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2015年12月15日 (火)

11月分④:顔見世歌舞伎

1121日 顔見世大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
11月は初日に夜の部を見たので昼の部のほうがずっと後になった。
「実盛物語」
染五郎さん初役の実盛、爽やかな役者さんなので期待したが、確かに爽やか。それだけに、重みに欠けるのが残念であった(声のせいなのかなあ、と思ったりもした)。
亀鶴さんの瀬尾は、意外に老け役が合っている感じがした。太郎吉の刀を自らの腹に差し込んだ時、うるっときた。瀬尾の勇猛さ、座ったままのトンボのかっこよさ、戻りにも感動した。
児太郎クンの葵御前は、はじめ身重というよりは病気に見えてしまった。生まれたばかりの赤ん坊の前に生首を置く場面に、<戦>の時代であることが強く印象づけられた(これまで何回も見ているのに、なんだか今回はそう感じた)。ラスト、葵御前が我が子に愛情深いまなざしを注ぎながら太郎吉に向けていた目に「この子が家来となって将来我が子を守ってくれる」という意識が見えるような気がして、なかなかよかった。
「新三」では見られなかった菊十郎さんが庄屋役、わずかな出番に存在感があるのはさすがだ。お元気そうでよかった。
「若き日の信長」
全体を通して信長の孤独感が漂っていた。広い世界に憧れる信長の気持ちがよくわかる。じい(平手中務)への思い、恨み言――根性相容れず、ついにわかり合えぬまま自害してしまったじいの死、信長の嘆きは切々と胸を打った。孤独感、激情、冷徹さ、冷酷さ、すべて海老蔵さんでなければ、海老蔵さんでこそ、の信長であった。
孝太郎さんは前半声がとてもきれいだった。いつもはちょっとべたっとした感じがあまり好きでないのだが、今回は透明感さえあった。後半やや普段に戻った感じがあったのがちょっと残念。それはそれとして、自分の強い意志を持った女性として弥生を演じていたことに共感を覚えた。
そっと信長を見守る松緑さんの藤吉郎に信長の心に寄り添っている感じが溢れていて、よかった。
左團次さんの中務は重厚で剛毅実直な古武士の風格がぴったり。脇を固める市蔵さん、右之助さんといったベテランに亀寿さん、九團次さん、廣松クンの若手がそれぞれ<らしさ>を出していて、面白かった。


さて、「御所五郎蔵」はパスして、この後、花道会の歌舞伎セミナーへ。パスはもったいないという思いもあったけれど、今回のセミナーは亀鶴さんなんだもの。そもそもあまり好きな演目ではないのと、たまたま信長が終わってすぐに会場(歌舞伎座内「花篭」)に駆けつければ間に合うのとで、思い切って五郎蔵を切ることにしたのでした。
<上演時間>「実盛物語」82分(11001222)、幕間30分、「若き日の信長」83分(12521415)、幕間20分、「御所五郎蔵」77分(14351552

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