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2015年9月21日 (月)

9月は上野で:「クレオパトラとエジプトの王妃展」

919日 「クレオパトラとエジプトの王妃展」(東京国立博物館)
150921egypt1 ゆうれい展の帰りに行こうと思って挫けたこの展覧会も会期が23日までということで、もうこの日しかなく、やはり駆け込み気味で出かけた(もちろんめぐりんバスで)。会期末、連休初日の土曜日午後で混雑も懸念されたが、人はそこそこ多かったものの全体的にはじっくり見ることができた。でも、壁際のケースに展示されていた小さなアクセサリーたちには、「鳥獣戯画」とは言わないまでも結構な行列ができていて、係の人の配慮を促すアナウンスがあってびっくりした。
古代エジプトについては色々な展覧会があるが、女性を中心としたものは珍しいんじゃないかしら。
展示は「第1 王(ファラオ)をとりまく女性たち」「第2 華やかな王宮の日々」「第3 美しき王妃と女神」「第4 権力をもった王妃たち」「第5 最後の女王クレオパトラ」の順だが、第1会場入り口には作品リストの最後、「No.181ダニエル・デュコマン・ドゥ・ロクレ作のクレオパトラ像」がまず展示してあった。左側を下にして上体を起こし右手首に毒蛇を絡みつかせた、クレオパトラ自死の場面の美しい青銅像である。
ついでだから先に第5章について述べると、私にとってクレオパトラ(7世)=エリザベス・テーラーで(映画は見ていないんだけどね)、彫像のクレオパトラはその知的な美しさでリズに似ていなくても違和感ないのに絵画に描かれたクレオパトラはちょっと違う…と思ってしまう。クレオパトラの真実はわかっていないだけに、伝説的な虚像が1人歩きをしているようで(リズ=クレオパトラもそうだね)、それはそれでロマンだが本当の姿を知りたいと思う。
カエサル、アントニウス、オクタウィアヌスと、クレオパトラと関わった3人のローマ将軍の頭像が展示されていたが、なるほどそれぞれの人となりを表しているような気がして興味深い。(人となりなんて知らないんだけど、なんとなくイメージとしてね)。
展示されている彫像には上体や頭部が欠損しているものが多々あったが、その彫像彫像がちょう

彫像が誰を表しているかが明確にあるいは「~と考えられる」として明らかにされている。それはヒエログリフが解読されたからに他ならないだろうと考えると、エジプト学のすごさに感嘆せざるを得ない(広大な遺跡から膨大な出土品を収集し、破片から物体を再現することも含めて)。と同時に、何でも詳しく書かれたエジプトの記録にも感心してしまう。
国王(ファラオ)を取り巻く女性たちは「王の母」「王の妻」「王の娘」のいずれかであった。当然ながら「王の母」は絶大な権力を誇ったことであろう。中王国時代(BC2025BC1794頃)には「偉大なる王の妻」という特別な称号が与えられた女性が現れる。それが王の正妃である。ということは、中王国以前は正妃という地位はなく、上述の3つの地位のみであったわけだ。正妃は王位継承者である王子の母でもある。新王国時代(BC1550BC1069頃)には「王の娘」の中からも「偉大なる王の妻」が現れる。古代ではありがちとはいえ、ちょっと衝撃的だが、それはエジプト神話との関連というかエジプトの宗教的概念に基づいているようである(オシリス神はイシス女神の夫でもあり兄でもある、ハトホル女神は太陽の娘であり妻である)。古代エジプトのことを知るにはエジプト神話を知る必要がある。
国を統治した女性もいた。中でもハプトシェプスト女王は頭巾をかぶり髯をつけた男装で彫像に表されている。彼女のことは知らなかったのでもっと知りたいと思った。
こういう歴史の解説とともに展示品を見ていくので、わかりやすく楽しい。ただ、いかんせん、名前がめんどくさい。王妃ヘテプヘレス、王妃ネフェルトイリ、王妃イシスネフェルト、王妃ビントアナト、王妃イアフヘテプ、ハトシェプスト女王等々。せめてティイとかイシスくらいならね~。
ネフェルティティとも言われるかの有名なネフェルトイティは「美しい人の訪れ」という意味であるとのこと。クレオパトラよりきれいだったのかな、なんて下世話なことを考えた。
点数は181点と多かったものの、アクセサリーなど小さいものもたくさんあったので、意外と疲れなかった。古代エジプトが今も人々の心を捉えているのがわかる展覧会であった。
150921egypt2 1
階の撮影コーナーには、ファラオの帽子やぬいぐるみの蛇などが備えてあり、エジプトに行った気分でどうぞということだったが、1人で行った私はただこのような背景を撮ったのみ(つまんない~)。

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