる大きな役者になっているだろうと思った。
・高明の命で盗み出された天皇の遺文には何も書かれていなかった。高明は特殊な墨で書かれたもので、お湯を書ければ文字が浮かぶはずだと見抜く。しかし、盗んだ本人(段一郎)が「悪事を見た。頼光公に告げよう」と口にしたため、辰夜叉(猿之助)はその遺文を燃やしてしまう。どうして、声に出して言っちゃうかねえ。
辰夜叉は渡辺綱(右近)が現れると「やられるわけにはいかない。明治座に出て20分で消えるとはお客も望まない」と嘯いていた。綱は「客を味方につけるとは…」。
・渡辺綱は巨大蜘蛛(辰夜叉の化身)に羽交い絞めにされ、蜘蛛と一緒に舞台上で宙乗りをし、大屋根の上におりるが、取り逃がしてしまう。「取り逃がしたか。残念だあ」は男之助と同じである。
・辰夜叉が吊るされた形でスッポンから出てきてそのまま宙乗り。狙った席を取ったつもりだが、宙乗り小屋の真下過ぎた。でも、とにかくこちらへ向かっての宙乗りだから満足満足。
「二幕目第一場 一條戻橋の場」
・なんと、男夜鷹が出てくるという珍しい場である。竹三郎さんの遣手さぼてん婆(?)が、女團七のおとらに続いて凄まじい。
・さぼてん婆が2人の夜鷹に名前を聞くと「弥次郎兵衛に喜多八」と答え、「それは先月だった」。そう2人の夜鷹は猿弥さんに弘太郎さんなんである。おまけに2人に加えて猿之助さんまで男夜鷹。これが可笑しいのなんのって。弘太郎さんには坊主(澤路)、猿弥さんには子守(喜昇)、猿之助さんには後家(寿猿)と客がつく。
・寿猿さんの後家が大ウケ。女形が珍しいうえ「来月、亭主の忘れ形見が生まれるが、男日照りで(とは言わなかったがそういうこと)云々」。ことが終わって大満足めろめろの寿猿さん、セリフが怪しいのはそのせいかしら。手拍子に合わせて踊りながら花道を去る。竹三郎さんが向こうを向いて手拭で口元を隠し、マジで笑っていた。猿之助さん、「あれで86歳だから」と呆れると竹三郎さんが自分もだという風情で何か言う。「あんたもか」と猿之助さん。
・猿之助夜鷹(名前は袴垂の安)は実は男から小金を巻き上げる盗賊で、もう1人ひっかけようとした相手がなんと母親(秀太郎)であった。この安、さらに実は平井保昌の弟保輔なのであった。ここでは、「助六」とか「番町皿屋敷」で母親あるいは伯母に意見される場面を思い出した。
「二幕目第一場 平井保昌館の場」
・母親の手で兄の館に連れ戻された保輔をさぼてん婆が訪ねてくる。安を足蹴にして刀を突きつける場面がある。「昼の部に続いて2度までも(中略)。婆のくせに」との猿之助さんのセリフに客席ウケる。安は刃物を見ると身がすくむという奇病の持ち主(奥田英朗「空中ブランコ」に先端恐怖症のヤクザが出てきたのを思い出した。その前に、刃物を見ると乱心する蘭平を思い出さなくちゃね)。さて、安すなわち保輔の母が何かを日の中に投げ込むと、その奇病は治るのであった。

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2014年11月28日 (金)

コーフン、国宝展

1126日 日本国宝展(国立博物館平成館)
前日に明治座夜の部を見ているのだけど、こっちのレポのほうが先にできちゃったので。
あまりに混雑しているとの情報にビビり、行くつもりのなかった国宝展、チケットをいただいたのでそりゃあ行かなくっちゃとなった(ゲンキン。でも行かなくちゃのプレッシャーもある。ゼイタク)。112130日に土偶5体と金印が同時に展示されているとHPで知り、27日に予定したら家の事情で26日になった。それが幸いした。この日は冷たい雨風で出かけるのも億劫になるくらいだからきっとすいているだろう、との予想通り。札は30分待ちだったが実際は20分程度で入れた。おなかと腰にカイロを貼り、全身ユニクロ保温コーデ、防水スプレーも怠りなく、待ち時間に読む本も2冊持って出かけたのだが、トーハクまでの歩きで身体はさほど寒くなく、傘の中に吹きこむ雨で本は読めず。それでも20分だからそんなに苦ではなかった。

先日西洋の宗教画を見て、宗教はわからん、解説みなくちゃ芸術もわからんとほざいたのだが、この国宝展は信仰をテーマに形成されており、よくよく考えれば日本だってずっと仏教なり神道なりが生活に密着していたのではないか、とはっとした。現代の我々の宗教観は薄れてしまっているとしても、冠婚葬祭、年末年始と形だけでも宗教は残っているではないか。いや地獄極楽思想は案外深く我々の心に根付いているのではないか(神道にも地獄はあるんだろうか…)。そう考えれば、信仰をテーマとしたこの国宝展はやはり私たちの心に深く感じるものを与えてくれているのではないだろうか。でもね、やっぱり展示作品、とくに書画は解説読まないとわからんのだ(前にも書いたが、絵巻は解説を読むと実に面白い。夢中になってしまうが、人の動きを遮るから一応理解したところで移動)。文字さえ読めない。日本人なのに…(古文書を読む専門家がいるんだから、一般人が読めなくてもヘコむことはないか)。歴史はちゃんと勉強しておこう。
以下、とくに印象に残ったもののうちいくつかを順不同で。私にしては珍しくメモ無しで記憶に残っているから、薄れないうちに。
第一展示室を入るとすぐの目玉は「玉虫厨子」。本物の玉虫の羽が使われているのだそうだが、暗くてよくわからなかった。光るから本当はわかってもいいのにね。いつも思うのだが、現在黒くくすんだ文化財は当時はきっと金ぴかで鮮やかな色彩に溢れていたんだろう。それは権勢の証を誇示するためなのか、人々を信仰に誘うためなのかわからないが*1、当時の姿の復元も見てみたい。でも今の我々(って敢えて言っちゃう)は長い時を経てくすんだ姿に価値を見出しているのかもしれないから、当時の姿を目にしたら案外がっかりするのかもね。でも、遷都1300年で見た奈良の美しい色彩はその当時へタイムスリップさせてくれたな。
聖徳太子の「直刀」は輝いていた。錆び錆びの太刀もあるのに、この美しさには驚く。そばで見ていたオジサン2人組が「なんでこんなにきれいなんだ」と声をあげていたのも頷ける。この2人は展示物の前がちょっと混んでいると「○○ちゃん、見える?」「うん、ちゃんと見えた」などと互いを気遣っているのが微笑ましかった。
「土偶」5体。素晴らしい!! 見に来た甲斐があった。農業国日本の美だ。ミロのビーナスなど西洋の彫刻もすごいが、この素朴で美しい農業の象徴は本当に感動的なほど見事である。「中空土偶」はその名の通り中が空洞になっているのだが、そういう技術がすでに縄文時代(BC2000BC1000)にあったとは!! 「合掌土偶」も同時代のものだが、当時の修復跡がみられる。きっと大事にされていたのだろう、と解説に書かれていた*2しかし、縄文の時から祈りは手を合わせていたんだなあ、と妙なことに感心してしまった。それとも縄文の合掌には別の意味があって、祈りっていうのは後付けなんだろうか。いや、やっぱり祈りと思いたい。
よくぞ展示してくれました!!のは「元興寺極楽坊五重小塔」5.5メートルもある建造物である。これがすごいのは、まず建物の中心を貫く心柱。<心柱>と聞いてすぐ思い出すのは東京スカイツリーである。最先端技術で造られたスカイツリーにさえ心柱が通っているのである。その発想が8世紀にあったことに感動を覚える。また、これは実際の10分の1の大きさなのだが、外面はもちろん内部も実物を忠実に再現しているそうなのである。で、何のためにそういうものを造ったかというと、聖武天皇が全国に寺院を建てることを奨励するにあたって、その五重塔建造のモデルにしたらしいのである。この小塔は解体できて、その構造がちゃんとわかるのだ。実際、元興寺からトーハクへ運ぶのに一層ずつ解体したそうだ。この小塔のコンセプトも技術もすごいではないか。
「土佐日記」
の現存最古の完全写本は藤原為家によるもの。流れるような文字が素晴らしいです(もちろん、読めないっす)。自分がイメージしていたものとは全然違っていた。女の子たちが「竜馬? 竜馬?」と言っているのが可笑しかった。貫之さんも為家さんも苦笑しているかも。

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2014年11月27日 (木)

スリルミー、初心者です

1124日 ミュージカル「スリルミー」千穐楽(銀河劇場)
「彼」は「私」に甘えている。「私」を翻弄し、「私」に冷たくするあの態度はどう考えても甘えでしかない。IQは高いかもしれないが、いやIQが高いだけに大人になれない2人。初めて見る「スリルミー」は、どうしようもない犯罪ドラマであり、ユーモアも救いもない暗い話なのにかなり面白かったし、男女にも置き換えられる「私」と「彼」との関係は興味深かった。でも、こういう物語でも主人公に思い入れできる場合もあるけれど、今回は全然思い入れることはできなかった。2人をガキだと考えたせいで、冷めちゃったのかもしれない。
人間にしか考えつかない犯罪、でも人間だからこそ実行してはいけない犯罪…殺すことには平然としていながら自分が死刑になることはイヤだと言う身勝手な子供たち(これで、挫けちゃったのだ)。「彼」のニーチェへの傾倒に対する自負さえも子供っぽい。そんな時代は誰にもあったかもしれない。ず、私自身は傾倒なんてしなかったけれど、そういうものに対する憧れがなかったとはいえないもの。
「彼」が大人になりきれずそういう方向に向かったのは、愛情に飢えていたことが大きいのかな。「私」は「彼」の間違いをわかっていても、愛情の強さがそれを正す目を曇らせたのだろう。でも2人の愛のあり方に関して言えば、「彼」の愛情のほうが強かったとも考えられなくはないだろうか。もし「私」の愛情が「彼」以外に向けられていたら…と考えるのはナンセンスだろうか。

あ、もうやめやめ。スリルミー初心者の私に何がわかるというのだろう。自分でも何を言ってるのかわからなくなってきた。ただ、感じたことを述べただけ。第一、これを見ようと思ったのは、歌舞伎役者の松也に清元関係者(曽祖父、祖父とも清元の人間国宝、従兄弟は清元一太夫)の柿沢勇人のコンビに興味をもったからというだけなんだから。

まあ一つ言えることは、この芝居がストレートプレイだったら絶対途中で重すぎて堪えられなくなっていたかも、ってこと。ミュージカルであることがそのつらさを少し軽減してくれていた。アルジャーノンとか、蜘蛛女とか(映画はストレートプレイだった)、重いテーマの作品はミュージカルにするのがいいのかもしれない。「スリルミー」は2人芝居だというが、ピアノが第3のというか重要な出演者だったと思った。ピアノは朴勝哲さん。こまつ座でおなじみのピアニストだ。さすがの第3の出演者だと思った。

ほかのコンビ(私:田代万里生×彼:伊礼彼方、松下洸平×小西遼生)は見ていないから比べようもないが、柿沢勇人クンは、冷淡でプライド高く愛情に飢えた「彼」そのものだった。松也クンはちょっと愚鈍に見えるほど「彼」への愛に純粋だったと思う。だから彼に「僕の勝ちだ」と宣言された時は意外な気がした。でも、「私」に関してそういう裏切りを見せたのは素晴らしいと思った。歌もいい。何がいいって、声がいい‼ 歌舞伎でも大好きなあの声(声だけが好きなんじゃないけどね)の魅力は、ミュージカルでも遺憾なく発揮されていた。ただ、裁判での告白はうつむいていたせいか、3階席ではやや聞き取りづらかった。集中して、なおかつオペラグラスで見つめているとどうにか聞き取れるんだけどね。

カーテンコールは6回? 7回? どうしてカーテンコールって回数がわからなくなっちゃうんだろう。ピアノの朴さんも出演者として2回目からのカーテンコールに全部参加していたのが、この芝居でのピアノの位置の大きさを示すものだと思う。最後のカテコで松也クンが「僕は出ませんが大阪公演もありますのでよろしく」と言っていた。松也クンと勇人クンがキスしそうになってにやにやしながら離れたと思ったら(お笑いじゃないものね)、松也クンが勇人クンのほっぺにちゅっ。勇人クン、急いでほっぺを手で拭いてズボンにこすりつけ…松也クンがふくれていた。松也クンにとって芸の幅を広げる一助になる公演だったな、と思った。カテコで浅草の事言うんじゃないかって思ってたけど、さすがに心得てるね、一言も触れなかった。でも私は浅草応援してるからねっ(一番安い席でごめん)。
<上演時間>100分(15301710

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2014年11月26日 (水)

11月歌舞伎座夜の部

1122日 十一月顔見世大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
諸事情あり、涙を呑んで「鈴ヶ森」はパス。松緑・幡随×菊之助・権八は絶対見ておきたかったんだけどな。仕方ない。
「勧進帳」
キレキレ、アクティブな弁慶であると思った。全身全霊で義経を守り全身全霊で弁慶になっていた染五郎さん、線の細さはほとんど感じさせることなく見事に演じ切った。初日はどんなにか緊張したことだろう、ニンでない弁慶を高麗屋の後継者として演じる精神力にどれほど強いものがあったころだろう。あの恐ろしい大けがから復帰したことがこんなにも嬉しいのかと、うるうるさせられた。
最初は吉右衛門さんの身体が大きいためにちょっと小ぶりに見えたが、この先のことは「それがしにおんまかせあって」というセリフ一言で、ぐっと頼り甲斐が弁慶の身体に漲り、線の太さを感じるようになった。声もしっかり出ていた(声を張り上げると上体が反るのは今後の課題だろうか)。いつもよりハスキーでなく、きれいな声でセリフも聞き取りやすかった。普段の声と違う声をコンスタントに出し続ける、それも大音声で出すって、どれだけの努力の賜なんだろう。問答のところは元々難しいからサッパリだったけれども、富樫との丁々発止には劇場空間全体が緊迫感に包まれているようで、全員が身を乗り出しているようなそんな錯覚に陥った。時々、声が高くなると幸四郎さんそっくり。今まで顔は似ていると思っても声が似ていると感じたことがなかったからちょっとびっくりした。
打擲では、幸四郎さんは義経に軽く一礼するのがいつも納得できないのだが染五郎さんは一瞬躊躇したように見えて即座に打擲したのがよかった。
振る舞い酒を飲む場面や延年の舞は、弁慶らしく大らかに、心地よく酔って楽しく舞っており、その中にも義経に関する注意を怠らない様子が感じられた。舞は元気で勢いよく、味わうというよりはこちらも舞を楽しんだ。
義経を守ろうという気魄がこれほど感じられる弁慶は久しぶりに見た(初めてかも?)気がする。それは、高麗屋、播磨屋の後継者としてその芸を守ろうとする気魄でもあったのかもしれない。その気魄が客席をアツくし、万雷の拍手を起こしたのだろう。
最後、六方の前にまず幕内の富樫に向かって一礼、それから客席にではなく天に向けて一礼したのがとても感動的でよかった。弁慶はこれよ。六方も手拍子が起こりそうなのを微妙にずらすタイミングで手を振り、ここはお父さんより上だと思った。この六方を見たくて、今回はいつもの3B席ではなく3階東側を取ったのだ。でも一番端じゃなかったので太刀持ちの金太郎クンはほとんど見えなかった。

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2014年11月25日 (火)

「マッサン」でスコット先生の歌が‼

今朝の「マッサン」、いきなり「おおっ」ときた。
♪The water is wide~~♪
エリーの歌声。それは、まさに、花子が心打たれたスコット先生の歌ではないか。
まさかここで再会(?)するとは思わなかった。いや、この歌はスコットランドの民謡なんだから、エリーが歌うことに不思議はないんだよね。

エリーは本当にいじらしいなあ。エリーのためにも私はすっかりウイスキー党になったわ(ブレンドではありますが。いずれシングルモルトにも進出したいと思っています)。ウイスキーが甘いってこと、飲むようになって初めて知った。

ところで、先日、安いウイスキーを簡単においしくする方法というニュースを見た。ウイスキーは熟成させるために樽で何年も寝かせておくのだが、それなら樽板を直接ウイスキーに漬けたらどうかっていう発想から生まれたwhisky elements。樽を分解して、10cmほどの木片にし、表面にぎざぎざを入れたもの。このぎざぎざにより毛細管現象が起こり、熟成度の低いウイスキーから毒素が抜けていくらしい。アメリカで考えられたもので、まだ日本では売られていないようだ。1回使い切りということで、結果としてお値段はどうなのかなとは思うけれど、その辺はちゃんと計算していないのでわからない。1回試してみても面白いかも。
もうひとつ、ところで。サントリーって昔から宣伝がうまかったんだな。あの太陽ワインの広告見た時にそう思ったけど、今日の「マッサン」でも好子さんが言ってたね。私の中でサントリーの宣伝といえば開高健に山口瞳だな、未だに。

それにしても、早くウイスキー作りに入ってくれないかな。そこが目的で見ているという息子はそろそろ限界に近づいてきているよう。朝ドラにはホームドラマ的要素も必要だろうし、15分の中に山を作り、翌日への期待をもたせるって大変だってことは重々わかっているんだけどね、って。

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2014年11月24日 (月)

♪この~木何の木♪

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久々にパリの話題です。
これ、何の木だろう?

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セーヌ河畔のどこか聞き忘れた。
追記:遠くに見える橋はオーステルリッツ橋だそうです。

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2014年11月23日 (日)

白鵬の偉業

大鵬の32回に並ぶ白鵬の優勝で終わった九州場所、今回は1度も触れていなかったので、ちょっとだけ、こんなことがあった場所ってことを自分の記憶のために。
白鵬か鶴竜か、どっちにも優勝させたいと困りつつ、やっぱり白鵬かなと予想していた。感動した。自己管理もしっかりしているのが立派だ。白鵬は大横綱になったと思う。解説の北の富士が「(大鵬の偉業に並ぶ力士が)出るもんなんだねえ」と感嘆していたが、同感。次は33回だ!!
実は私、触れるとしたら白鵬に一番触りたいのbleah 肌が一番きれいだと思うから。いつも艶がよくてピンク色に染まって、本当にきれい。だから調子もいいんだろう。九州場所は花道を帰る力士と直接触れ合えるスペースがあって、平日は比較的すいていたから、チャンスだと思う。博多座で歌舞伎がこの時期にあればいいのに。
逸ノ城はマスコミの過剰取材と体調不良を考えれば勝ち越しで御の字、ヘタしたら負け越すかもと予想していたから、勝ち越してほっとした。今日の相手は照ノ富士。初めて見た時、とにかく重いという印象をもったのだが、星が意外と伸びなかったので期待ほどでもなかったのかなと思ったけれど、やっぱりこれからが楽しみな力士だろう。逸ノ城はもっと立会いで突っ込んで行け‼ それにしてもあの首投げを何とかしないとこれからが不安。いっそ首投げを得意技とするようにするか。
栃ノ心。怪我で幕下まで下がったのによく耐えた。今場所は敢闘賞に値すると思っていたら、ちゃんと受賞したので嬉しかった。先々場所、逸ノ城をモンスターだとしながら強く推せなかったのは、十両で栃ノ心に二度負けていたから。今場所の栃ノ心×逸ノ城戦は実に見ごたえあった。大相撲の末、逸ノ城が勝って嬉しいのはもちろんだが、一方で栃ノ心のこれまでの努力を考え複雑な気持ちだった。
旭天鵬、先場所40歳を超えての勝ち越しに今場所2ケタ勝利は立派。ケガをしないのが強みだが、そのために土俵際早く諦めるところもみられる。
松鳳山、地元場所での負け越しは悔しい。連日、松鳳山コールが場所を盛り上げた(九州の観客ってノリがいい)だけに残念さが増す。
遠藤が10勝をあげてほっとした。

初場所、国技館に見に行きたい気もするが、テレビで見るのが一番かな。蒼井優ちゃんが相撲大好きで、「見られない日は録画をとって全部見る。いつか国技館で実際に見てテレビに映りたい」って言ってたそうだから、来場所は優ちゃんが升席にいるかもねsmile
最後に、呼び出し秀男さん、お疲れ様でした。46年間呼び出し一筋、その頂点に立った人の顔はいい。横綱からの花束もよかった。ただ、歓声と拍手で最後の声がかき消されそうだったのはちょっと残念。

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新派口上:十七世・十八世勘三郎追善公演

1119日 「京舞 口上」(新橋演舞場)
十七世と十八世のパネル写真が下げられた口上の舞台には八重子、久里子、勘九郎、七之助、近藤正臣、柄本明、中村小山三、勘之丞、山左衛門、小三郎、いてう、仲助、土橋慶一、梶浦昭生、鶴松、國久(澤村)、仲之助、仲四郎、仲弥、久藤和子の面々が揃っていた。八重子さんが「三代目井上八千代から二代目水谷八重子に戻ります」と口開きで客席の笑いを誘った。
久里子さんが挨拶のためにちょと前に出てきたとたんうるうるして泣けた。「弟がどうしても新派を演舞場でやりたいと願っていた。勘九郎も七之助もだして新派の空気を吸わせたいと言っていた」という勘三郎さんの念願は半分だけかなった。
勘九郎さんは「1994歳までの役者が舞台に立っている。先月もだが、舞台に立っていられるのは奇跡に近い」。って小山三さんのこと?
七之助さんは「初めての新派で鶴八という大役をつとめている。追善興行をやって、祖父・父ともにお客様にこんなに愛されていたのかと思った」
近藤さんは、3738年前に十七世と舞台で一緒だった。「心優しくていい殿さまだが一つだけ欠点がある。酒好き、アル中なんです。それがこちら」と十七世の写真を示す。近藤さんは忠義な家来だったそうで、殿を後ろ手に縛る。目の前にこもかぶりがある。そこで幕になる予定だったが、十七世が「初日、ボク、何かやるからね」と予告したそうだ。何をやるのかと思ったら、こもかぶりの栓を足を伸ばして抜いて、流れる酒に足を浸して飲もうとするのだそうだ。酒好きを表すものすごい芝居だった、と思い出を語った。
柄本さんは、「亡くなった母が大矢市次郎の大ファンで、その大矢さんが得意とした役(「鶴八鶴次郎」の番頭佐平)を今自分がやっている。母が生きていたら…」
ここでこの日のゲスト、高橋恵子さんが登場。中村屋とはさほど濃い関係があるわけではないらしいが、なかなか興味深いエピソードを聞くことができた。
デビューして5年くらい経った19歳の時、テレビドラマ「台所太平記 めしはまだか」の女中役で、谷崎潤一郎役(ドラマの役名は谷崎ではなかった)の十七世と共演している。当時はまだ十七世の偉大さはわからなかったがお洒落で素敵な方だった。ある日、1日何人かしか客を入れない天ぷら屋でご馳走になった。その時に十八世と会った。十八世は十七世を迎えに来たか何かで、一緒に食事はしていない。同い年の19歳だったので、「そのうち一緒に飲みましょう」と誘ったが、一度も一緒に飲んだことはなかった。ただ、そういう店でよく一緒になった。「細雪」をやっていた時、「見に来てください」と言ったら芝居の最中なのにいっぱいの差し入れを持って見に来てくれた。名古屋だったので差し入れは天むすだった。
十八世は幼馴染というわけでもなく友人というほどでもないが、同じ時代を生きた同志だと思っている。ケータイにメールが入っているが消せない。亡くなったとは思えない。いつもどこかで見てゲキを飛ばしてくれていると思っている。
勘九郎さんについては映画「禅」で母親役をやったことがある。勘九郎さんの若い頃の母親ですぐに死んでしまう役です(笑)。
3
代ともご縁があり、久里子さんとも共演している。新派は大好きで何回か出演した(そういえば、私も見たことある。20111月「日本橋」。しっとりときれいだったのに、どこか新派の空気と違うものを感じた。新派ってすぐにその空気を身につけられるわけじゃないのね、とその時思った)。
十七世、十八世の演技だけでなく人柄もあたたかい、そういう精神を自分も守っていきたい。
以上が高橋さんのお話。日替わりゲストのお話、ネタはつきないんだろうな。
この後、八重子さんから久藤和子さんの幹部昇進が紹介された。久藤さんは久里子さんのもとで修業を積んだそう。おめでとうございます。
「そろそろ井上八千代に戻る時間でございます。この役は十七世からいただいた大事な大事なお役です。千穐楽まで一生懸命つとめます」との八重子さんの言葉で、口上は終わり、春子の気まぐれによる楽屋騒動へ(前述)。

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2014年11月22日 (土)

忘れてショック

何となく、っていうわけでもなく、演舞場の口上ゲストが仁左様の時のチケット売れ具合を見ようとWeb松竹にアクセスしたら、うぅぅぅcrying 今日は1月演舞場の発売日じゃないshock すっかり忘れていたよぉ~crying
急いで席を探したけれど、希望の日の希望の席(宙乗りがある時は絶対この席って決めていた)なんてと~っくになくなってるわよね。何とか日を変えずに宙乗小屋に近い席を取ったけど(B席はなくなっていてA席weep)、花道は全然見えそうもないし、奥まった席だし、あ~あ、席取りのためにゴールドを頑張っているのに、初春おめでた気分down ばかばかばかな私bearing 
ここのところ体調悪くてだらだらしてたのが、やっと頭痛が治って今日は朝から気合い入れて仕事してたのよね。それが敗因か…。でも、一番に入店して希望の席が取れなかったらもっとショックだったかもしれないから、と自分に言い聞かせてる。とはいえ、花道見えないのに5,000円はつらいな。又頭痛が起こりそうcoldsweats02

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2014年11月21日 (金)

新派の力:十七世・十八世中村勘三郎追善公演

1119日 十七世・十八世中村勘三郎追善新派「鶴八鶴次郎」「京舞」(新橋演舞場)
新派は歌舞伎俳優が出る時しか見ていないが、今回あらためて新派の所作、日本語の美しさ、その実力を目の当たりにした。5時間近い上演時間に戦々恐々としていたが、面白くて引き込まれた。
「鶴八鶴次郎」
まず、七之助さんがかわいい女として新派の空気にぴったり合っていて、とてもよかった。歌舞伎の女形としては春猿さんや笑三郎さんが既に新派に出演しているが、私は春猿さんより合うんじゃないかなと思った。この夏「趣向の華」で新派の演目を好演した梅枝クンにもそのうちぜひ本家出演を願いたいものである。でも歌舞伎の女形があんまり出演したら新派の女優さんの出演機会を減らしてしまうか。
男性のほうは新派の二枚目男優の演技をほとんど見ていないのでよくわからないが、勘九郎さんも新派の空気に馴染んでいたのではないだろうか。さすがに兄弟、七之助さんとの息ぴったりで、しょうもない男を好演していた。以前に、父親との恋人同士はそんなものかなと思うけれど、兄弟ではちょっと恥ずかしいと勘九郎さんが言っているのを聞いたことがある。「鶴八鶴次郎」ではラブシーンもあり、それを思い出してちょっと可笑しくなってしまった(大事な場面なのに、失礼)。と同時に、肩を寄せ合い月を見上げる2人の後ろ姿には泣けた。
すさんだ生活を送っている鶴次郎が身を置いている場末の寄席、そこに下座引として小山三さんがいた。客席が湧く。小山三さんが敬愛してやまない十七世と早逝してしまった十八世の追善興行にこうして兄弟を支えて元気に出演している姿を見るだけでうるうるしてしまう。
結末については、見終わってすぐの時点ではまったく納得いかなかった。その後、色々考えた。考えた結果、やっぱり私には納得いかない。男の優しさなのか自己満足なのかと言われたら、私は自己満足だって言いたい。
次に見たらどう考えるかわからない。でも、今はそういうこと。
「京舞」
京舞にはそれほど関心がなかったし、長そうだし、退屈するかなあと心配したが、第1幕の前半ちょっと寝たものの(この眠さで又いつもの頭痛が始まった)、以後は大変面白くて、新派の演劇を堪能した。
実は、今月国立劇場プログラムの連載「折々の事 忘れ得ぬ人」に、織田紘二さんが「北条秀司――『京舞』顛末記」というタイトルで昭和62年国立劇場での上演の経緯を書いておられる。演舞場のこの公演に合わせたのだろうか、タイムリーな記事で大変興味深く読んだ。
ごく簡単に紹介すると、片山春子(三世井上八千代)役は本人の熱望にて十七世勘三郎、愛子役には娘・波乃久里子を得て、綿密な準備を整え上演を待つばかりになった。ところが123日の初日を目前にして十七世は病に倒れる。代役は北条秀司が決めて新聞でも発表された。しかし劇団員はこれに猛反発した。北条案はとても承服できない、代役は水谷良重(当時)にやらせてほしいというのだ。女優陣のすすり泣きの中、北条秀司が良重に意思をきくと良重は声を振り絞って「座員のみんなの推薦があり、北条先生が納得してくれるなら、自信はないが引き受けてこの難局を乗り越えるために全員で力を合わせたい」と答えた。それが北条秀司の心を動かし、代役は良重に決まった。初日まで1週間もない日のことである。北条秀司の英断と劇団員の熱意により「京舞」は盛況裡に千穐楽を迎えた。入院中だった十七世はその日短い外出許可を取り、舞台でお詫びとお礼のあいさつをした。舞台も客席も感動の嵐の中、幕がおりた。という顛末である。ちなみにこの公演で小山三さんが中島内儀なみ子役で出演しているが、今回の上演ではこの役はなかった。とても長い芝居のようで、今回はだいぶ短縮しているらしい。
第二幕の途中に入る「口上」、八重子さんの「春子役は十七世からいただいた大事な役である」という一言(別述)の裏にはこのような事情があったのである。その八重子さんの思いがまさにびんびん伝わってくるような舞台であった。

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2014年11月20日 (木)

明治座来年5月花形歌舞伎

早くも来年5月の歌舞伎情報。
27年5月2日(土)~27日(火)、明治座で。
出演は
猿之助
愛之助
中車
右近(市川)

中車さんが猿之助・右近さんと一緒に出演するのは嬉しい。
そして浅草メンバーだった愛之助さんが猿之助さんと共演するのも嬉しい。
演目は何でしょうね~。

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2014年11月18日 (火)

「伽羅先代萩」

1113日 「伽羅先代萩」(国立劇場大劇場)
この通しを見るのは4度目だが(そんなに見ているのか、と自分でオドロキ)、国立劇場でのこの通し(花水橋→竹の間→奥殿→床下→問註所→刃傷)は意外にも初めてなんだそうだ。
「花水橋」
梅玉さんの頼兼が放蕩そうな空気を放ちつつ上品で嫌味がなく、ステキである。襲いかかってくる者たちを扇1本で鷹揚に(颯爽とではなくて、柔らかさの中にどことなくきっぱりしたところがあって、「鷹揚に」という表現がぴったり)躱す姿を見ていると、この人なんで悪だくみに乗せられちゃったんだろうと不思議になる。それに絹川(松江)の助けなどなくても1人で大丈夫なんじゃないかと思うほどだけど、お殿様は自分で悪人どもを斬ったりはしないから、やっぱり誰か助けが必要なのだろう。松江さんの絹川は力強さと真面目さが忠義の力士らしくてよい。松江さんって、いかにも歌舞伎役者らしい役者さんだといつも思う。
「竹の間」
扇雀さんの政岡は顔だけ見るとちょっときつさがあって八汐か、と言ってしまいそう。でもそのきつさが厳しい状況で鶴千代君を守る政岡の忠義、覚悟、強さを表しているのかもしれない。
八汐の翫雀さんは反対に優しげな顔で、意地悪さとのギャップが面白いのだろうが、ここは仁左様の八汐があまりに傑作であったため、どうしても比較してしまう。翫雀さんにしては案外ストレートで、もうちょっと愛敬というか茶目っけみたいなものがあってもよかったかもと思った。鶴千代君が八汐をやりこめる場面ももっと面白くなってもよかったのに、とちょっと残念。
沖の井(孝太郎)は松島(亀鶴)よりセリフが多いのに、意外にもここでは松島のほうが存在感があったような気がした。
嘉藤太の橘太郎さん、小槇の秀調さんが役の空気をしっかり醸し出していて、うまいと思った。
鶴千代の子役ちゃんも幼いのに殿としての自覚が感じられ上手だったが、千松の子役ちゃんが千松の立場をしっかり演じていて感心した。いつも鶴千代君にくっついて、曲者探しの時も天井に目をやり、曲者が落ちて来たらすぐに鶴千代のそばに寄って守ろうとしていた。その姿がいじらしくてうるうるしてしまった。

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2014年11月17日 (月)

ヤバイ

夕飯に食べた頂き物の牛タン、口に入れた途端、思わず「ヤバイ」と言ってしまった。
おいしいものに「ヤバイ」って言うのはどうなのよ、と若者言葉に違和感を覚えていたのにbearing
でも、初めて「ヤバイ」ほどおいしいっていう気持ちがわかっちゃったよ。とはいえ、この先使うつもりはない。
ないけど、一度使っちゃったからにはもしかしてふいっとそれが口をついて出てくることがあったりしてdespair…そのほうがよっぽどヤバイよヤバイよcoldsweats01

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2014年11月16日 (日)

残念、錦織選手(ATPワールドツアーファイナルズ)

2セット目を取った時は「おお‼」と小躍りして期待したが、第3セットは自滅した感じで、残念至極。でも、ありがとう!!
しかしやはりジョコビッチは強い。さすが世界1位だ。

松岡修造氏の冷静な分析、よかったな。いっつもいつもアツい人かと思ってた(失礼)。

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2014年11月14日 (金)

ルネサンス絵画を堪能&宗教画に圧倒される:ウフィツィ美術館展

1111日 ウフィツィ美術館展(東京都美術館)
発音しにくいウフィツィがオフィスの意味であることを知ったのは23年前。自分では現地に行くことはないだろうから、都美へ。
大半が宗教画。これだけ宗教画が集まると独特の厳粛な雰囲気となり、圧倒された。小学生の時、クラスメートの家の近くの教会に連れて行かれ、そこで初めて見たキリスト磔刑の図、それは私のトラウマとなったが、そこで感じた厳粛な空気、また後に、東京カテドラルに遊びに行った時の空気を思い出した。
宗教画はキリスト教を知らない自分には解説がないとむずかしいが、今回の展示では比較的多くの作品に解説がついていて、ああそういう場面が描かれているのね、と理解の一助になった。ただ、解説にカタカナが多い。とくに固有名詞が多いと読みづらくて飛ばしたくなる(私もトシだね)。
でも、作品はよかった。第1章「大工房時代のフィレンツェ」は1400年代の作品、第2章「激動のフィレンツェ、美術の黄金期の到来」はボッティチェリ、バルトロメオを中心に1480年くらいから1525年くらいまでの作品、第3章「マニエラ・モデルナ(新時代様式)の誕生」は1510年頃から16世紀後半までの作品、そして最後第4章「フィレンツェ美術とメディチ家」は1528年以降の作品(年代は第3章とかぶる)。
「工房」というとまず第一に浮かぶ2つの本がある。1つは「デジデリオラビリンス」(森下典子)。杏のドラマにもなったけれど、この原作は前世の自分であるデジデリオの生涯を追究する過程を描いていて、ミステリアスであると同時に、とにかく真摯なのである。大変好感のもてる本であり、これを読んでポルトガル熱が大いに高まった。これは今回の展覧会に関係ないが、もう1つの「ダヴィンチの愛人」(藤本ひとみ)ではまさにこの時代の工房が描かれている。ダヴィンチは美貌の少女に置き換えられ、なんとボッティチェリは私にはちょっと卑怯感を覚えるような人物とされており、あのボッティチェリが、とショックなのであった。というわけで、「工房」時代はそんなことを思い出しながら鑑賞した。
そのボッティチェリ、最初期の作品が「聖母子と天使」。所蔵はステゴ養育院美術館。そういう美術館があることにも驚きだが、そこに所蔵されていることにこの作品の意味がありそうだ。「ロッジャの聖母」は、絵そのものは後世の修復によりボッティチェリのタッチが損なわれているそうだが(そう言われるとそうかも)、額が当時のオリジナルで大変貴重なものらしい。
工房としては私も名前くらいは知っているリッピ、そのリッピの作品らしい(「リッピに帰属している」っていう表現は、よくわからないけど、要するにリッピの作品と思われるってこと?)「老人の肖像」はなかなか印象的であった。
工房時代の「聖母の幼児キリスト礼拝(中央)、磔刑と聖フランチェスコと聖ヒエロニムス(上部)」は1861年の洪水により下4分の1が損傷していてびっくりした。1枚の絵に複数の場面が描かれている絵もあり、それは解説とひとつひとつ合わせて見ないと何がなにやら…。
141114uffizi1 さて、「美術の黄金期」、ボッティチェリの「パラスとケンタウロス」(←coldsweats01)を目にしたとき、衝撃を受けるくらいよかった!! 何も前知識をもたずに見たこの展覧会であるが、この作品が一番よかった。そうしたらこれが目玉だったのね。さすがにそれだけのことはある。女神が獣神を支配するこの作品の寓意は、肉欲に貞淑が勝つということで、誰とかの結婚のために描かれたらしい。「聖母子と洗礼者ヨハネ」は十字架降下を暗示する構図となっている。マリオット・アルベルティネッリの「キリストの礼拝」は、左手に3本の釘をもつ幼児が描かれており、キリスト受難を暗示している。十字架降下や受難を暗示する絵画はけっこう多くみられ、宗教画として重要なテーマなんだということがわかる。この時代の幼子って、意外と可愛くなく描かれている(可愛いという概念はその時代によっても違うし、この時代は別に可愛く描く必要はなかったのかもしれない)。
「マニエラ・モデルナ」では、アンドレア・デル・サルトの「ピエタのキリスト」がよかった。「ピエタ」は通常、キリストを中心に聖母マリアやマグダラのマリアが描かれるが、この絵で描かれているのはキリスト1人のみである。やわらかい光と荒涼感たっぷりの岩の対比、モノクロの中で色彩はキリストの腰の赤い布と岩の上に置かれた黄色い布のみである(黄色い布には多分釘とかが置かれている)。
ポントルモの原画に基づく「聖母子」は、オリジナルが存在しない複製だというのが興味深かった。
最後、メディチ家の当主の小さい肖像画が並べられていたが、やはり創始者ロレンツォ・イル・マニフィコとコジモ1世が突出していた。ジュリアーノ・デ・メディチ、教皇レオ10世、教皇クレメンス7世、フランチェスコ1世と、すべてブロンツィーノの作になるものだが、この2人の顔が他と違ってよかったのはその実力が絵にも表れていたのだろうか。
その是非はともかく、文化の爛熟と時の治世者との関係は切り離せないものだと思った。

 

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2014年11月12日 (水)

11月明治座昼の部②:「女團七」

1110日 十一月花形歌舞伎昼の部(明治座)
去年竹三郎の会に行かれなかったのでもう見られないんじゃないかと悲観的だった「女團七」、明治座で願いがかなった。
「夏姿女團七」
書き替えもの、パロディものとしての面白さを堪能した。猿之助さんと竹三郎さんのためにある芝居みたいに2人がぴたっとはまっていた。
そして何と言っても竹三郎さんのパワーが途轍もない。寿猿さんといい、昭和ヒトケタ世代恐るべしである。
以下、あらすじを追いながらなので長くなります。
「序幕 柳橋草加屋の場」
まず芸者たちが花道で團七縞のお梶を褒め契り、最後に「おもだかや~」。芸者たちが去ると、草加屋に喜八(國矢)がやってくる。駆け落ちした遊女琴浦がここにいるのではないかと疑って来たのだった。応対をする女中お松は段之さん。どうも段之さんが出てくるとコミカルなことをするんじゃないかと思ってしまうが、今回は普通に普通だった。國矢さんは抜け出した遊女を詮議する吉原の<若い者>らしく見えてうまいと思った。
お松が喜八をごまかして追い返したところへ清七(門之助)と琴浦(右近)が出てきて、互いの身の上を語り合う。ここで観客は清七が元は玉島磯之丞という侍であり主家の重宝である刀を紛失、その詮議のため道具屋に奉公するうちに養子になったこと、琴浦が実は「はつ」という名の娘で清七のいいなずけであったが父に入り用な金のために吉原に勤めるようになったことを知る。この場面は本家「夏祭」では三婦内で人目につく表座敷で2人がじゃらじゃらしている場面に通じていて(痴話げんかと身の上話の違いはあるけれど)、2人はこんなところにいたら目立って危ないでしょとお松に叱られる。
この2人、門之助さんと右近クンは今年7月の「夏祭」でも磯之丞・琴浦で共演した間柄。こちらの磯之丞はつっころばしではなく、様子を窺っていた喜八を突いたりして元武士らしさを見せる。門之助さんが上品できりっとしていてかっこよかった。右近クンは左斜め横顔を見せた時、頬から首にかけてのラインがとても艶めかしかった。
そんなこんなで揉めているところへ、供侍・森下甚内(猿三郎)を連れた大家のお局が駕籠でやってくる。竹三郎さんの打掛がステキ(猿三郎さんのブログに写真が)。お局は、琴浦は実は播州高砂家の姫君で、証拠の品も持っており、磯之丞との仲も心得ていると言う。主命により迎えに来たと琴浦を連れて行こうとしたその時、奥から声がかかり、お梶(猿之助)が現れる。白地の着物に赤い帯。なんとスッキリとかっこよく美しい‼ この登場シーンだけでお梶の粋、義俠心が見て取れて劇場中がどよめく(このカメちゃんも猿三郎さんのブログに出ています)。このお局、とんでもない食わせモノで、本当はお梶の義母おとらなのであった。おとらは琴浦に横恋慕する大鳥佐賀右衛門に頼まれて一芝居打ったのだった。
いかにも大家のお女中らしい貫録と品格を見せていた竹三郎さんが正体を見破られたとたん、べらんめえ口調に豹変する(すげぇ)。甚内とのコンビでの豹変ぶりは、弁天小僧を思わせる。おとらの開き直りのセリフに、明治座周辺の地名がたくさん入るのが楽しい。まあその凄みの迫力ときたら、年齢のことを何度も出して申し訳ないが80歳を超えているとは思えない。
おとらが帰った後、戸口に佇み花道へ目をやるお梶の姿がかっこいい(この芝居、何度でも「かっこいい」という表現が出てしまう)。

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2014年11月11日 (火)

11月明治座昼の部①:高時

1110日 十一月花形歌舞伎昼の部(明治座)
いよいよ今月始動
「高時」
どこかで見ているはずなのに、舞台を見てもまったく記憶にない。で、上演記録を調べたら、今回初見であった。歌舞伎座で6年前の12月に梅玉さんで上演されているのだが、この月私はパスしたらしい。ここまで記憶にないのはショックだわと思いながら舞台を眺めていたけれど、一度も見ていないんだから記憶がなくて当たり前。何かと勘違いしていたのね、きっと(我當さんのイメージが強いので、必死でデータと記憶を検索したら「佐々木高綱」でした。高時⇔高綱)。前置き終わり。
お犬様をめぐる「北条家門前の場」では、ばかばかしくも高時のお犬様が駕籠に乗せられており、それを警護する武士たちのセリフから、彼らもばかばかしく思っている様子。そこへやってきた安達三郎の母(蝶紫)と子ども。運悪く、他の犬が2匹通りかかり、お犬様(雲竜っていう名前だった)は駕籠を下りてしまう。そして安達三郎の老母の脚に噛みつく。気の荒い犬だから気をつけろと武士たちに注意されていたけれど、これは不可抗力の出来事。大騒ぎにあんっているところへ安達三郎(弘太郎)が現れ、鉄扇で犬を打ち殺してしまう。怒った武士たちと三郎は闘うが、母と息子を囚われ殺すぞと脅かされては自分が捕まるしかない。この時の子役がいじらしい。老母はもう先が長くないからと死ぬ覚悟だが、息子も父のためなら婆様と一緒に死ぬと言うのだ。三郎はこんなことがまかり通る北条の世は長くは続くまいと言ってお縄にかかる。
弘太郎さんがしっかりと行儀のいい演技で(この人を見るといつも「行儀がいい」と思う)、父親らしさを見せていたので感心した。もう父親役もぴったり合うようになってきたのだなあ。
次の「北条家奥殿内の場」では、下手に大薩摩、上手に竹本が並んでいる。浅葱幕が振り落されると、高時(右近)が柱にもたれかかった横向き姿で酒を飲んでいる。真ん中には愛妾衣笠(笑也)が正面を向いて、奥には侍女たちが非開けている。愛犬が殺されたことが高時に告げられるとき、大薩摩に霞幕がかけられた。安達は死罪だと怒る高時に、ちょっと待ってくださいと奥から声がかかると、霞幕が取り除かれ大薩摩は退場していた。大佛陸奥守貞直(猿弥)に続き、秋田城之介入道延明(寿猿)が高時を諌める。ここ、ちょっと眠くなったが、寿猿さんの若々しさに驚いた。あんまり若く見えたので別人かと思ったくらいだが、声は間違いなく寿猿さんだ。
2
人が引っこむと再び大薩摩が登場する。
高時は衣笠に舞を舞わせて飲み続ける。笑也さんは、ずっと動きが少なくこのまま終わるのはつらいなと思っていたら舞う場面があったのでよかった。品よく美しい笑也さん。
やがて一陣の風が起こり、明かりが消え、雷鳴がとどろく。衣笠も侍女たちも怯えて逃げ出すと、天狗が現れた。まず下手から滑車で1人、そして上手からも滑車で1人、す~っと飛んできたかのよう。さらに6枚の襖が返り天狗が6人、計8人。高時と天狗たちの運動会的(?)要素たっぷりの舞は見応えあって楽しかった。右近さんは海老反りしたり、大の字姿で高く掲げられたり(2度あった)、宙吊り(舞台上でちょっと吊られた程度だったから、宙乗りじゃなくて、宙吊りかな)があったり。天狗におちょくられているのに本人がわかっていない感じでやや不器用に踊っているのがとてもうまい。かなりの技術を要すると見た。右近さんの高時は「重々しい傲慢さ」というのではなく「聞く耳持たぬ傲慢さ」であったように思う。
なお、竹本のシン幹太夫さんが体調不良で11日から休演、葵太夫さんがピンチヒッターとのこと。幹太夫さん、私が見た時にはもう具合悪かったのかなあ、気がつかなかった。葵太夫さんによると、本来ならその座組の中から代役を出すのだが、今回は代役がいないため急遽葵太夫さんに依頼がいったそう。葵太夫さんも先々月だったか喉の不調を訴えておられたから大変だけど、竹本がいなくて芝居ができないというわけにはいくまい。座館が多いと大変だなあ(今月は歌舞伎座、国立、明治座、永楽館、巡業)。幹太夫さん、お大事に。葵太夫さんもお気をつけて。

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2014年11月10日 (月)

現代の名工、溶接第一人者は吉之丞さんのご子息

今年度の現代の名工149人が選出された。
そのうちの1人、溶接工の田中聖一さん(51歳)はなんと、あの吉之丞さんのご子息だそうだ!!
田中さんは、電車の心臓部とも言われる台車への溶接技術で他の追随を許さないと評価された。SL修復でも優れた実績をあげているそうなのだ。
田中さんが活躍しているのはJR東日本大宮総合車両センターで、JR東日本では唯一SLを修復しているのだとか。
幼少時、歌舞伎座などの楽屋に通ううち電車が好きになり、鉄道関係の学校の実習で溶接に巡り合い、その後33年感溶接一筋の田中さん。もしかしたら歌舞伎役者になっていたかもしれないと思うと、なにか不思議な感慨をおぼえる。田中さんは、お父様から役者の世界では40~50代は洟垂れ小僧と聞いておられて、「自分もまだ修業半ば、さらに極めたい」とのコメント。職人さんとしての慎ましい自負が感じられる。
吉之丞さんも天国で喜んでいらっしゃることと思う。大好きだった吉之丞さんのご子息だし、職人さんを尊敬しているから、私もとても嬉しい。

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2014年11月 9日 (日)

緑のカトレア

141109cattleya
ちょっと珍しいかなと思って…。
カトレアっていうと、私はすぐに「♪カトレアのように派手な人~♪」と口ずさんでしまう。
9月に舟木一夫公演見た時にちょっと期待したんだけどね。ところでこの歌詞、西条八十だったのね。知らなかった(忘れていた? いや、もうほとんど知らなかったに近い)。

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2014年11月 8日 (土)

立ち上がる羽生選手

羽生クン、かっこよかった。
直前のアクシデントの影響で尻もちはつくし、スピンにもスピードがなかったが、美しいフォルム、表現力はやっぱり見ていて素晴らしいと思う。なによりも果敢に攻めるその姿勢、痛々しい姿ながら倒れても倒れても立ち上がる羽生選手の精神力の強さに胸がぎゅっと摑まれるような感動を覚えると同時に、その姿は震災から立ち上がろうとする東北そのものに見えた。
棄権したっておかしくない状態だった羽生選手、その演技が多くの人の心を揺り動かしたことは間違いないだろう。そしてキスアンドクライでの号泣は涙なくしては見られなかった。
羽生選手とぶつかった中国の閻涵選手も見事に滑り切ったそうで(リアルタイムでは羽生クンの演技途中からしか見てなかったので)、今日の試合は見ていた人の記憶と心にずっと残るだろうなと思った。
2人とも、怪我が軽くて早く治りますように(脳震盪を起こしていたら怖いから)。

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2014年11月 7日 (金)

世界シェアNo1

今さらなのですが、ずっと気になっていた「日本特殊陶業」。御園座建替えの間、錦秋顔見世歌舞伎が行われる会館にその名を冠している企業です。
会館名は名古屋市民会館の命名権を得てのこと、とは察していたのだが(仙台の「東京エレクトロンホール」もそうだったし)、どんな会社かということは知らなかった。
ホールのロビーに業務の概要が出ていたので興味深く拝見。

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これを見ると、酸素センサ、樹脂ビルドアップ基板、機械工具、電子デバイス用表面実装パッケージ、スパークプラグ、バイオセラミックスなどを作っている会社で、排ガス浄化システムの中核部品である酸素センサ、エンジン着火に必要なスパークプラグは世界シェアNo.1だそう。
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中でも私が興味をひかれたのはスパークプラグ。
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F1カーに使用されていて、これだけレースを制しているから。
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鈴鹿サーキットリニューアルの際には、旧メインストレートアスファルト記念プレートを贈られたそう。ガラスケースの中なので写真がぼんやりしてしまったが、ここには数々の名勝負と歴史が刻まれているんだとか。
歌舞伎を見に行ったおかげで、またひとつ日本の世界シェアNo1を知った。

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2014年11月 5日 (水)

菊花展@川口市立グリーンセンター

ここ数年、近所であまり菊を見かけなくなったせいか、秋→菊のイメージを忘れていた。
紅葉を見に久しぶりに出かけたグリーンセンターで、愛好家が丹精こめたさまざまな菊を見て、その美しさに心が和んだ。

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↑菊の「?」?
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↑秋の花火?
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↑台紙で仕立てた菊は初めて見たかも。
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↑端正な千本作り
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↑うっすらピンクがたまらなく美しい。
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↑私が一番美しいと心奪われた菊。

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2014年11月 4日 (火)

鳥たち@川口市立グリーンセンター

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↑食べているインドクジャク。食べていない時はスズメのいいエサ場になっていた。
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↑食べているカンムリヅル&食べていないアヒル
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↑食べているギンケイ
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↑食べていないギンケイ
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↑キンケイ。餌には見向きもせず
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↑オウム。ぎゃあぎゃあ大声で威嚇された。迫力あるぅ。
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↑これも鳥…

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2014年11月 3日 (月)

やったね、ご近所さん

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ゆるキャラグランプリ2014、おめでとう1位happy01
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ハロウィンバージョンのぐんまちゃんだそうです。
ご近所さんとは、もちろん歌舞伎座の、ですwink

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2014年11月 2日 (日)

又五郎さんおめとうございます

紫綬褒章受章、おめでとうございます!!
中村光輝クン時代を知っている者としても、真面目な又五郎さんの受章はとても嬉しいです。
おめでた続きだねっ、又五郎さんのところhappy01

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2014年11月 1日 (土)

ついに猿之助、歌舞伎座登場

歌舞伎座の来年1月公演情報が発表になった。詳細は→ココ
染五郎・中村屋兄弟による「金閣寺」もだけど、目玉はやっぱり夜の部の「黒塚」、猿之助さんですかね。勘九郎さんとの共演も久しぶりなような気がするし、なんてったって、新しい歌舞伎座初登場ですものね。さよなら公演も出ていないから、何年ぶりになるのかしら。
楽しみをぶつけてくれるよねえ。

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