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2016年1月29日 (金)

浅草歌舞伎第二部

124日 浅草歌舞伎第二部(浅草公会堂)
通しはきついし、この日は相撲の千穐楽だから第一部が終わった後、両国に行きたかったんだけど、チケットを取る時にはこの日しかなくて…。浅草寺にお参りに行って、並んでいつもの大学芋とスイートポテトを買って、浅草公会堂では舟和の芋ようかんを買って、こんなに芋ばっかりどうすんの状態。しかし、日曜日の浅草はどこも行列だったなあ(とくに天ぷらと浅草メンチ)。芋屋さんもこれまでで一番並んでいた。
「お年玉ご挨拶」
国生クン。この後すぐ「毛抜」に出るため、顔と頭は拵え、黒紋付きに裃姿で登場した。型通りの口上の後、普通の口調でいきなり「毛抜」の説明に入ったが、松也さんのようなくだけた口調ではなく、ていねいで少し硬いのが初々しい。「四の切」の説明では、「四の切の前に鳥居前で忠信が源九郎義経の名と静を託される。余談だが鳥居前は今月父が歌舞伎座でやっている」と言って拍手を受けていた。お願いとして「ひとつ、ケータイは非常に空気が読めない。鳴ってしまうと役者よりもお客様が目立ってしまうので電源を切ってください」(お客が目立つという注意は初めて聞いたが、なるほどと思った)。「ふたつめ、楽屋は隼人おにいさんといっしょなんですが」と隼人の写真集を取り出し、「買ってくれると終演後サイン会があるのでよろしく」。私もあとン十歳若かったらね~。
「昨年20歳になった。今年橋之助を四代目として襲名する。そこで『あさくさ』を読みこんだ決意を。せをたくさんかいて、んにん兄弟仲良く力をあわせ、におから橋之助へ、いこうのお芝居を届ける」ときれいにまとめて終わった。
松也さんは10分たっぷり使ったが国生クンは5分強だった。
「毛抜」
巳之助クンの弾正、細身ながら線の太さもあり、声も太くよく出ており、全体にやや硬いところがみられたが、それでいて團十郎さんの大らかさとはまた違った大らかさ(鳥がはばたくような自由さとでも言おうか)が感じられ、魅力的だった。そういえば、2005年国立劇場の歌舞伎鑑賞教室で錦之助さんが弾正をやった時には、セリフのトーンまで團十郎さんの指導が沁み渡っていたっけと、今回小野春道の錦之助さんを見て懐かしく思い出した。巳之助クンは時々セリフにもうちょい、というところはあったものの、お坊吉三よりはるかによかった。そして何と言っても動きにメリハリがあり、爽やかだ。色気がほしいが、回数を重ねることにより自然に出てくるようになると思う。そうか、巳之助クンの弾正とは考えなかったが、将来も大いに期待できるね。
弾正の「これでおひらきに」のセリフ直後、「ごくろうさん‼」と声がかかった。

米吉クンの秀太郎、正義感が初々しくてよかった。隼人クンの秦民部は家老と言うにはちょっと若い気もしたが、秀太郎の兄としてそれなりの貫録が見えたのには感心した。八剣数馬が八大さんとは気づかなかった。米吉クンの相手として、また八剣玄蕃の弟として若々しかったからちょっとびっくりした。
八剣玄蕃の橋吾さんが見事‼ どかっと骨太な大きな悪役。去年の巡業での喜多村大膳は私には物足りなさが感じられたが、今回は見事にはまっていた。
新悟クンの巻絹がしっかりお家のことを考えていて、かつしっとりした風情があって、やっぱり新悟クンはいいなあと思った。
鶴松クンの錦の前は奇病に悩む姫君らしさがあった。もっと色々出てほしい。
なんと、腰元に最高齢玉之助さん(小山三さん亡きあと、時蝶さんとともに最高齢? 違ったらごめんなさい。でも少なくとも浅草歌舞伎では最高齢だよね)が出ていらして、嬉しかったぁ。
「義経千本桜 川連法眼館」
法眼(小三郎)の帰宅から始まる。飛鳥(徳松)ともども、若い役者の中にあってベテランの味が出ていた。
義経の隼人クン、上に立つ者の風格があり、セリフに悲しみ、寂しさ、無常感が滲んでいた。源九郎狐に「静を長々と預かってくれてありがとう」と言う言葉にはじ~んときた。

新悟クンの静は、本物の忠信を自分とずっと一緒だった忠信だと思って話しかける声に親しみがあってよかった。また狐の話の後、「我が君さま、お聞きになりましたか」と義経にかける声には憐れみ、哀しみが込められていてこれもよかった。行儀のよい演技で、形の美しさがとてもよかった。
松也さんは、本物の忠信は体も立派だし口跡もよく、主君への思い、自分の悔しさがよく伝わってきた。しかし、狐は体の重さが目立ち、一生懸命やっているのはわかるが、キレがなくドタドタした感じになってしまった。狐言葉になってからの声があまりきれいでなく(喉、大丈夫?)、哀れさも今一つで、泣けなかった。ただ、最初のほうで親恋しさ、鼓の音に甘えるところはこの狐のこれまでが垣間見えるようでよかった。
巳之助クンの亀井六郎は迫力があり、国生クンの駿河次郎ともども、義経をしっかり警護する意識が感じられてよかった。
若い浅草メンバー、みんな良い素質があることがあらためてわかった。ますますの精進がみられるであろう来年が楽しみ。
<上演時間>「ご挨拶」10分(15001510)、「毛抜」60分(15101610)、幕間30分、「川連法眼館」80分(16401800

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