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2016年4月29日 (金)

明治座花形歌舞伎夜の部

426日 四月花形歌舞伎千穐楽夜の部(明治座)
先日、夜の部を一等席で見た時、座席にエアウィーヴのクッションが置いてあった。一等席はやっぱり待遇が違うのね~と思っていたら、3階席にもちゃんと置いてあった。ひがんですまん。
「浮かれ心中」
勘三郎さんと三津五郎さんで見た時は衝撃の面白さだったが、今回はいまひとつ…。たくさん笑わせてもらったし表面的には確かに面白かったのだが、それだけという感じがしないでもない。目立つためには何でもする、というのは今の時代にも通じるものがあると思うんだけどな。初めて見た時は、この話は式亭三馬誕生物語で、陰の主役は三津五郎さんだ、しかし全体的には勘三郎ワールドであり、勘三郎さんがいてこそ三津五郎さんが時蔵さんが光っていたのだと思った(同い年の3人…)。その見方が正しいかどうかは別として、私自身はそこに感動を覚えたのだった。でも、今回はそういう感動がなかったなあ。勘九郎さん(とにかく明るい)も亀三郎さん(演技が丁寧)も菊之助さん(感情表現が細やか)もそれぞれよかったのに、芝居全体として面白さの奥行が感じられなかったというところだろうか。
中学生の団体が来ていたが、籠釣瓶のパロディはわからなかっただろう。梅枝クンの三浦屋帚木にトップ花魁としての貫録があり、微笑みもよかった。身請けされてからのしたたかさもなかなかのもの。梅枝クンと萬太郎クンの恋人どうしは初めて? 太助(亀三郎)と帚木がいちゃついているのを見た清六(萬太郎)が胸を叩いてゴリラの真似をしたのは千穐楽バージョンだろうか。萬ちゃんも案外イタズラなのね。亀三郎さんも梅枝クンも思わず笑い出してしまっていた。
勘九郎さんは「けちけち山」の幕の前でゆいPのギャグを披露。私、おかずクラブは2人とも好きなので、ちょっと盛り上がった。ネズミとの遣り取りは観客に大ウケでそのまま「チュウ乗り」へ。前回同様、三味線とお囃子によるIt’s a small worldに合わせ、客席は手拍子で大盛り上がり。勘九郎さん、「猿之助さんの気持ちがわかる」「でもあっちはクジラ(観客の笑い声でよく聞こえなかったのだけど、そう言っていたらしい。乗っていたのはサーフボードだったけどね)、こっちはネズミ」と笑わせる。途中はしゃぎ過ぎてネズミから落ちそうになって客席がきゃあ~っ。67割進んだところで宙乗り小屋が下りてきた。太助に向かって「次はいつ会えるかなあ」と言う栄次郎のセリフは、前回の勘三郎さんの時には「次に会うのは8月のお盆の頃だな」だった。それで、納涼歌舞伎での2人の共演が期待されたのだけど(そんなことを思い出してちょっとしんみり)、勘九郎さんと亀三郎さんの共演は当分なさそうかな。
栄次郎の心中は茶番だったのに誤解を受けて命を落とす。それでも底抜けに明るい栄次郎だから後味は悪くないし、楽しいことは楽しかったからいいか。
追記:木遣りは吉兵衛さんだっただろうか。とてもいいお声にうっとりした。今月は、幸四郎さん、染五郎さん、松也さん、そしてこの木遣りと、歌声も楽しめた。。

「二人椀久」
ビジュアル的には申し分ない美しさの椀久(菊之助)と松山(七之助)であったが、菊之助さんの<狂い>にやや物足りなさを感じた。菊ちゃんは松山のニンなんじゃないかしら。この舞踊はたいてい眠くなってしまうのだが、いつだったか珍しくちゃんと見ていた時に、途中から「この踊り、こんなに早いテンポだったのかしら」と驚いたのを覚えている。今回はそこまでの早さは感じなかったが、寝ないで見られたのは2人の舞踊に魅せられていたんだろうな。
<上演時間>「浮かれ心中」第一幕45分(17001745)、幕間25分、第二幕60分(18101910)、幕間30分、「二人椀久」35分(19402015

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