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2015年12月 8日 (火)

11月分②:アート オブ ブルガリ

1119日 アート オブ ブルガリ(東京国立博物館表慶館)
151208bvlgari 宝石にはほとんど興味がないのだけど、行ってみたらアクセサリーとしての宝石には相変わらず興味は湧かなかったものの(第一、手が出ない)、アートとしての宝石ってこんなに鑑賞価値があるんだと感銘を受けた。もっとも、これは「ぶらぶら美術館」での予習のおかげでもあるけれどね。以下、自分の記憶のためにもぶら美で得た知識の受け売りで。
ブルガリは、ギリシア人である初代ソティリオが1884年ローマに出店したところから始まる。世界にはショーメ(1780年~)、ティファニー(1837年~)、カルティエ(1847年~)などのグラン・メゾンと言われる宝石の名店があるが、新参者であるブルガリは1950年以降に急速にグラン・メゾンの中に入る。その理由がわかる展覧会であり、ブルガリ130年の歴史を時系列に並べたこんなに大々的な展覧会は初めてらしい。
初代はギリシア風の衣装に古代のコインを利用したアクセサリーを作る。次男のジョルジョはパリに勉強に行き、1920年代からは2代目としての時代を作る。当時のパリはアール・デコ調(直線、幾何学模様)、ベル・エポック様式(ダイヤ、真珠、プラチナだけの白い色使い)最盛期で、ジョルジョもそれに添ったアクセサリーを作っている。しかしテクニックとしてはうまくて、爪が表に見えていない。
ブルガリの特色①:カボションと色使い
ブルガリのアクセサリーは、それまでにない石の組み合わせやカボションという頭みたいな形のデザインで、宝飾界の常識を破ったそうだ(カボションは1930年頃から)。カボションというのは石に多くのムダが出るデザインで、高い石には使われないのに、ブルガリはこれが大好きでよく使っている。
1965
年のビブネックレスはトルコ石とアメジストを使い、色は5色。グラン・メゾンはこんな安い石は使わない。しかしブルガリは高い安いに関係なく、色がきれいという理由で使った。ヘタをすると下品になりかねないその色使いは確かにきれいで(つまり、下品にはなっていない)、だがそれらは、顔立ちの華やかな人にしか似合わなそう。実際、展示されたそれぞれの宝石と一緒にそれをつけた女優やモデルの画像・映像が紹介されていたが、みんな大づくりな顔立ち、肉感的な美女ばっかり。懐かしい女優さんたちに会えて、私としてはもうウッキウキ。ジーナ・ロロブリジータ、ソフィア・ローレン、アニタ・エクバーグ、モニカ・ヴィッティ、イングリッド・バーグマン…。日本人いないだろうなあと思っていたら、いた‼ 宮沢りえだ。さすがにとてもきれいで2枚ほど写真があったかな。さらに、なんと夏帆もいた。私の印象ではややおとなしめな顔立ちなんだけど、意外にもブルガリがよく似合っていた。日本人はこの2人だけ。西欧の派手な顔立ちに比べるといくぶん控えめな華やかさが品の良さを強調しているようでよかった。
ブルガリらしさは、このビブネックレスから始まる。

ブルガリの特色②:セルペンティ
1966
2代目ジョルジョが亡くなると、3代目ニコラ、ジャンニ、パオロがブルガリを継ぐ。3代目はセルペンティを世に出す。セルペンティは蛇のことで、ヨーロッパでは古くからモティーフとして使われており、自分の尻尾を口に咥えている形(ウロボロス=永遠)が一般的。しかしブルガリのセルペンティは3重くらいにとぐろを巻いている(とぐろって言うとちょっとグロくて語弊があるかな)。巻いている部分にばねが入っているそうだ。私は蛇がだいっきらいだからか、いくらブルガリの力量、代表作でもセルペンティはアートとしてもご遠慮したい。
ブルガリの特色③:コイン
もう1つの代表的なのは古代ギリシア、古代ローマ、ビザンチン帝国のコインを使ったモネーテというアクセサリー。初代がやっていたことを3代目が復活させたんだね。
さらに海外進出に伴い、日本で感銘を受けたデザイナーによる富士山(1971年)やブッダのアクセサリーもあり、外国人受けしそうだと思った。1980年のビブネックレスは65年のビブとはちょっと趣が違う。周囲は金ではなく安いシトリンという金属、色は6色。ここにも「ブルガリの高い安いではなく色がきれいなものを使う」という精神が表れている。
ブルガリの特色④:その他
・パヴェ(細かいダイヤを敷き詰める)をしない。
・枠に合せて石を入れる:通常アクセサリーの枠は石に合わせて作られるが、ブルガリは枠のデザインを先に決める。つまり、それだけ石の選定もきびしく、贅沢なわけだ。

最後は特別コーナーでエリザベス・テーラーとブルガリ。リチャード・バートンがリズに贈ったというエメラルドの指輪。エメラルドは中に亀裂がたくさん入っることが多く、それが白い点に見える。それを見えなくするためにサラダオイル等の油に漬けるんだそうだ。一晩経つと油が浸透してきれいな緑色になるんですって。でも油だから熱に弱く、経年的に元の白に戻ってしまう。しかし、このリズのエメラルドはそういう亀裂がない。2002年、リズはエイズ撲滅のオークションにこれを出品し、2011年クリスティーズのオークションでブルガリが約1億円で買い戻したそうだ。ちなみにリズが亡くなったのは2011年。ブルガリが買い戻したのはリズが亡くなる前だったのか後だったのか。
エメラルドといえば、私にとってはショーケンにほかならず、あの歌によってエメラルドへの憧れが秘かにあったのだが、実際に見てみると、私はエメラルドよりサファイアのほうがずっと好きだということに気がついた(やはりバートンが贈ったサファイアのネックレスがとてもステキなんですもの)。
アクセサリーとしての宝石には興味がないとはいうものの、ブルガリが似合う人がちょっと羨ましく、それはハナから無理にしても、せめて「ブルガリつけてみたいなあ」とくらいは言ってみたくなってきた。
なお、この展覧会は11月29日で終わっています。

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