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2015年5月17日 (日)

2度見ちゃった「インドの仏」

428日、516日 「インドの仏」(国立博物館表慶館)
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月の鑑賞は駆け込み、しかも鳥獣戯画で疲れた後だったので、一応そこそこ丁寧に見ることは見たが、意外に記憶に残らず、もう一度見たくなって今回も駆け込み再鑑賞(会期は17日まで)。もともと仏像は好きなんだけど、仏教については知らないことばかり。いろんな知識が得られて面白かった。
「仏像誕生以前」
仏教にははじめ、仏像はなかった。仏陀は人間の姿では表さないのだ。法輪、聖樹(菩提樹)、足跡などが仏陀の象徴だった。そうだったんだ。法輪は仏陀の教えが世に広まることを示し、聖樹はその下で仏陀が悟りを開いた木であり、足跡はもちろん仏足跡である。そういうものが表されたレリーフが展示されていて、当時の信仰心に思いを馳せた。
「釈迦の生涯」
展示品の上部に釈迦の一生が要約されたパネルがあったし、解説には必要に応じて地図がついており、わかりやすかった(ここでも学芸員さんたちの熱意を感じた)。
マーヤー夫人が白象の夢を見て身ごもる場面(仏伝「托胎霊夢」)、シッダルダがマーヤー夫人の右脇から生まれ、五重の蓮華座の上に立っている場面(仏伝「誕生」)、出家するために住んでいた城を出て行く場面(仏伝「出家踰城」)、悟りを開いた場面(仏坐像)、瞑想する姿(仏坐像)、帝釈天が釈迦の弟子になる場面(仏伝「帝釈窟説法」)などなど、どれも興味深い。
そして「四相図」。釈迦の生涯を「誕生から出家」「降魔成道」「初転法輪」「涅槃」の4つに分け、それを下から並べたレリーフは珍しい。
私はこの章で、釈迦の右手が地面に触れている降魔成道図は、釈迦が悟りを開いたことを表すことを知った。大地神が悟りを証明しているのだそうだ。
「仏の姿」
いよいよ仏像の登場である。面白いことに、仏像はパキスタンのガンダーラとインドのマトゥラーでほぼ同時期に制作され始めたらしい。ガンダーラはギリシア・ローマ彫刻の影響を受け、彫りが深く筋肉が発達し、衣は波のように広がっている。マトゥラーの仏像は衣が薄くシースルー、肉体の逞しさが見られる。ここでは様々な仏像を見たが、日本の仏像とは全然違う「インドの仏像」であった。
「さまざまな菩薩と神」
仏にも階級みたいなものがあることは知っているが、その区別はわからない。ガンダーラの「弥勒菩薩坐像」は、口髭をたくわえ、端正なお顔でステキ。「菩薩頭部」はとてもギリシアっぽい。ギリシアの影響は、アレクサンダー大王の遠征によるものである。
「ストゥーパと仏」
ストゥーパとは仏塔のことで、仏像誕生前は信仰の対象であった。法輪や聖樹などのレリーフはストゥーパを囲む欄盾(らんじゅん)という囲いに飾られていたものであった。ストゥーパ信仰は仏像ができてからも途絶えることはなかった。展示されていた「塼仏」の1つは、小さなレリーフなのに、大精舎を中心に108の仏塔が彫られれていた。お見事‼
「経典の世界」
ここには五護陀羅尼経アミダのパネルがあった。「元気な赤ちゃんを産みたい」「長生きしたい」「ヘビに咬まれたくない」「虫に刺されやすい」などの項目からアミダを辿っていくと、五護陀羅尼経に登場するそれぞれに相応しい如来と明妃に当たるというものである。「実は意志が弱い」なんて項目もあってウケた(そういう人には阿閦如来:あしゅくにょらいと読む。何事にも打ち克つことを意味する降魔印を結んでいるからですって。ところで「しゅく=閦」の字がIMEパッドに入っていてオドロキカンゲキ‼ こんな字初めて知ったよ)。
展示されている経典は数が多く小さいので見づらかったが、大乗荘厳宝王経の中の話が絵本のようにパネル展示されていて、わかりやすく興味深かった。ここではインド神話の神様も紹介されていたと思う。

「仏教の広がり」
大理石の白い仏坐像が珍しい。1617世紀のミャンマーの仏塔も一見の価値あり。
「密教の世界」
出品リストでは5番目に記載されているのだが、実際の鑑賞順序に従って行ったら最後にこの章に出た。ここでは仏足石がまず目に入る。デカい。
観音菩薩、文殊菩薩、ターラー菩薩、摩利支天等々、いろいろな仏に会える。
トーハクの身近にあるインドの仏がパネルで紹介されていた。浅草寺のご本尊観音菩薩、徳大寺のご本尊摩利支天がそれ。そういえば、上野を歩くと「摩利支尊天」の文字が目に入るなあと思い出した。

いとうせいこう、みうらじゅんのインド仏像大使がコルカタ・インド博物館を訪ね、福田麻衣がインド各地で仏教の歴史を辿る「インドの仏2500年の謎」という番組を見たが、その一部が博物館でも流れていた。実を言うと、4月に展示を見た後、この番組を見て、もう一度行きたくなっちゃったわけ。

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