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2016年4月24日 (日)

圧倒的な魅力:「生誕300年記念 若冲」

421日 「生誕300年記念 若冲」内覧会(東京都美術館)
160424jakutyu 展覧会の期間が422日~524日と短いのできっと混む。内覧会もひどく混むだろうなあと覚悟して行ったら、遅めの時間に行ったせいか、予想より相当人が少なく、ゆっくり見てこれたのは本当にありがたかった。
若冲(若冲だけ、あるいは若冲中心の展覧会)を見るのは3度目(もっと以前にもあったかもしれないが、自分の中ではっきり意識し始めてからという意味で)。最初は2007年の九州国立博物館、次は2013年福島。九博で見た作品の記憶がほとんどないのは情けない。
いや~、見るたび、見れば見るほど若冲ってすごい!! 家業の青物問屋をやめて隠居し本格的に絵画を始めたのが40歳、当時の年齢としては高齢であろうが、85歳で没するまで、どうしたらあんな細かい観察、筆遣い、色使い、表現ができるのか、若冲は努力家の天才にして魔法使い? 鳥の羽の11枚、足の皺(?)、とさかの粒々、目玉。丹念に11筆細かく描かれたもの、さっと素早いタッチで描かれたと感じられるもの。それぞれの魅力にしばし絵の前を離れられない。「鹿苑寺大書院障壁画」の正面から描かれた鶏は丸く膨らんでいてなんともユーモラスで好き。まあるい鶏は「仙人掌群鶏図襖絵」にも描かれていて、前者は墨画、後者はカラー。よく見ると、前者の顔つきのほうが厳しい。後者はもう1羽を威嚇しているようにも見えるものの、表情はユーモラスである。
地下で初期の作品を見て1Fに上がると圧倒される。正面に3幅の「釈迦三尊像」、それを取り囲んで左右に15幅ずつ30幅の「動植綵絵」がずらり!! 「貴婦人と一角獣」展でも6枚の大きなタペスリーが展示室の空間をぐるりと囲んで展示されていて圧倒されたが、「釈迦三尊像」と「動植綵絵」の展示は<圧巻>と言うほかない。思わず心の中で「うわっ!」と叫んでしまった。どうしたらこんな絵が描けるの? その画力とは別にエネルギーにも感動せざるを得ない。 
音声ガイドで総合監修の辻惟雄氏も言っていたが、「雪中錦鶏図」の雪が面白い。檜の葉に積もって融けかかって穴が開いている雪の白は、極彩色の錦鶏や葉の緑の中で面白いインパクトを与えている。雪は全体に好きだ。激しく降りしきる雪、融けかかっている枝の雪、心にしみてくる。そして雪に限らず若冲の白は好きだ。
「動植綵絵」は京都相国寺に寄進されたものだが、明治の廃仏毀釈によって相国寺が窮乏したため皇室に献上されたそうだ。これに対して1万円が下賜されて、相国寺は救済されたのだと言う。以降、この30幅は宮内省(庁)が管理しており、一般にはなかなか目にすることができないのだそうだ。相国寺にあったらこの絵の運命はどうなっていたことだろう。そう思うと、今回はなんという貴重な機会であることか。必見ですぞ!!
鮮やかなこうした絵画に加えて、墨画がまたいいのよ。「象と鯨図屏風」のダイナミズム、「三十六歌仙図屏風」のリズミカルな着眼点、等々。若冲ではあまり人物画を見ないが、三十六歌仙のほかに「達磨図」(カラー)、「売茶翁像」が出ていた。どちらも引き込まれる不思議な魅力をもっている。
最後に、再会しました、プライスコレクション。プライスさんには本当に感謝です。
音声ガイド、とってもよかった。中谷美紀さんも、スペシャル解説もプライスさんの肉声コメントも!!
↓お土産に買いました。まだ飲んでないの。
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