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2016年1月14日 (木)

眠くて眠くての12月分④:歌舞伎座夜の部

1226日 十二月大歌舞伎千穐楽夜の部(歌舞伎座)
160114kabukiza 日動画廊から歌舞伎座へ。
「杉酒屋」は初めて見たが、なかなか面白かった。何年経っても未熟なミーハーには世話場のほうが楽しめる。
恥ずかしながら烏帽子折という職業があるのを初めて知った。何となく求女の変な苗字かと思っていたよ。言われてみれば、確かに<烏帽子折>だわね(<花作り箕作>みたいに<烏帽子折り>って送り仮名が入っていれば間違えなかったのに…としょうもない言い訳)。
お三輪ちゃんの家、けっこう立派な屋台だ。神棚あたりに七夕様が飾ってあるらしいが、310列からは見えない(3階席の難点)。丁稚の子太郎、くるくるくるくるよく働いて感心(これは、子太郎に感心したの)。團子クンがのびのびユーモラスに演じていて、團子クンにも感心。「酒をそんなにがぶがぶ飲んでは味もわからずもったいない」というセリフを嫌味なく言ったのにも、酔っ払いの大人に溶け込んで自然に楽しく踊るのにも感心した。求女が二股かけてるんじゃないかと疑いお三輪に告げる口にも嫌みがない。こういうところ、團子クンのキャラなのかも。達者に舞台を回して引っこんでいった。ここは團子クンにもっていかれたね(もっといろいろ團子出演見たいわ)。ではあるが、一方で長屋の連中、家主(権十郎)の雰囲気もとてもよくて、こういう空気が客を物語の世界へと誘うのよね、と思った。
さて、三角関係。橘姫のお三輪を見下すようなセリフから身分関係の厳しさがはっきりわかるのが面白かった。でもお三輪ちゃんも負けていない。がんばれお三輪ちゃんと応援したくなる。七之助さんがまさにそういうお三輪ぴったりだった。児太郎クンはどうしても容貌のごつさが気になってしまうが、仕草でそれがカバーされていて、不断の努力が窺えた。身分の高い姫としての気位もよかった。松也さんは超二枚目で、2人の女性から思われるのも納得。しかし求女はしょうもないズルい男で、好きになれない(橘姫のことだって、手段じゃないの?と思わざるを得ない)。きれいな3人だが、並ぶとやはり七之助さんが光るなあ。
「道行」は眠くて眠くて…。
「三笠山御殿」、何度も見ているのに(それも、5月に平成中村座で見ているのにね~)記憶がまだら。最初の鱶七登場では、島台投げつけと、酒の中の毒で庭の花が萎れる場面ははっきり覚えているのに、その他の諸々が…。でもおかげで新鮮な気持ちで楽しめた。ユーモラスな鱶七の口調が松緑さんの大らかさにはまって面白い。

戻ってきた橘姫と姫付きの官女とのやりとりも忘れていた。着替えさせた姫の袖についている赤い糸を見つけ、引っ張ったら求女が引かれてきた。官女たちが姫の思い人だと気をきかせて2人きりにするのが面白い。
お三輪がいじめられる場面は大半寝た。眠いのと拒否感がないまぜになってというのが言い訳。何しろ初めて見た時の福助お三輪の哀れさがあまりに衝撃的で、その後多少は慣れたものの、この場面はあまり見たくないのだもの。
途中端折って、鱶七に刺され、これも求女(藤原淡海)のためと喜んで死んでいくお三輪の心情に泣けた。会いたくて会いたくて後を追い、せっかくその場にたどり着いたと思ったら別の女性との祝言の声、求女の正体を知れば到底かなわぬ恋、でもお役に立てたその喜びにお三輪は昇華を見出しただろう(淡海がそのお三輪の心を汲んでくれれば…でもあの男はなぁ)。「最後にもう一度お顔が見たい」。泣ける。「御殿」のお三輪は玉三郎さんにバトンタッチ。その違和感はまったくなかったが、玉さまは疑着の相になってからが特によかったような気がする(ご本人も、普通の<女性>表現より好きなんじゃないかしら)。
実は一番楽しみにしていたのは、豆腐買のおむらだったんだけど、中車さん見事におむらだった。あの年齢で歌舞伎の世界に飛び込んで、女方をこれだけできるなんてすごい。玉三郎さんの指導力もあってのことだろうが、その努力のほどが窺えた。いずれ岩藤とかも見てみたい。
12
月分はこれで終わり。
<上演時間>「杉酒屋」36分(16301706)、幕間20分、「道行」29分(17261755)、35分、「三笠山御殿」106分(18302016
上演時間もこのくらいだと助かります。

 

 

 

 

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