« 初春新派公演 | トップページ | 言いた~い、言えない他人の秘密:「七つの秘密」 »

2016年1月22日 (金)

初春歌舞伎座夜の部

119日 壽初春大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
色々あって、最初の「猩々」はパス。今月の歌舞伎座は夜の部だけだから、松緑さんを見ることができないのが残念。
予想通りだが、筋書きにはまだ舞台写真は入っていなかった。
「二条城の清正」
2
度目。1回目は20079月で、清正は吉右衛門さん、秀頼は福助さんだった(忘れてた)。
二条城の場は緊張感があって面白かった。家康の左團次さんがよかったからかも(前回も家康は左團次さんだった)。御座船の場は思いのほか、忠臣と主人が祖父と孫に重なって感動するかなと思ったが、意外と感動が薄くて眠くなってしまった。客席もあまりのっていないように感じたけれど…。前回の感想と今回の感想とがあまり変わらず、自分成長していないな…。
いや、そもそも秀頼、勝頼はダメ息子だと思ってるからかも(「十種香」もね~。でも平岳大の勝頼は、勝頼のイメージを全く覆して、感動的だった。話が飛んじゃった)。
前回の福助さんの役を金太郎クンがしっかり演じており、主君らしさも感じられた。
「吉田屋」
いつもかなり眠くなるのだけれど、今回は頑張れた。
鴈治郎さんの花道からの登場、一瞬だったけれど、「あれ、藤十郎さん?」。花道はよく見えなかったのに、それでも、おやと思った。座敷では、仁左様のような明るいジャラジャラさはなく、どこか子供っぽかった。玉三郎さんとの身長差がより子供っぽさを強調するようだったが、それはそれで悪くないと思った。鴈治郎さんの伊左衛門、好きだな。
歌六さんはやっぱり東京の役者さんだなと思った。何が上方で何が江戸かと言われるとよくわからないのだけど、柔らかさの違いなのかなぁ。
寿猿さんの阿波の大尽が<らしく>てよかった。

「直侍」
終演が遅いし、どうしようか迷ったけど、見てよかった‼ 
直侍と言えば、蕎麦屋は権一さん、丈賀は田之助さんだったけれど、今回の高麗五郎さんと東蔵さんもとてもよかった。蕎麦屋夫婦(奥さんは幸雀さん)の生活感、按摩の風情、いずれも江戸の市井の人の暮らしを見せ、私をその世界に連れて行ってくれた。
清潔感が漂う染五郎さん、その中に退廃的な雰囲気が醸し出されていてとてもよかった(直侍の人生、切ないなあ)。花道の出で、拍手とセリフが被ったのが残念。声もいい。
芝雀さんの三千歳には、寂しさがにじみ出ていてたまらない。こういう三千歳は初めてのような気がする。この人、きっとこれまで薄幸だったんだろう、それが直侍との出会いで人生バラ色とまではいかなくても、幸というものを摑みかけた。だからこそ、直侍にかける思いが切実で強いのだ。しかしそれを前面に押し出すのではなく、しっとりと情感細やかに慕情を見せる。芝雀さんはこういう役がとてもうまい。この三千歳にはじんときた。芝雀の名で見る芝居はこれが最後なんだね。
染五郎さんとの組み合わせも全く違和感なかった。以前(2005年)、染五郎×時蔵でやった時にはちょっと親子のようにも見えてしまったが(年齢差は時様でも芝雀さんでも同じ)、あれから10年、染五郎さんも年を重ねたし、芝雀さんの細やかさが年齢差を感じさせないのかも。
それにしても、グスグズしないでさっさと二人で逃げればよかったのに。こういう場合、上方なら心中なんだろうな。
吉之助さんの丑松は根無し草の哀しさが感じられていい(そういう生き方って哀しいなという哀しさ)。世話になった直侍を売るかどうか迷い、隣家の戸口が開いているのを「早く知らせてやれ」と蕎麦屋が女房に言う声を聞いて「売れ」と解釈したのは、迷いの中にすでに自分で売ると決めていたのではないかと思わせるものがあった。
清元は普段、調子っぱずれな気がしてあまり好きではなかったが、今回は大口屋の場面にとてもしっくり合っていて、初めて清元っていいなと思った。
<上演時間>「猩々」20分(16301650)、幕間15分、「二条城の清正」62分(17051807)、幕間30分、「吉田屋」63分(18371940)、幕間15分、「直侍」65分(19552100

 

|
|

« 初春新派公演 | トップページ | 言いた~い、言えない他人の秘密:「七つの秘密」 »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 初春新派公演 | トップページ | 言いた~い、言えない他人の秘密:「七つの秘密」 »