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2015年11月10日 (火)

10月分①:伊勢音頭恋寝刃

1022日 「伊勢音頭恋寝刃」(国立劇場大劇場)
15日にチケットをとってあったのだが、歌舞伎座夜の部のチケットをいただいたので、安い3階席だとついチケットを無駄にしてしまうのはいけないなと思いつつ、急遽1週後の22日に変更した。
がっかりするほど空席が目立っていた。3階でこんなにガラガラなんて…。Webでは選べる席が実際より少なかったような気がしたけどな。私は11列目の通路際で後ろに12列目がない座席にしたんだけど、私の列は他にだ~れもいなくて拍子抜けした。3階席では携帯の電源、上演中の撮影・録音禁止などの注意事項が英語でもあって、びっくりした。初めてじゃないかな、英語の注意は。
序幕
梅丸クンのお岸が可愛い。今田万次郎に寄り添う姿なんか、初々しくて本当に愛らしい。高麗蔵さんのしょうもない万次郎が素晴らしい。自分が蒔いた種なのに他人事みたいな感じなのもいいし、周囲が放っておけなくなるのもわかるようなおっとりぶりである。これまでで一番万次郎らしい万次郎のような気がした。
亀鶴さんは真面目で忠実な奴・林平のニンに合っていると思った。林平、大蔵(錦弥)、丈四郎(梅蔵)の追駈は1階のお客さんたちはけっこうウケて喜んでいたが、面白さはそこそこというところだろうか。何しろ以前に松竹座で見た愛之助・松之助・當十郎トリオがめちゃくちゃ面白くて私の中では最高なのだ。やっぱり上方のとぼけた味は上方の役者さんじゃないと出せないのかもしれない。
梅玉さんの貢が朝日の光で密書を読む場面は、それまで暗くてじりじりしていたから、すかっとする。客席からも思わず、という感じで拍手が起きたから、みんな貢の気持ちに同化していたのだろう。貢は武士ではないが強い(元武士だったっけ?)。しかしここでは大蔵・丈四郎の刀を奪うが、殺しはしない。油屋での殺しが貢の本意ではないことへの伏線のように思った。
二幕目
開幕前に、「笑い声や拍手はけっこうだが、大きな音は出さないように、とくに静かな場面では」という注意があった。後ろでお喋りがうるさかったから誰かが注意をお願いしたのかも。
55年ぶりの上演という「太々講」は、以前に見た話を思い出させた。「旭輝黄金鯱」の「御師大黒戎太夫内」。ちょっと似ているような…。
正直太夫という名前がおかしい。まったく正反対のとんでもない男なんだもの。
貢がお紺(壱太郎)を叔母と偽るのにはかなり無理があるなあと思っていたら(「ああ見えても50は過ぎている」って…)、お芝居の中でもさすがに無理という感じで、彦太夫(錦吾)に疑われていた。ではあるが、この場面、案外あっさり終わってしまって、今一つ面白みが活きていないような気がした。
この後、貢の本当の叔母(東蔵)が出てきて大活躍。正直太夫をやり込めるところは安心して可笑しさを味わった。

銅脈の金兵衛の役で寿治郎さんが登場して嬉しかったが、寿治郎さんが彦太夫だったらもっと面白かったかも、なんて思ってしまった(錦吾さん、ごめんなさい)。錦吾さんの真面目さと役のギャップの面白さはあるものの、やはり翫雀さんじゃなかった鴈治郎さんの上方的可笑しさとのバランスは寿治郎さんのほうがよかったんじゃないかな。上方のお笑いは江戸の役者には難しいのかも(去年、彌十郎さんが松竹喜劇にゲスト出演した時も馴染んでいなかった。藤十郎さんに言わせると鴈治郎さんも上方の味は出せていないようだけれど、比較すると差はあると思うな。)
それはそれとして、「太々講」はチャリ場としての面白さもあるし、刀の経緯がよくわかるので、時々でも上演してほしいと思った。
大詰
高麗蔵さんの万次郎が久々に登場。ここは出番が短いのだけれど、やっぱりこの万次郎はとてもいい。梅丸クンのお岸も愛らしい。お岸が余計なお世話を焼いたばっかりに…という苛立ちも梅丸クンならしょうがないか、というのはひいき目かしら。
松江さんのお鹿が意外な可愛さでびっくりした。貢への思いも一生懸命で、万野に利用されたことが哀れであった。松江さんがこんなに女方にぴったりはまるとは、歌舞伎役者ってすごい。
壱太郎クンのお紺は華があった。愛想づかしの奥に悲しみが籠っていて、その悲しみは貢への愛だということが伝わってくる。壱太郎クンの成長を見た思いがした。
たいていの貢は凛然とした二枚目だが、梅玉さんの貢はそれに柔らかさがうま~く加わって、貢というのは本当はこういう人なのかもしれないと思った。怒りを抱えて花道を去る貢の気持ちを思うと辛かった。殺しの場面では、貢が刀に魂を奪われ、刀に操られて斬っているというのがよくわかった。
万野の魁春さんは、勘三郎さんや玉三郎さんのような愛嬌を一切入れず、この女本当に根性悪いわ~というところを見せた。この万野も好きだ。
伊勢音頭の踊りは久しぶりに見たような…(そうでもない?)。大好きな玉之助さんも踊ってる‼ 春希クンはやっぱりうまい。
本当はもう一度見てもいいかなあと思ってたんだけど、日程が無理だった。
<上演時間>
序幕60分(12001300)、幕間35分、第二幕45分(13351420)、幕間25分、大詰85分(14451610

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