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2015年6月19日 (金)

六月歌舞伎座昼の部

614日 六月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
前夜の事情で11時開演はきついので、申し訳ないけれども「天保遊侠録」はパス。この演目、1度見て、2度パスになってしまった。面白いし、橋之助さんの小吉は好きなんだけどな。
というわけで、
「新薄雪物語」
幕が開いてるのに近くからお喋りが聞こえる、遅刻組が大量にがやがやと席に着く…、集中できない。お喋りは係の人が声の出どころを確認して注意してくれたので助かった。でもその後も時々…、そして他からも…、そしてガサガサ紙袋の音も…。直前までわ~んと響くような騒々しさの高校生は幕があいたらぴたっとお喋りやめるのに大人は…。
さて、これだけの大顔合わせだと、やっぱり濃さが全然違う。歌舞伎を堪能するという感じだ。
「清水寺花見」。時様、梅枝クンが華やかな光景にぴったりのあでやかさ、美しさ。梅枝クンは赤姫らしい積極さと恥じらい、可憐さがよかった。錦之助さんも二枚目そのもので、見初めはけっこうドキドキ感があった。時様は可愛くて、姫のために何とかしようという一生懸命さが自由奔放、大らかで楽しかった。菊五郎さんとのコンビはやっぱり最高‼ 菊五郎さんは全体にだけど、とくに声に艶っぽさがあると思った。素晴らしい声だと思った。
奥女中たちにイケ面と間違えられる花山艶之丞は由次郎さん。この名前がちっとも出てこなくて…。澤村はわかってる、田之助さんの弟だということもわかってる、それなのに出てくる名前は「藤十郎」。喉元につっかえた針が取れたのは15分ほど経ってからだった。立役の演じる女形、遠眼鏡、イケ面のはずがとんでもない醜男、とこのあたりはお客のウケがよくて、おばちゃんたちがあはあは笑っていた。
吉右衛門さんと仁左様との絡みは、もう存在感のぶつかり合いで、強烈な歌舞伎の香がした。仁左様のデカいこと、悪いこと、それはもう魅力的であった。吉右衛門さんも本来なら仁左様に負けず劣らず大きいのに、役の上では下っ端。そういう配慮をしつつの悪さがかっこよかった。
ところで、園部左衛門はなぜ薄雪姫からの手紙を落したのだろう。錦之助さん、うまくいかなかったのか、わざと落としたように見えてしまった。
菊五郎さんと奴の立ち回りは楽しかった。これまでにあまりみたことのない技もいくつかあったんじゃなかったかしら。
「詮議」はちょっと眠くなったが、菊五郎さんの捌き役としてのカッコよさが際立っていた。さっきは国崩しの悪役だった仁左様が今度は左衛門の父親役で、薄雪の父親・幸四郎さんに、母親・芝雀さん(きっぱりした感じがよかった)、悪役・彦三郎さん、みんな存在感が大きくて、やっぱり歌舞伎の香、色の濃さを感じた。とくに花道で幸四郎さんと仁左様が話し合う場面なんて、濃い濃い。
ここでの薄雪姫は児太郎クン。ただひたすら耐える場面が多く、難しい役だと思った。こういう時の児太郎クンは体が大きいだけに膝を深く折り曲げ、身をかがめているのが大変そうで痛々しく感じられてしまう、もちろん私の勝手な思い込みだけど。発声がきれいになってきた。
<上演時間>「天保遊侠録」74分(11001214)、休憩35分、「新薄雪物語」花見72分(12491401)、休憩25分、詮議49分(14261515

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コメント

Fujisan様
 夜の部昨日観てきました。今月の歌舞伎座の「新薄雪」、大顔合わせでとても充実していました。但し、昼、夜わけるのは、やや無理があり、夜の部単体でみても、全体の面白さが分かりにくいと思いました。Fujisanさんおっしゃるように、序幕の松嶋屋と、播磨屋のぶつかりあいなかなか見られる機会がないので堪能しました。夜の松嶋屋と高麗屋の競演も同様ですね。
 「鍛冶場」初めて見ました。「鮓屋」とよく似た舞台設定ですが、妙にさらさらして芝居のコクがないのは、台本、時間のせいでしょうか。
  「夕顔棚」、ほんわかとして悪くないですね。これこそ、歌舞伎役者じゃないと、うまくゆかない舞踊でしょう。
 ところで、来月の「牡丹灯籠」楽しみなのですが、玉三郎、松嶋屋の共演以来かと思っていましたが、途中、染五郎、七之助が明治座で出してたんですね。見ていたはずですが、殆ど記憶がないのです。最近、その類の話が多くて困ったものです。

投稿: レオン・パパ | 2015年6月21日 (日) 17時52分

レオン・パパ様
こんばんは。コメントありがとうございます。
私も昨日、夜の部を見たんですよ‼ ニアミスでしたねwink
「新薄雪」を昼夜に分けたのは悪評のようですね。私もどちらかだけを見たら面白さ半減かも、と思いましたが、初めてで夜だけを見た友人は十分面白かったと言っていました(夜の部を勧めておいたのでほっとしました)。全体を知っていると分けることに無理を覚えるのかしら…。
「広間・合腹」は見応えありましたね。こういう顔合わせは歌舞伎座でしか見られない、まさに歌舞伎座の存在意義だと思いました。「鍛冶場」は眠くて…(今月は本当に寝てばっかり)。
「夕顔棚」、楽しかったですね。どんな演目だろうとあまり期待せずにいたのですが、思わぬ拾い物でした。なんて言ったら失礼ですよね。
明治座の牡丹燈籠は私は覚えていますよ~。でも私も忘れることはしょっちゅうだし(忘れるということは、見た時の印象が薄いのかもしれませんね)、最近の悩みはとにかく眠いことです。

投稿: SwingingFujisan | 2015年6月21日 (日) 22時13分

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