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2015年11月13日 (金)

10月分②:第16回研修発表会「伊勢音頭恋寝刃」

1024日 第16回伝統歌舞伎保存会研修発表会「伊勢音頭恋寝刃」(国立劇場大劇場)
この日、早くから法事を計画していて、亀鶴さんが貢なのに見られないじゃないとがっかりしていたら、開演が18時(そういえば、いつもそうだったっけ)。それなら十分間に合う。どころか、間に合い過ぎちゃって1時間も並んだ。中に入ってみればギリギリに来てもけっこう席はあるんだけどね(2階、3階なら余裕)。土曜日ということもあるのか、先日の本公演より席が埋まっているような気がした。
以下、お楽しみ座談会を中心に(だらだらと書きます)。
「お楽しみ座談会」
梅玉さんの挨拶の後、葛西アナが登場して、魁春、東蔵、松江、壱太郎、鴈治郎の順に紹介し、一呼吸あり。すると梅玉さんが「自分も自分も」という感じで自分を指さす。挨拶があったから葛西アナはスルーしようとしてたのね~。
梅玉:「伊勢音頭」は国立劇場で初めて取り上げられた。(「梅玉という名前とともに貢は」との葛西アナの言葉を引き取って)貢は襲名披露で演じた。
葛西:国立劇場と同い年の人がいる。
松江
:自分は196538日生まれで、その年の秋、国立ができた。だから国立何周年というと自分と一緒。
魁春:「伊勢音頭」ではこれまでお岸、お紺をやった。(葛西アナの「女方の出世」に対して)、万野は私の役じゃないが、性格は似ている。
梅玉:兄貴をよくいじめてくれる。
葛西:東蔵さんは役の幅が広い。
東蔵:林平、万次郎、お岸、お鹿をやっている。貢と万野という大事な役だけやっていない。
葛西:(鴈治郎さんに対し)先ほど、4代目とつけたが、今回は襲名披露ではない公演。
鴈治郎:本来なら名古屋で襲名だが、御園座がないのでこちらに誘ってもらった。自分も東蔵さんと同じだけの役をやった。
壱太郎:伊勢音頭に出るのは初めて。声をかけてもらい、慌てて勉強した。魁春さんから教わった。稽古の中で梅玉さんからも教わった。鴈治郎:私はまだお紺はやっていない。
葛西:梅玉さんの襲名披露は豪華だった。
魁春:今回は先に壱太郎さんのお紺が決まったので私は万野しかなかった。
壱太郎:僕は深い事情は知らず、ただ頂いた役をやるのみ(苦笑)。
梅玉:親を褒めるのもなんだが、素晴らしい万野だった。梅幸のおじさんがお紺、天王寺屋がお鹿。貢は責め立てられてか~っとなっていくので、まわり次第。襲名は梅玉がよく見えるようにしてやろうという先輩たちの気配りを感じた。貢役は成田屋から東京の型を教わった。稽古では父が色々言ってくる。奥庭は江戸式は花道から出る。上方式は丸窓から出てくるが、上方式のほうがインパクトがあるので、ここは上方式でやっている。亀鶴さんは上方の人なので上方式でもいいと思ったが、自分と同じ型でやる。

葛西:東蔵さんは油屋には出ていないが、あの場面で貢と刀との関係がわかった。
東蔵:あの場は見たことがない。青江下坂の謂れを長々と喋るのでちゃんとしないとわからなくなる。セリフが多い。
梅玉:刀に振り回されているのは今回、スタッフの意見。これまでは「ここまで人を斬っちゃったらしょうがない」という感じでやっていたが、今回は妖刀だと説明されているし、刀が主役なので、刀に操られているふうにした。
葛西:太々講は53年ぶり。松江さんの生まれる前。
鴈治郎:自分も見たことない。祖父は太々講だけ独立してやった。台本に書き込みが全くない。付帳が残っていたのでそこから想像した。
葛西:四代目襲名のさなかに復活できた。それを息子さん世代に見せることができた。
壱太郎:これから伊勢音頭にかかわる時に糧となる。
葛西:お父様は万野について何か書き込みは?
魁春1回しかやらないと言っていたのでほとんどない。怖さを出す。
葛西:歌右衛門さんには誰も文句言えないけど、魁春さんだけ言えたと聞いている。
魁春:しつこいから。「ああ、そうですか‼」と言うだけ。
東蔵
:お鹿、林平は延若さんと仁左衛門さん(十三代目)に教わった。十三代目は貢をやるので、芯の人がやりやすいようなやり方を教わった。
松江:お鹿はやりがいのある役。客を笑わせるのではなく、女郎であることを意識してつとめている。父が3回やっているので父に聞こうと思ったが、田之助さんに聞いた。
東蔵:自分のはあまりよくないとわかっている。田之助は女方のやり方。立役をやる人は笑わせるところがある。自分のやり方はないまぜで参考にならない。
壱太郎:耐える役、縁切役、おなかの中と言っていることが違う。客にわからなくてもわかりすぎてもいけない。難しい。
鴈治郎:喜助、正太夫と全く違う役。江戸型でやっているが、引っこみだけ「アホめ」と言わせてもらっている(私、このセリフ聞いていたのに、まったく気がつかなかった。「バカめ」と言ったようにすら思っていた)。

この後ももっとトークが続いていたような気がするが、メモ取り疲れか、ここで途切れているので、おしまい。

「伊勢音頭恋寝刃」
亀鶴さんが花道に現れた時、ドキドキした。亀鶴さんは表情に翳があるのがよくもあり、もう少し明るくてもいいかなと思いもし…。万野の鴈之助さんのセリフがはじめ怪しかったのでハラハラしたが、亀鶴さんは慌てずうまくこなしていたと思う。「万野呼べ」で羽織を脱ぎ捨てるが、そこに込められた怒りが伝わってきた。ただ、扇を破る仕草にはもう少し強い怒気がほしかった。耐える演技は亀鶴さんの表情が活きた。「女の相手に…」で悔しさ、ぐっと怒りをこらえるつらさ。妖刀に操られる様子が鮮やかに強調されていて、特に奥庭はよかった。
万野の鴈之助さんはハラハラな場面もあったが、とても大きな万野で、それだけに怖さがあった。こういう万野は初めて見た。いい万野だったと思う。
梅丸クンのお紺、めちゃくちゃ可愛い。幼く見えなくもないが、愛想尽かしなんか堂々としていたし、哀しみも貢への思いも切々と伝わってきた。
お岸が春希クンだったのは嬉しかった。喜助は錦弥さんで、かっこいい。本公演の杉山大蔵よりニンだ。さっきの座談会の後なので「アホめ」はしっかりチェックした。
みんな1回勝負なので、満点というわけにはいかないだろうが、それぞれの役を真摯に堂々と演じているのが気持ちよかった。
<上演時間>座談会30分(18001830)、幕間15分、「伊勢音頭」90分(18452015

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