« 第21会合同公演 | トップページ | 暁斎の面白さがいっぱい:「画鬼暁斎」展 »

2015年8月17日 (月)

花形歌舞伎役者との饗宴:萬太郎×新悟

815日 花形歌舞伎役者との饗宴(新橋演舞場特設会場 ラウンジ東)
この日の花形は萬太郎・新悟の2人。去年の12月、同様な催し「歌舞伎俳優との夕べ」があった時は残念ながら日程が合わず、だから今回はぜひ行ってみたいと思っていた。幸い、151300というこの回だけ、ピンポイントで参加できたのだった。
食事は金田中かと思ったら、その伝統を受け継いだ演舞場の特製会席だった。その場で料金を支払って生ビールを飲みつつ、1時間食事を楽しむ。
食事の後は2人の素踊り。ビールで眠くならないかとずいぶん心配したけれど、踊りは2人合わせて15分ということもあって大丈夫だった。新悟クンは「黒髪」、萬太郎クンは「外記猿」を踊った。長唄演奏は栄津三郎・五三吉次、唄は三右衛門・三美郎という豪華さ。三右衛門さん、栄津三郎さんには声もかかった。新悟クンは切なさをしっとりと踊り、萬太郎クンは猿回しの様子を軽妙に踊った。2人のニンに合った踊りだと思った。
この後、トークショーだが準備があるということで、司会の関亜弓さんがつなぎとして2人の経歴を紹介した。萬ちゃんのほうが新悟クンより2つ上だったのか(26歳と24歳)。準備もできて登場した2人はスーツ姿。会場にはどよめきが起こった。下手側から関、萬太郎、新悟と並び、水の入ったグラスが新悟クンの左側に2つ置かれていたら、1つを新悟クンが萬太郎クンにさりげなく手渡す。萬ちゃんは照れ臭そうに受け取る。なんか微笑ましい。2人はとっても仲良しなんだそう。
最初の挨拶で萬太郎クンが「暑い中お集まりいただいてありがとうございます」と言ったのに続き、新悟クンが「暑いと言っても最近の乗り物は冷える(まったく同感。南北線、寒くてたまらん)。ここで暖かくなってもらうように、健康にいいトークをしたい」と笑わせる。以下、新悟クンは萬太郎クン、巳之助クンを兄さんと呼んでいたが、ここでは省略。
★今日の踊りについて
:子供の頃から祖母について練習していた。踊っていて楽しい演目。長唄の稽古をしていても楽しい(長唄の師匠は今日の演奏の栄津三郎さんだそう)。
:スイス大使館で踊った演目。大使館には松羽目のような松の木があって、そこで踊ることを父が思いついた。夜だったのでまっくら、客が外国人なのか日本人なのかわからなかった。舞台は外だったし、虫がいっぱい。
7月の国立劇場出演について(萬太郎)
拵えなしで客前に出るのは恥ずかしい。「歌舞伎のみかた」は役と考えてやった。客いじりは一切しないということで受けた。アドリブも一切なし。義経は、つかめない役で難しかった。「そこは義経で」と言われても「それはな~に?」となる。結局お客の中にある義経像にすり寄っていく。技巧としては、目玉は使っちゃいけない、鼻で見る。
★今月の歌舞伎座出演について(新悟)
3
部とも出ている。変態のダンナ(「京人形」の左甚五郎:勘九郎)が待っているのでこの後、歌舞伎座へ戻る。「おちくぼ」では阿漕を演じていて、ダンナ役の巳之助さんを尻に敷けて楽しい。活発な女なので発散できる(女方はやっぱり辛抱が多いから、発散できる役は楽しいんだね)。巳之助さんは「朝から新悟に犬呼ばわりされてる」と言うが、僕は巳之助さんに馬呼ばわりされています。とにかく阿漕はヒステリックに演じているのでそう見えればいい(阿漕ってそんなヒステリックだったっけ?)。
★共演について
:萬太郎さんが初めて相手のある役をやった時(平成22年大阪の平成中村座、「俊寛」かな?)の相手が僕。僕が萬太郎さんの<初めて>を奪った。
:親とも兄とも違う劇場でやったのは初めて。勘三郎さんとの共演も初めて。
:同世代との共演は初めて。いかんせんおとなしい二人なので、あまり遊びに行かなかった。(→子供の頃の話に)子供の頃、萬太郎さんは歌舞伎座破壊計画を立てていた。旧歌舞伎座の壁の剥がれを広げたりして…。
★演舞場の思い出
:兄・梅枝の義経で「船弁慶」の舟子をやった(200611月か)。大人になった気分がした。
:演舞場では萬太郎さんとの共演はない。
:あったよ。
:じゃあ、あったんでしょう。
:いい加減だなあ。
★ブログの性格は2人正反対だということについて
:僕は巳之助さんの影響です。萬太郎さんみたいに真面目なのは書けない。→(仲良しの話に)結婚するなら萬太郎さん、恋人にするなら巳之助さん。巳之助さんは楽しいから。
:僕は楽しくないの?
2人で共演したい役
新:「夕鶴」。萬太郎さんは純朴だから絶対に合う。
萬:「鳴神」
新:巳之助さんからも同じこと言われてる。
萬:新悟がどっちを取るか。
新:ダブルキャストは?

★阿毛斗について(新悟)
初めてづくしの役。歌舞伎では体験できないようなことがいっぱいやれた。立ち回りとか。性格は女だが、女の部分を捨てている。はじめは女の声を出していたら、七之助さんや染五郎さんにこうしたらと言われた。(関さんは「みんなごはんだよ」がとてもよかったと言っていた)
4月中日劇場について(萬太郎)
「新八犬伝」では信乃の役をやった。芯に立つと、弟子たちに怪我をさせてはいけないし、まわりを考えるようになる。「雪之丞変化」でも激しい立ち回りを経験した。昼の部は「むく犬の源次」の役で、米吉クンと芝居をしたのは初めて。普段一緒にならない人たちと座組で楽しかった。アドリブを入れやすい役だが入れるとめちゃくちゃになるので控えた。ただ、女子高貸切の日はやりたい放題やった。
★アドリブについて(新悟)
「阿弖流為」で亀蔵さんが鮭のパスを始めた。真面目な役なので井上さんに相談したら、阿毛斗のままでやればいいよと言われ、客席に鮭を投げた。
★今後の出演について
:(南座のチラシ見て)なんでタートルネックなの?
:俺もびっくりした。ヤギ(萬ちゃんの役)だからかと思ったら狼(獅童)も白タートルだった。
:今年は中村屋兄弟とずっと一緒。1011月の大坂平成中村座では千鳥をやる。
★お互いについて
:新悟は大きな存在
:<見た目>的に…(と2人立つ)
:慕ってくれる。
:何でも助けてくれる。「趣向の華」でストッキング忘れた時に借りた。今日は襟留めが見つからなくて借りた。
<Q&A>
★歌舞伎役者になってよかったこと
:舞台の上でしか見えない景色がある。役者だけのもので、他に代えがたい。
:大学に行かなくて済んだ。
歌舞伎役者になってこんなはずではなかったということ
:休みがない。定休日がない。今月は久しぶりに休みで旅行に行ってきた。しかし休み中も体験教室がある。体験教室は楽しい。
:勉強できるはずだったのに…歌舞伎のせいにしちゃいけませんね(本当は大学に行きたかったのかもね)。
★失敗は?
:セリフを忘れることはある。中村屋との巡業でトークの時、チャック全開だったことがある。
:正月(2012年)の中村座「お染の七役」で同じセリフを2度言ってしまい、ふっと気づいて兄に「あ、ごめん」と言ってしまった。あとで兄にすごく怒られた。こわかった…。
★新悟さんの壁ドンを見たいという客のリクエストに新悟クン、「隼人さんにお願いしてください」
★至福の時は
:姪の相手をしている時。おんぶも抱っこも。動物園や水族館に連れて行く。
:寝ている時。食べるのも好き。今月1部で引っこんでいる時、昼に何食べようかなと考えるのが楽しみ。あ、舞台に出ている時は考えませんよ。
★体調管理は
:ガマンしないこと。
:健康に神経を使うとかえってストレスになるので、やっぱりガマンしない。
★まとめ
:日々精進。休みなく舞台に出るので応援よろしく。
:今年の充実を無駄にしないようにしたい。新作は歌舞伎の間口を広げるが、古典でもおもしろいと思ってもらえるようにしたい。

以上、大変面白いトークだったので、自分の記憶のために長々と書きました。お読みくださった方、ありがとうございます。
<タイムテーブル>食事60分(13001400)、舞踊15分(14001415)、トークショー30分(14151500

|
|

« 第21会合同公演 | トップページ | 暁斎の面白さがいっぱい:「画鬼暁斎」展 »

歌舞伎ミーハー日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 第21会合同公演 | トップページ | 暁斎の面白さがいっぱい:「画鬼暁斎」展 »