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2015年2月28日 (土)

やっぱりいいな、歌舞伎座は:2月歌舞伎座昼の部

225日 二月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
やっぱり歌舞伎座はいい。奴2人(吉三郎、又之助)が花道を走って出てきたとたん、そう声に出しそうになった。歌舞伎は歌舞伎座でなくちゃという固定観念はないけれど、歌舞伎座が三津五郎さんの居場所であったように、私も歌舞伎に関しては居場所だと思った。でも、3A席がガラガラで寂しい(23日前は1階席にぼこっぼこっと空席が目立ったそうだ)。大向こうもやや遠慮気味に聞こえてきたし、途中の拍手にも今一つ物足りなさを感じる(熱がこもっていないというわけでもなく、拍手のタイミングを逸しているのか、あるいは人の少なさがそう感じさせたのか)。
「吉例壽曽我」
花道から近江小藤太(又五郎)、上手から八幡三郎(錦之助)が傘を持って登場したが、ほとんど拍手なし。行儀のよい演技をする2人がガチで顔を合わせきれいな形の激しい立ち回りを見せてくれて、私としてはとても嬉しかったが、やや地味なのかもしれない。でもがんどう返しでは大きな拍手が起こってよかった。又五郎さんは両足揃えて立ったまま、錦之助さんは段違いに足を広げていたので途中で片膝ついて、最後まで頑張っていた。
このあと、舞台中央に赤い消し幕が広げられ、大薩摩の演奏がある。大薩摩を近い上方から聞くせいか、その力強さがびんびん伝わってきて、感動した。
消し幕が取られると、工藤祐経(歌六)を中心に、全部で7人がセリ上がってくる。一番向こう(下手側)に巳之助クン(朝比奈三郎)がいる。それだけで涙が湧いてきた。渾身のセリフ、演技にかかる「大和屋っ」の声、拍手は巳之助クンを力づけたことだろう。
歌昇・萬太郎の五郎・十郎は逆でもよかったかなあ。というのも、萬太郎クンはよくやっていたけれど、やっぱり童顔が気になってしまうから。
それでも様式的、華やかで目出度い演目に、歌舞伎らしさを楽しんだ。
「毛谷村」
菊五郎さん初役の六助は、まずその意欲が素晴らしいし、大らかであたたかく巧まずしてコミカル&ユーモラスな菊五郎さんらしさが六助の人物に合っていてとてもよかった。幕があいて六助が姿を現したときの若々しさにも驚いた。微塵弾正に騙されたと知った時の怒りの表情もいい。しかし庭石をめり込ませるところは、脇から見ていたせいか、怒りの力があまり感じられなかった。
時さまははまり役で、可愛らしさも女武道ぶりも程よい。
菊五郎×時蔵は鉄板のコンビだから、いつもの長年連れ添った夫婦的空気が漂うかと思ったら、そんな空気は微塵もなくて、六助×お園の置かれた状況、心境に応じた距離感、空気感をきちんと醸し出していた。さすがである。許婚とわかってからの初々しい空気は微笑ましかった。
時間の問題もあろうが、一味斎後室お幸(東蔵)の入り込みが上演されればよかったのに。初めて見る人にはお幸の登場は唐突で分かりにくかったんじゃないかな。子役ちゃん、かわいかった。一番拍手を受けていたのは子役ちゃんかも。

「積恋雪関扉」
昼の部だし、「関扉」だし、案の定まだらに寝てしまった。とくに前半がうつらうつら。後半起きていた範囲ではけっこう面白いと思ったので、寝ないで全部見たらかなり面白いのかもしれない。そう思えただけでも私としては進歩なんだけど…。こういう演目をちゃんと見られるようにならないと…。
よくわからないなりに、幸四郎さんが関兵衛はまり役と思った。菊ちゃんがきれいだった。
<上演時間>「吉例壽曽我」40分(11001140)、幕間35分、「毛谷村」70分(12151325)、幕間25分、「関扉」80分(13501510

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コメント

SwingingFujisan様
今晩は。歌舞伎座の昼の部の感想拝読しました。
最近、歌舞伎座の観客、開場当初より減ってきているので、だんだん落ち着きを取り戻している気がします。今月は、季節感にあった出し物が多いのも、違和感がないのかもしれません。
「関の扉」前半意識が遠のかれたとのこと、私は、食事後の「毛谷村」、肝心のお園のクドキで寝てしまい、からみの記憶がないのです。昼夜それぞれの演目すべてを緊張感をもって見るのは至難のワザですね。
 Fujisanさんは、「関の扉」とか「船弁慶」とか苦手のご様子ですが、私も、アルコールが入れば、前半は必ずうつらうつらします。ふっと起きた時に、良い場面であれば、また格別です。
 ところで、最近、錦之助に良い役がつきはじめましたね。今回の「関の扉」、染五郎がいれば、来なかった役でしょうが、いまひとつ役としっくり合わず、まったりとした香りがありませんでした。この優は二枚目ですが、意外に線の太い役のほうがあいます。又五郎ともども、錦之助には、今後、良い役が来た時には、頑張って実力を発揮してほしいものです。

投稿: レオン・パパ | 2015年3月 1日 (日) 21時07分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
歌舞伎座の観客数が減る一方で六本木歌舞伎などは空席なし、ちょっと首をかしげたくもなります。
時に、季節感のまったくない演目がかかることもありますが、今月昼の部は季節も考慮された演目でよかったですね。
レオン・パパ様も寝てしまわれたとのこと、安心しました。「毛谷村」は食後のせいか、寝ている人が多かったですよ。私も左團次さんのところでかなり眠くなりました。「関の扉」「船弁慶」は何とか苦手意識を克服したいのですが…。アルコールが入ったら、きっと上演中通して寝てしまいますわ。
錦之助さんのニン、同感です。私も線の太い役のほうが合うと思いますし、好きです。又五郎さんも錦之助さんも実力ある役者さんですし、年齢的にもどんどん活躍してほしいと期待しています。

投稿: SwingingFujisan | 2015年3月 1日 (日) 22時33分

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