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2015年12月

2015年12月31日 (木)

113番目

今年最後の嬉しいニュース、日中車の中で聞いて、「おおっ、やったぁ」と叫んでしまった。
113番目の元素の命名権を日本が得たというニュース。
この元素が理研で確認されたことを知り、理研一般公開日に見学に行ったのが2007年4月。リームリーダーの森田先生ご自身から色々お話を聞けたのだった(→当時のレポ)。だから、とっても嬉しい。実際に名前が決まるのは1年後なんですって。「名前の候補は考えていない。あっても言えない」とおっしゃる森田先生はさすが。どんな名前になるのか楽しみ。ちなみに、うちのトイレには科学技術広報財団が2005年に出した元素周期表が貼ってあって、そこには2004年に理研で発見されたとして113番目の元素も載っている(もう10年以上経つんだ…)。

さて、12月分も積み残しがいっぱい。反省していますが、なかなか頭が気持ちが働かない…。年が明けたらなるべく早く、と思っております。

1年間ありがとうございました。

ジルベスター、ぴったりいくかな。あと3分弱。

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2015年12月26日 (土)

オリジナルとは違うけど面白かったThe Man from U.N.C.L.E.

129日 「コードネームU.N.C.L.E.」(MOVIX川口)
スパイものの中で一番好きなのが「0011ナポレオン・ソロ」シリーズ。そのソロとイリヤが帰ってくるというのでこれは絶対に見なくちゃ。だったのだが、昔の「0011」とは全然違った(「ミッション・インポシブル」みたい?)。
ソロが盗みの天才? 4カ国から指名手配されてアメリカに逮捕された? 特赦と引き換えにCIAのスパイに? オリジナルのソロもそうだったんだっけ? そんな記憶ないなぁ…。
イリヤがデカい。怪力(一瞬007シリーズのジョーズを思い出しちゃったよ)。サイボーグか?って姿かたち。ソロはともかくイリヤは昔のイリヤと全く違う。金髪さらさらでやや小柄なデビッド・マッカラムのイリヤをだ~い好きだった私としては本当にがっかり。ところが、見ているうちに意外とハンサムで(アーミー・ハマーって知らなかったから)純粋、かわいいことに気がついた。
ウェーバリーがこれまた、全然違う。昔のレオ・G・キャロルはおじいさんだった。今回はヒュー・グラント。えっ、ヒューってこんなに年とっちゃったの? もっとも私が見たヒューの映画は1999年「ノッティングヒルの恋人」と2003年「ラブ・アクチュアリー」だけだから、その変化に驚くのも無理はない。それはそれとして、レオ・G・キャロルのウェーバリーがとてもいい味を出して強烈に記憶に残っているので、今度の配役にはかなりのショックを受けたわ。まあ、オリジナルシリーズとは別物なんだからと割り切って見ると、かなり面白い。仕事上の夫婦なのに純情イリヤがちょっと惚れてしまうギャビー(アリシア・ヴィキャンデル)も可愛い。1960年代の話なんだが、スピード感が現代なので、時々時代感覚がおかしくなった。でもわくわくした。最後はやっぱりイギリスってなあ…って感じ。
反りの合わない(もそうだが、CIAKGBで敵対している)ソロとイリヤがやむを得ずコンビを組む…オリジナルとは違っても、これはシリーズ化してほしいな。オリジナルでは、ニューヨークの古ぼけた洋服屋にUNCLE本部に通じる秘密の入口があって、その洋服屋が半地下になっているのが私はとても気に入っていたのだけど、その辺は今後シリーズ化されるなら復活してほしい。でもあの洋服屋はレオ・G・キャロルの雰囲気で、ヒュー・グラントではないかもね。
オリジナルはハヤカワポケットミステリで揃えたものだけど、どこにいっちゃったかな。ひょっとしたらもう卒業しようと思って捨てたかも。あとで捜してみようっと。
<上映時間>116

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2015年12月25日 (金)

藤田嗣治の戦争画:MOMATコレクション

128日 MOMATコレクション~藤田嗣治、全所蔵作品展示(東京国立近代美術館)
ニキの後にハシゴしようかと思ったけど、家庭の都合で翌日になった。あんまり家にばかり閉じこもっていると認知症が進行しそうだから、別の日に出かけるのもいいかなっていうのもあって。
近美が所蔵する藤田の作品25+特別出品1点をはじめとするコレクションは非常に見ごたえがあり、藤田だけちゃちゃっと見てしまうつもりだったのがかなりの時間をかけて見るだけの価値があった。以下、今回は藤田嗣治の作品についてのみ。それも主に「アッツ島玉砕」について。
構成は「パリの異邦人」「日本へ」「戦争画」「戦後」「美しい書物」。1913年にパリに渡ってから苦しい生活を続けた藤田だが、独特の乳白色の肌によって1920年成功を収める。乳白色の肌は以前に箱根のポーラ美術館で堪能した。
第二次大戦の戦火を逃れて日本に帰国した藤田は軍の依頼で戦意昂揚絵画を描く。そのため終戦後、戦争協力を弾劾されて再びパリへ渡り、以来二度と日本の土を踏まなかった藤田。その戦争画は果たして本当に戦意昂揚絵画だったのだろうか。あくまで私の印象だが、少なくとも「アッツ島玉砕」を見てそんな感じは受けなかった。藤田には画家として戦争をどのように描くか、そこには芸術家としての目(プラスこの絵を見る人たちの感動を呼びたいという欲求)しかなかったのではないだろうか。戦意昂揚絵画を描かせたかった軍と戦争画を描きたかった藤田の双方の意図が一つになり、互いにチャンスを利用したのではなかったか。「メデューズ号の筏」や「地獄のダンテトとウェルギリウス」を下敷きにしていると言われているのも、藤田の戦争画に対する意欲を思わせる。
この絵は藤田の想像によるものだそうだが(玉砕の島を実際に見られるわけがない)、攻撃命令を叫ぶ山崎大佐の表情は悲しげで、画面全体からも戦争の強烈な悲惨さよりも悲しみが押し寄せてくる。と言って、反戦の意識はまったく感じられない。
藤田を擁護するわけではないが、軍の依頼を受けて戦意昂揚絵画を描いた画家は藤田だけではなかったにもかかわらず、藤田1人に全責任が押し付けられたのは納得いかない。藤田の失望や、察するところ余りある。二度と日本に帰らなかった藤田だが、日本人であることをより意識し、日本の文化や風土を懐かしむ日も多々あったのではないだろうか。藤田嗣治監督の「現代日本 子供篇」という映画を見ると(この映画が制作されたのは昭和10年であるが)、何気ない子供たちの1日、遊びを追った藤田の目にそういうものを感じるのである。
「美しい書物」ではポール・クローデルなどの本に描いた藤田の挿絵が見られた。
この展覧会も1213日で終了しています。藤田嗣治という人は興味深い。もっと早く行ってもう一度見たかったなと思う。
 

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2015年12月24日 (木)

すっごくよかったニキ・ド・サンファル展

127日 ニキ・ド・サンファル展(国立新美術館)
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月は美術展から。
ニキの名前も知らなかったし、さほど関心なかったのだけど、「すっごくいいから絶対見て」と先に見た人に言われ、出かけてみた。そして、すっごくよかった‼
ニキの作品は、コーヒー豆、毛糸、小石、陶片、金属、貝殻等々様々なオブジェでできていた。「自画像」に表れた強い決意、ドリッピングによるジャクソン・ポロック風な絵画(ポロックはよくわからなくて、好きとも嫌いとも…)。なんとも強烈なのは射撃による作品だ。絵具の入った袋や缶などを付着させた石膏のレリーフにライフル銃を向ける。「スウェーデンのテレビ番組のための射撃」というビデオが流れていたが、射撃音とともに絵具が弾け飛び散り流れ出す、血を流しているような、泣いているような作品…それは絵画のようでもあり彫刻のようでもあり…きわめて暴力的だがなんとも不思議な魅力に捉われて、2巡見てしまった。精神を病んでいたという彼女の自己解放へのもがき、そういう状況に自分を追い込んだものへの破壊、思い切り心をぶつけるという感じだったんだろうか。
やがて射撃絵画を卒業(?)した彼女は<女性>の表現へと向かっていく。「ナナ」シリーズなどからは<女性>である自らを見つめ、それから逃れられないなら思い切り解放しようという印象を受けた。派手で鮮やかな色彩、ぼてっとした肉体、手や足を大きく広げたり踊ったり、開放的で大らかでエネルギッシュなのにどこかそうでない何かが感じられもした。ナナシリーズは土偶をも思わせて、とても好き。
151224niki3_2 ニキは日本人の増田静江さんと親しくなる。ニキの「恋人へのラブレター」という作品に出会った増田さんは大いに感銘を受けニキに傾倒し、作品を収集し始める。そしてついには那須に世界唯一のニキ美術館をつくる。1人の芸術家に傾倒したからと言ってそこまでできる人はそうはいないだろう。増田さんのエネルギーにも圧倒される。増田さんは「しずえ」という名がフランス人には発音しにくいと考えて自ら「ヨーコ」と名乗り、ニキとヨーコの交流が続く(2人が交わした手紙なんかも展示されていた)。那須の美術館は今はもうないそうだが、今回の回顧展の作品の大半はYoko増田静江コレクションからである。
ニキは増田さんとともに京都を訪れ、新たなインスピレーションを受けて「ブッダ」を制作する。この作品は、決められたブースからのみ写真OKであった。
最後はタロットガーデン。イタリアのトスカーナにあるタロットガーデンはニキがタロットカードのシンボルをモチーフに作った彫刻の庭園で、作品保護のため、旅行ガイドには載っていないそうである。「大きな蛇の樹」。やっぱりヨーロッパ人にとって蛇は大事なモチーフなんだな。本物のタロットガーデンの映像を見たり、それを再現したような会場に佇んだりしていると、実際にタロットガーデンにいるような錯覚に陥る。でも、スペース的には当然無理があるから、やっぱり本物に行ってみたい。
ちなみに、この展覧会は12月14日に終了しました。(最初の写真は公募作品から選ばれた「みんなのナナ」。大きなバルーンとなって美術館のロビーに浮いていた。
左が表、右が裏。とてもよくナナを表現していると思う。下の写真は「翼を広げたフクロウの椅子」)
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2015年12月22日 (火)

11月分⑥:「ワンピース」千穐楽

1125日 スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」千穐楽
今回は2階上手側(一等席)を取ったにもかかわらず、頭痛がひどくて、途中かなり寝てしまった(とくにアマゾン・リリーのところはほとんど…)。
オープニングのナレーションは10月は七之助さんだったが、今月は勘九郎さんだった。
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回目なのに記憶にない(あるいは記憶と違う)場面がけっこうあって、演出変えた?と思ったけど、そんなことはないよね。第1幕でエース(福士誠治)が黒ひげ(猿弥)を追いかけて逆に捕まる場面なんて完全に記憶欠如。
チャルロス(欣弥)は本当に4人の奴隷が担ぐ輿で運ばれてきた(花道がよく見える席だったから)。
宙乗りでは、立ち上がって手拍子をしている1階のお客さんが10月より増えていた。ニューカマーの1人が私の席の近くにも来た。10月は下手側でニューカマー来てくれなかったもんなあ。ルフィが立った姿勢から足を曲げる直前、「ここが見どころよっ」って叫んだ。みんなけっこう彼女(彼か?)に気をとられていたから、この合図で慌ててルフィに目をやった。
ニコ・ロビンの笑也さんがめちゃくちゃきれい。まさに奇跡の50歳(じゃなくてもう56歳か)。
カーテンコールは3回だったか。
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回目はハンコック(猿之助)が1人で登場し、グループ別に全員が舞台に出て、最後にルフィ(猿之助)が。
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回目は全員が11人出てきた。火担当の赤い衣裳をつけたメンバーはバック転等で登場して歓声を浴びていた。裏方さんも全員出てきた(こういうところがいいよね)。
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回目の幕がしまった後すぐにまた開いた。ハッピーバースデイの曲が流れる。スッポンからルフィの衣裳を身にまとったなんと寿猿さんがケーキを捧げ持ってくる。明日(26日)が猿之助さん40歳、右近さん52歳の誕生日なんですって。同じ日だったんだ。客も含めた全員でハッピーバースデイを歌ってお祝いした。
最後に猿之助さんの挨拶があった。巳之助・隼人の2人が浅草歌舞伎に出る、自分は浅草でお客が数人という経験があるから、ぜひみんな見に行ってと言う猿之助さん。苦労してきた先輩のありがたい言葉だね。

11月分は多分これで終わり。あんまり時間が経ってしまって、何をいつ見たかの記憶さえ危うくなっている…。

追記:歌舞伎のワンピースを見たおかげで、先日テレビ放送のあった「ワンピース~アドベンチャー オブ ネブランディア」を見てしまった。このキャラクターは誰々って役者さんを思い出しながら見たけど、案外面白かった。猿之助さんがコーメイの声やってたんだね~。

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2015年12月20日 (日)

11月分⑤:花道会歌舞伎セミナー

1121日 第78回花道会 歌舞伎セミナー(歌舞伎座内「花篭」)
幕間とはいえ歌舞伎上演中なので、花篭へは中からは行かれなかった。せっかく3階席ですぐの場所なのに、1回外へ出て昭和通り側のエレベーターから会場へ。ぎりぎりというほどではなかったものの、10分前くらいに着いたら、もう中はぎっしり人がいてびっくりした。
司会は鈴木治彦さん。「後期高齢者の鈴木治彦です」と笑わせて登場された。現在86歳の鈴木さんは、富十郎さん、九世三津五郎さん、大川橋蔵さんと同い年だそうだが(みなさん故人…)、とても86には見えないお顔の艶で、楽しく亀鶴さんのお喋りを引き出してくださった。「好きなことを追っかける」のが若さの秘訣らしい。好きなものは「1に歌舞伎、2に落語(? よく聞き取れなかった)と宝塚」。宝塚にはスタッフとして入ったことがある。宝塚では「先生」と言うので「鈴木治彦先生」だったそう。
なんと、鈴木さんは手書きで亀鶴さんの系図を作り、コピーを配ってくださった。歌舞伎の家系はとかく複雑だが、亀鶴さん自身、「親戚、わからない」と音を上げていたほど。鈴木さん作成の系図は字が大きくてありがたかった。亀鶴さんの祖母・中村芳子さんは顔見世に出た唯一の女性なんですって。芳子さんは「ザ・お嬢様」だったと亀鶴さん。
以下、歌舞伎に対する亀鶴さんの思いがアツく伝わってくるマシンガントークから拾えたことを順不同で。
<瀬尾について>
瀬尾は左團次さんに教わった。やりたい役だった。ずっと出ていないのでご馳走にもなる。歌舞伎座ではやらせてもらないと思っていた。出番は長くても林平(伊勢音頭)のほうが世話物だし、ずっと楽。義太夫は難しい。この時期になってやっと「初日」かなという感じ。これは染五郎さんも同じだろう。いきなり手負いになるのが難しい。真面目な人、真面目な人は怖く見える、そういうつもりでやっている。「実盛物語」は親子関係、主従関係の話で、横で太郎吉の話を聞いて出る。「油地獄」でも横で聞いていた。「ハラ」というのはそういうこと。
瀬尾の平馬返りは、23年トンボをやっていたので稽古しなくてもできる。亀鶴さんが研修所で勉強したことは有名だが、研修生の立役はまずトンボをする。亀鶴さんは先生に、「お前はどうせこういう役はやらないだろうからトンボはしなくてもいい」と言われたのが悔しかったそうだ。でも亀鶴さん、当時は95kgもあったんですって‼
<子役時代>
亀鶴さんが歌舞伎役者になったのは、富十郎さんみたいなずんぐりの男が舞台ではとてもかっこいい、それで自分もやりたくなったんだそうだ。小さい頃から芝居を見ていると芝居が好きになる(というような話をよく梅枝クンとするそうだ。ここで思いがけず梅枝クンの名前が出てきたので驚いた)。
しかし亀鶴さんが子役でやったのは「時雨の炬燵」の勘太郎だけ(197612月南座。渡邊芳彦の名前で出ていた)。汚い格好もイヤ、40分間寝ているだけで、イヤでイヤで「出ない」と駄々をこねたら南座隣のおもちゃ屋へ連れて行かれたが、それでもダメ。それなのに、舞台稽古で幕が開いた途端、「やらなくちゃ」と思った。

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2015年12月19日 (土)

似てる? 似てない?

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体調不良が長引き、外出もほとんど目的地(劇場または美術館)と自宅の往復のみに徹底していたのが、昨夜恐る恐る忘年会へ。とくに具合が悪くなることもなく、こんなおまけまでつけても大丈夫でした。このまま回復してくれるといいんだけど。
似てないという評判のこの像、やっぱり似てないよね。

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2015年12月17日 (木)

浅草ご挨拶スケジュール決まる

ココで。
私が見る日は…。
どなたにしろ、楽しみです。

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2015年12月15日 (火)

11月分④:顔見世歌舞伎

1121日 顔見世大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
11月は初日に夜の部を見たので昼の部のほうがずっと後になった。
「実盛物語」
染五郎さん初役の実盛、爽やかな役者さんなので期待したが、確かに爽やか。それだけに、重みに欠けるのが残念であった(声のせいなのかなあ、と思ったりもした)。
亀鶴さんの瀬尾は、意外に老け役が合っている感じがした。太郎吉の刀を自らの腹に差し込んだ時、うるっときた。瀬尾の勇猛さ、座ったままのトンボのかっこよさ、戻りにも感動した。
児太郎クンの葵御前は、はじめ身重というよりは病気に見えてしまった。生まれたばかりの赤ん坊の前に生首を置く場面に、<戦>の時代であることが強く印象づけられた(これまで何回も見ているのに、なんだか今回はそう感じた)。ラスト、葵御前が我が子に愛情深いまなざしを注ぎながら太郎吉に向けていた目に「この子が家来となって将来我が子を守ってくれる」という意識が見えるような気がして、なかなかよかった。
「新三」では見られなかった菊十郎さんが庄屋役、わずかな出番に存在感があるのはさすがだ。お元気そうでよかった。
「若き日の信長」
全体を通して信長の孤独感が漂っていた。広い世界に憧れる信長の気持ちがよくわかる。じい(平手中務)への思い、恨み言――根性相容れず、ついにわかり合えぬまま自害してしまったじいの死、信長の嘆きは切々と胸を打った。孤独感、激情、冷徹さ、冷酷さ、すべて海老蔵さんでなければ、海老蔵さんでこそ、の信長であった。
孝太郎さんは前半声がとてもきれいだった。いつもはちょっとべたっとした感じがあまり好きでないのだが、今回は透明感さえあった。後半やや普段に戻った感じがあったのがちょっと残念。それはそれとして、自分の強い意志を持った女性として弥生を演じていたことに共感を覚えた。
そっと信長を見守る松緑さんの藤吉郎に信長の心に寄り添っている感じが溢れていて、よかった。
左團次さんの中務は重厚で剛毅実直な古武士の風格がぴったり。脇を固める市蔵さん、右之助さんといったベテランに亀寿さん、九團次さん、廣松クンの若手がそれぞれ<らしさ>を出していて、面白かった。


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2015年12月13日 (日)

11月分③:肉筆浮世絵展

1119日 肉筆浮世絵展内覧会(上野の森美術館)
ブルガリから上野の森へ。この展覧会はシカゴの日本美術収集家ロジャー・ウェストン氏所蔵のコレクションからである。ウェストン氏は版画は収集していない。肉筆のみ、質の高い美人画を中心に全時代を網羅している。状態がよくいろ鮮やか、一点ものの良質な肉筆浮世絵が海外で手厚く保護管理されていることを今回も実感したし、個人の収集家がよくここまで集めたなあと感心した。
「第1章 上方で展開した浮世の絵」、「第2章 浮世絵の確立、江戸での開花」、「第3章 浮世絵諸画派の確立と京都西川祐信の活動」、「第4章 錦絵の感性から黄金時代」、「第5章 百花繚乱・幕末の浮世絵界」、「第6章 上方の復活」、「第7章 近代の中で」と時間の流れを追いつつ、上方の浮世絵が何点も見られるのがこの展覧会の特徴だと思う。
浅学な私は知らない名前がいっぱい。中で6章の祇園井特は忘れられない。かなりアクが強いのだ。とくに「文読む芸者と三味線を持つ芸者」は文を読んでいる方の顔がやたらデカく、三味線のほうはミスター・ビーンみたいな鼻で、美人画と言うにはグロテスクなほどの強烈な印象を受けた。
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章では身分、階級、職業による着物や上方、化粧の違いがわかって興味深い(もちろん、解説を読んで「ああ、なるほど」とわかるわけだけど)。とくに初代豊国の「時世粧百姿図」は背景の描写も丁寧で当時の風俗が風景や情景とともに楽しめる。
暁斎がここにもあった。7章の「一休禅師地獄太夫図」。地獄太夫を囲む骸骨の頭上で一休さんが踊っている。一休さんの持つ扇子、骸骨が弾いている三味線も骨組みだけの骸骨、地獄太夫の着物には七福神が描かれている。暁斎らしい作品だと思った。
3章に集められた西川祐信、懐月堂度繁、宮川長春などの女性は、とてもふっくらとして全体に柔らかく、表情も優しくてあたたかい印象を受けた。なごむ、っていう感じかな。
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点ものにつき、この場でしか見られない貴重な作品群、もっと色々紹介したいけれど、11月分がまだまだ詰まっているので、この辺で。

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2015年12月12日 (土)

だらしない自分

11月分たまってるから、今日こそ、と思っていたのに、探し物がみつからなくて…。
どうして私ってこうだらしないのだろう。ほんと、自己嫌悪…。

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2015年12月 8日 (火)

11月分②:アート オブ ブルガリ

1119日 アート オブ ブルガリ(東京国立博物館表慶館)
151208bvlgari 宝石にはほとんど興味がないのだけど、行ってみたらアクセサリーとしての宝石には相変わらず興味は湧かなかったものの(第一、手が出ない)、アートとしての宝石ってこんなに鑑賞価値があるんだと感銘を受けた。もっとも、これは「ぶらぶら美術館」での予習のおかげでもあるけれどね。以下、自分の記憶のためにもぶら美で得た知識の受け売りで。
ブルガリは、ギリシア人である初代ソティリオが1884年ローマに出店したところから始まる。世界にはショーメ(1780年~)、ティファニー(1837年~)、カルティエ(1847年~)などのグラン・メゾンと言われる宝石の名店があるが、新参者であるブルガリは1950年以降に急速にグラン・メゾンの中に入る。その理由がわかる展覧会であり、ブルガリ130年の歴史を時系列に並べたこんなに大々的な展覧会は初めてらしい。
初代はギリシア風の衣装に古代のコインを利用したアクセサリーを作る。次男のジョルジョはパリに勉強に行き、1920年代からは2代目としての時代を作る。当時のパリはアール・デコ調(直線、幾何学模様)、ベル・エポック様式(ダイヤ、真珠、プラチナだけの白い色使い)最盛期で、ジョルジョもそれに添ったアクセサリーを作っている。しかしテクニックとしてはうまくて、爪が表に見えていない。
ブルガリの特色①:カボションと色使い
ブルガリのアクセサリーは、それまでにない石の組み合わせやカボションという頭みたいな形のデザインで、宝飾界の常識を破ったそうだ(カボションは1930年頃から)。カボションというのは石に多くのムダが出るデザインで、高い石には使われないのに、ブルガリはこれが大好きでよく使っている。
1965
年のビブネックレスはトルコ石とアメジストを使い、色は5色。グラン・メゾンはこんな安い石は使わない。しかしブルガリは高い安いに関係なく、色がきれいという理由で使った。ヘタをすると下品になりかねないその色使いは確かにきれいで(つまり、下品にはなっていない)、だがそれらは、顔立ちの華やかな人にしか似合わなそう。実際、展示されたそれぞれの宝石と一緒にそれをつけた女優やモデルの画像・映像が紹介されていたが、みんな大づくりな顔立ち、肉感的な美女ばっかり。懐かしい女優さんたちに会えて、私としてはもうウッキウキ。ジーナ・ロロブリジータ、ソフィア・ローレン、アニタ・エクバーグ、モニカ・ヴィッティ、イングリッド・バーグマン…。日本人いないだろうなあと思っていたら、いた‼ 宮沢りえだ。さすがにとてもきれいで2枚ほど写真があったかな。さらに、なんと夏帆もいた。私の印象ではややおとなしめな顔立ちなんだけど、意外にもブルガリがよく似合っていた。日本人はこの2人だけ。西欧の派手な顔立ちに比べるといくぶん控えめな華やかさが品の良さを強調しているようでよかった。
ブルガリらしさは、このビブネックレスから始まる。

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2015年12月 6日 (日)

11月分①:神霊矢口渡

1116日 「神霊矢口渡」(国立劇場大劇場)

入口でチケット切ってもらう時、係の人が座席番号に目をやりながら「いつもありがとうございます」って。そんなこと言われたの初めてだし、一番安い席だったし…でも嬉しかった。
「序幕 東海道焼餅坂」は、109年ぶりの上演だそうで、落ち延びる新田の御台所と家老の妻の旅の場面だが、切羽詰った状況の割にはチャリ場的要素が多い。新田の御台所筑波御前(芝雀)と家老の妻・湊(東蔵)をだました悪い馬子(吉之助)と雲助(又之助)のナンパというにはあくどい思いっきりストレートなセリフには客席から笑いが起こった。元田舎角力(吉兵衛)は五郎丸のルーチンをやってみせた。
南郷六郎(又五郎)が背負う小さな笈(4歳とはいえ徳寿丸が入るにはちょっと小さすぎるような…)への徳寿丸の出入りで客席に笑いが起きた。歌舞伎では乗り物へ出入りは大道具の陰に隠れてそれらしく見せるわけだが、今回は不自然さが目立ったのかも。でも又五郎さん、全然重みを感じていないように見えた。そこは敵に悟られまいとする六郎の忠義心の強さが表れていたのかもしれない。
「二幕目 由良兵庫之助新邸」は100年ぶりの上演。吉右衛門さんの強い化粧(目の強さ)が印象的だった。予備知識なしで見たのだが、吉右衛門さんだからきっと何かあるだろうと疑いつつも、本当に敵役なのかもしれないとちょっと思わされた。新田義興の遺志に従い、徳寿丸を我が子として、我が子を徳寿丸として主君の子を守った兵庫之助の計略は見事で悲しかった。竹沢監物(錦之助)が去った後の吉右衛門さんの憂いを帯びた厳しい表情には、強い化粧と相俟って我が子を忠義のために犠牲にした父親と武士の両方の気持ちが表れているようだった。
徳寿丸が殺されたと思って嘆く筑波御前にはもらい泣きしそうになった。ところが実は殺されたのは友千代で、それを知った湊の悲しみもやはり臣下のものであろうか…。
「なに、小倅の1人など、塵、埃とも存じ申さぬ」と高笑いする兵庫之助…。その後の3人の涙に又泣けた。
京由さんの美貌はやっぱりぴか一。

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2015年12月 4日 (金)

国立チケット初の出来事

今日は1月国立劇場の発売日。10時前にログインだけしておこうと思ったら、発売準備のためアクセスを制限している、10時になったらログインしてくれとのメッセージ。こんなこと初めて。
さて、10時に張り切って購入を押したら、「接続中」で上の矢印が延々ぐるぐるぐるぐる回ってる。せっかちな私はイライラして接続を切ってやり直してみたり、もう1つ立ち上げたり(別に立ち上げるからよけい混むんだよね)。つながったと思うと、混雑のため、後で入店してくれとのメッセージ。
以前の歌舞伎座チケット騒動を思い出すわ。でも国立でこんなこと初めて。
まあ、それでもやっとつながって、希望日の希望の席(いくつか候補を調べたかったけど、用心して最初に選んだのに決めた。今まで、選びすぎて失敗した経験多数だから)が取れてホッ。
1時間も経って見たら、どのブロックも余裕だったな。慌てず吟味すればよかった…。

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2015年12月 2日 (水)

純弥さんが折之助に

本日、2題目は、名題昇進の話題。
三吉屋一門の上村純弥さんが今月歌舞伎座で名題昇進披露を行い、2代目上村折之助を名乗るようになったそうだ。おめでとうございます。
どなたでも思うことだが、ご本人にとっては嬉しいことであろうものの、長年慣れ親しんできたお名前が変わるのにはなかなかついていかれない。早く慣れなくっちゃね。

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2月歌舞伎座演目発表

来年2月の演目が発表になった→ココ
昼の部の「新書太閤記」。初めてだ。配役も魅力的。
夜の部の「源太勘当」、1回だけ見たことある。あの時は勘太郎、海老蔵だったから、今回の梅玉、錦之助はだいぶ趣が違いそう。
「駕籠釣瓶」は佐野次郎左衛門:吉右衛門、八橋:菊之助、繁山栄之丞:菊五郎という配役が、おおという感じ。
正直なところ、ミーハーとしては1月より2月のほうにそそられる。

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