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2016年5月

2016年5月31日 (火)

團菊祭大歌舞伎昼の部

526日 團菊祭五月大歌舞伎千穐楽昼の部(歌舞伎座)
朝、遠回りして電車で30分寝て行く予定が、電車が遅れていて、普段なら必ず座れるのにアテが大はずれ。この日はJRもあちこちで運転見合わせとか遅れが生じていて、通勤の人のことを考えたらあまり文句も言えないわね。
そういえば、お相撲さんがいた。霜鳳の浴衣を着ていたから時津風部屋?
「鵺退治」
面白そうと期待したのだが、上記の理由で、肝心の鵺退治の場面で眠くなってしまった。それに鵺の着ぐるみもイマイチだったし(遠くて顔がよくわからなかったけど、体が狸っていうだけで恐ろしさよりもユーモラスな先入観をもってしまう)。梅玉さんの貴公子ぶりが素敵だったのと、魁春さんとの恋人どうしというのが嬉しかった。
「寺子屋」
絶対寝る、と思ったら、鵺で寝たせいか大丈夫だった。今回は懲りて痛み止めも飲まなかったし。
源蔵夫婦がよかった。夫の悩みを夫婦で悩み、妻が協力して他人の子を犠牲にするに至る恐ろしい心の動きが伝わってきた。菅秀才を守ってホッとしてガクガクする様子、千代の嘆きを心底思っている戸浪の心。松緑さんも梅枝クンも、昼夜ともいい。
海老蔵さんは道成寺でもそうだったけど、やっぱりスリムになったように見えた。乗物から降りた時、顔があまり細く見えて、体も小さく見えたし本当に病気かと思ったほど。いつも泣ける桜丸のところも泣けなかったなあ。けれども、我が子を犠牲にする覚悟、そうせざるを得なかった松王丸の苦悩と悲しみは伝わってきた。千代(菊之助)の嘆きは見ていてつらかった。前の晩にさんざん泣いたんだからもう泣くなと言われて「はい」と答えながらも泣かずにいられない姿を思い出すと今でも泣ける。だいたい、小太郎がお師匠様に挨拶する場面で、千代の気持ちを考えてもう泣けたもの。
首実検は、なかなか首桶の蓋をあけようとしない松王丸に苛立って玄蕃があける。松王丸は刀を源蔵に向けている。緊迫感!! 玄蕃の市蔵さんが役だけでなく役者としてもその緊迫感をリードしているようだった。
若い役者さんの芝居ではリアルさが強調されることが多く、今回もリアルな箇所が間々みられたが、「寺子屋」に関しては私はそこが好きだ。戸浪が菅秀才を押入れから出す時、源蔵が玄関の扉を開けて外を窺う。その様子を見ながら、もう大丈夫という感じで菅秀才を出すところなんかもよかった。
いろは送りのお香は3階最後列ではにおわなかったが、階段を最前列まで下りるところで漂ってきた。

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2016年5月28日 (土)

522日 團菊祭五月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
本当は初日を狙いたかったのだけど…。勸玄クンの時に二等席で失敗したから今回の席は一等席にした。それなのに、なんか妙に眠くて眠くて。睡眠不足だったわけでもないし、夜の部にこんなに眠いことはめったにない。出かける前に痛み止めをのんだせいかも。
「勢獅子音羽花籠」
和史クン初お目見得とあって、とにかく華やか、豪華。舞台となっている神田明神は3年前のあの場所だなあと思いつつ、ただただ、芸者の美しさ、鳶頭のカッコよさに目を奪われた。途中、松也クンの姿が見えないぞと探していたら、最後に獅子から巳之助クンと2人出てきたから驚いた。あの見事な獅子舞はこの2人だったのか。ぜ~んぜん気づかなかったわ。
さて、和史クンはお父さんに抱かれて(菊ちゃん、お父さんなんだなあ)登場。客の前に出ると、ぱっと手で顔を隠してしまう。ご挨拶をと言われた時も同じ。それが、めちゃかわいい。和史クンを抱く吉右衛門さんの嬉しそうな顔に泣きそうになった。以前、吉右衛門さんは血のつながりがなくても播磨屋の芸を受け継いでくれる人がいればいいと語っていたから、歌六・又五郎一家が播磨屋になってきっと安心しているだろうなあと思っていたところへ、和史クンの誕生、そして初お目見得だもの。その喜びがぐっと胸にしみてきたのだ。
和史クンはずっと顔を隠していたが、手締めはちゃんとやったし、最後にバイバイと手を振ったのが本当に可愛かった。
菊五郎さんと吉右衛門さんの連れ舞はもう見る機会がないかもしれないからと、千穐楽昼の部を見た後に一幕見しようともくろんでいたが、やっぱり体調不良で諦め、この1回だけになった。
「三人吉三 大川端」
この時間帯が一番眠かった。おとせ(右近)の絡む場面は案外あっさりしているような気がしたが、「待ってました!!」の菊ちゃんのセリフはよかったな。駕籠から海老蔵さん(お坊)が声をかけたあたりからあやしくなって、松緑さん(和尚)が飛び出してきてからはほとんど記憶が…。義兄弟の契りが終わったころにやっと意識が戻ってきた。なので、感想はほとんどなし。
この3人で未だ強く印象に残っているのは7年前のやはり5月歌舞伎座「おしどり」。今月は昼の部の「寺子屋」でも共演だが、これからもそういう機会をふやしてほしいな。

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2016年5月26日 (木)

81年ぶりに右團次復活

市川右近さんが三代目として右團次を襲名することが決まったそうだ。
襲名披露公演は来年1月演舞場とのこと。
いずれ何らかの名跡を襲名されるだろうとは思っていたが、おめでとうございます!!
そしてご長男のタケルくんが二代目右近としてやはり来年1月初舞台を踏むとも。
81年ぶりの復活ということで、もちろん私は初代も二代目も知らないので色々調べたら、右團次は関西の名跡で、けれんが得意であったことから、大阪出身の右近さんが継ぐことになったと報道されていた。右團次の直系である右之助さん(初代の曾孫、二代目の孫)の快諾も得ているという。屋号は高嶋屋に変わる(二代目右近は澤瀉屋よね)。
タケルくん初お目見えの6月歌舞伎座公演がますます楽しみになってきた。

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2016年5月22日 (日)

見応え十分、カラヴァッジョ

519日 「カラヴァッジョ展」(国立西洋美術館)
別に西美が世界遺産に登録されそうだからというわけで行ったんじゃなくて、もともと行くつもりでたまたまこの日に出かけたというだけ。平日だというのに上野は人人人。若冲展もあるしね。ただ、もっと早く行っておけばよかったとちょっと後悔したのは、チケット売り場に長蛇の列ができていたのを見た時(午後2時くらいだったかな)。長蛇は大げさだけど、西美にしてはかなりの行列で驚いた。私は既にチケットを入手していたので並ばずに済んだが、入口もいつもなら正面なのに、今回はチケット行列のために建物右側へ誘導された。
会場に入ると、ちょうどビデオが切り替わるところだったので見ることにした。カラヴァッジョが問題児(問題児以上だね)であることは知っていたが、予習としてこのビデオは見ておいたほうがいい。
絵画の展示カラヴァッジョ11点(全作品が60点ほどとされていることを考えると、11点というのはすごい)にカラヴァッジェスキ(カラヴァッジョの影響を受け、その作風を受け継ぐ画家)の作品をあわせても51点と少ないにもかかわらず、かなりの見応えがある。しかも、「法悦のマグダラのマリア」は世界初公開だというから、必見。さらにはローマ国立古文書館所蔵の裁判記録など6点の展示があり(よく貸してくれたなと思うけど、そうでもないのかな)、インクの滲んだ文字を見るだけでもワクワクするし(もともと原語は読めないから雰囲気だけ)、日本語訳を読めばカラヴァッジョという人を知る上でもなかなか興味深い。
展示は7つのテーマに分けられ、それぞれ最初にカラヴァッジョの作品がきている。最初それに気がつかなかったのだが、カラヴァッジェスキとカラヴァッジョ本人の絵の違いはほぼわかる。一番明白だったのが「トカゲに噛まれる少年」(カラヴァッジョ)と「カニに指を挟まれる少年」(ピエトロ・パオリーニに帰属)。この絵は「Ⅱ 風俗画:五感」のところに展示されている。専門的なことはわからないが、見た私の五感が明らかに「違う」んである。
私がカラヴァッジョの絵で好きなところは、技巧を感じさせないリアルな自然さと言ったらいいだろうか。もちろん、光と影が計算し尽くされたとわかる絵も素晴らしいし、カラヴァッジョも計算しているではあろうが、その計算が見えにくい気がして、それがカラヴァッジョの絵に力強さを感じさせるような気がするのだ(違っているかもしれないけどね)。
そう言いながら、蝋燭の光の画家(ジャコモ・マッサ?)の「酒場の風景」はすごくいいと思った。この画家は「キリストの嘲弄」「聖ヒエロニムス」の計3点が展示されているが、私は「酒場の風景」が一番好き。ホントホルストの「キリストの降誕」もいい。
「メドゥーサ」は怖い。でも劇団ひとりの顔に似ていて笑っちゃう。ここではグエルチーノに再会(「ゴリアテの首を持つダヴィデ」)。同じ首でもやっぱりグエルチーノは優しいね。グエルチーノはほかに「手紙に封をする聖ヒエロニムス」も出展されている。
さて、目玉の「法悦のマグダラのマリア」。2014年に真筆であることが認められた作品だそうだ。画面のほぼ中央やや下に描かれている組んだ手がとても印象的。中央にあるから表情より先に目がいく。それから赤いマント、白い袖、と目を上げていくと法悦の表情にたどりつく。ほかの画家の「悔悛のマグダラのマリア」に比べて心にぐっと迫ってくる。ずっと眺めていても飽きないと思った。
「マッフェオ・バルベリーニの肖像」は、2010年にカラヴァッジョに帰属することが確実であると認められたそうだ。帰属ということは未だ真筆とは断言できないということ? 1950年代まではカラヴァッジョに帰属させる見解があったものの、それを否定するロンギンという人の説により、その後研究者の検討の対象になっていなかったらしい。専門的なことはわからないが、カラヴァッジョにしてはちょっと異質な感じを受けた。そのあたりが長年ロンギン説が通っていた理由なんだろうか。

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2016年5月21日 (土)

10月巡業は猿之助・巳之助ダブルキャストで

楽しみにしていた10月巡業の詳細が発表になっていた。
演目は「獨道中五十三驛」。
猿之助さんと巳之助クンのダブルキャストでAプロ、Bプロに分かれている(詳細は→ココ)。巳之助くん、大抜擢だね。
どっちも見たいけれど、行かれそうなのは入間だけ。Web松竹の扱いはなさそうだし、直接予約をWebでするには登録が必要。電話予約となると繋がるまでどれくらいかかるか。いっそ仙台に行っちゃおうか…。今年は東北を訪れたいと思っていたのだもの。

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2016年5月19日 (木)

「忘れえぬ慕情」または「長崎の台風」

517日 「忘れえぬ慕情」(東京国立近代美術館フィルムセンター)
現在やっているのが「生誕100年木下忠司の映画音楽」。木下恵介の弟である映画音楽家忠司さんが担当した映画の特集。チケットをもらったものの、あんまり興味はなかったのだけれど、東京新聞に木下忠司さんの記事が載っていたのと、やっぱりムダにしてはいけないと、上演スケジュールの中から一番面白そうなのを選んだのがこの日の「忘れえぬ慕情」。4月から5月前半にけっこうよさそうな映画があって、もっと早くスケジュールを見ておけばよかったと後悔した。何日だったか、忠司さん本人も登場したらしい(100歳にしてお元気なのは素晴らしい)。
フィルムセンターって、京橋にあるのは知っていたが、近美のフィルムセンターっていうからそれは竹橋にあるのだとばかり思っていた。そしたら、京橋のフィルムセンターが近美のフィルムセンターだった。京橋駅からすぐでロケーションは抜群。
どうせ観客少ないだろうなあと行ってみたら、なんと上映会場の2階までの階段に行列が。一番下に並んで待つこと間もなく会場に入れた。並んだ割には5割程度の入りじゃんと思ったが、バカにしちゃいけない。上映時間直前には310名のところ9割がた席は埋まっていた。今日の映画はイヴ・シャンピ監督、岸恵子、ジャン・マレー、ダニエル・ダリュー、ゲルト・フレーベと豪華な俳優陣による日仏合作映画(1956年)だから特別入りがいいんだろうか(この3人が日本に来て撮影していたなんて、凄い凄い)。客の年齢層は圧倒的に高齢、それも意外にも男性が多い。常連さんも何人かいるようだった。

さて映画のあらすじは(以下、全部ネタバレします)。
長崎の造船所にフランスから赴任してきた技師マルサック(ジャン・マレー)と、呉服屋の若き女主人乃里子(岸恵子)は互いに恋愛感情を抱いている。ホテル暮らしだったマルサックは乃里子の紹介で、彼女のフランス語の先生でドイツ系スイス人リッテル(ゲルト・フレーベ。私:ゲルト・フレーベといえば悪役というイメージなのに、リッテルはめちゃくちゃいい人)の離れに住むことになった。リッテルは日本人女性と結婚しその実家で暮らしており、すっかり日本の生活に溶け込んでいた。この家、敷地がめちゃ広い。立派なお家なのだ。
マルサックと乃里子は順調に純愛を育んでおり、マルサックは日本滞在を2年延長することに決めた。ある日作家のフランソワーズ(ダニエル・ダリュー)が東洋の取材を兼ねて訪ねてくる。フランソワーズはマルサックの2年前に別れた恋人だった。マルサックはとまどいつつも、積極的なフランソワーズに翻弄され、よりを戻してしまう。乃里子は2人の仲を怪しみつつも、フランソワーズに着物をプレゼントすると約束し、フランソワーズは自分がつけていたブローチを乃里子にあげる。危うい三角関係は、マルサックの大阪出張で決定的になる。なんとフランソワーズがマルサックと同じ列車に乗り込んでいたのだ。フランソワーズのホテル着物を届けに行った乃里子はフロントで彼女が大阪に出かけたことを知り、ショックを受ける。それなのにマルサックは仕事がうまくいかないから帰りを延期すると言ってきたではないか。間近に迫った乃里子の妹の結婚式には出席するからと言いながら、彼が戻ってきたのは新婚旅行に旅立つ船の出航直後(私:まったく男っていい気なものだわ)。乃里子は怒ってお土産を投げ捨て、「もうフランス語は使わない」とさっさと帰ってしまう。
マルサックはフランソワーズのホテルに移る(私:ほんと、どうしようもない男!!)そんなある日、長崎をモーレツな台風が襲う。造船所で台風対策をしているマルサックのところへフランソワーズが訪ねてくる(私:しょうもなく迷惑な女!!)。激しい風雨の中1人で帰すわけにもいかず、マルサックは彼女をホテルへ送り返すため車を出すが、途中で前進できなくなり、やはり逃げまどっていた長崎の人たちとともにデパートへ避難する。
マルサックは乃里子の身が心配になり、1人デパートを出て乃里子の家へ向かう。嫉妬するフランソワーズだが、マルサックの決意は変わらない(私:なんだ、この男)。モーレツな風雨に敢然と立ち向かい、倒壊する家やぶら下がった電線をよけながら、命がけで来てくれたマルサックに乃里子は愛情を甦らせる。マルサックが身を挺して戸板が飛ばされないようにしているのを見て、私はさすがジャン・マレーの体躯だと思ったが、いくらその体躯でも台風には勝てないのは当然で、戸板ははずれ、乃里子は落ちてきた天井の梁の下敷きになって死んでしまう(私:え~っ、ここまで30分近いとも思える壮絶な台風シーンだったのに、あっけなさすぎる)。
で、台風一過、マルサックは長崎にとどまることに決め、乃里子の死と彼の決意を知ったフランソワーズは1人機上の人となるのであった。


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2016年5月18日 (水)

わくわく楽しい国芳・国貞:「俺たちの国芳、わたしの国貞」

517日 「俺たちの国芳、わたしの国貞」(Bunkamura ザ・ミュージアム)
国芳は何度も見てるし、何より渋谷だし、今回はパスと決めていた。ところが、「ぶらぶら美術館博物館」を見たら俄然行きたくなって、ついに重い腰を上げた日は雨。これなら渋谷の町も美術館もすいているかなあ…まあまあ普通の人出だった一方で、都美の若冲はみんな同じことを考えるようでお昼過ぎで210分待ちになっていた(午前中はもっと混んでたかもね)。今日18日は65歳以上無料とのことで午前1045分に320分待ち!! もう恐ろしいとしか言いようがない。
さて、国芳・国貞展は行ってよかった、見てよかった!! 各章じゃなくて、ここでは各幕のタイトルがわくわくさせて楽しいの。このアイディアが浮かんだとき、してやったりと思ったんじゃないだろうか。
一幕目の一「髑髏彫物伊達男(スカル&タトゥー・クールガイ)」
国芳の水滸伝ものに、国貞の「当世好男伝(とうせいすいこでん)」松竹梅は役者が演じるクールガイたち。国芳は躍動感と力強さにあふれ、国貞は役者のカッコよさを描き出している。どちらも人気があったのがわかる。とくに役者絵は当時のブロマイドとしてさぞ売れたんだろうなあと思う。
一幕目の二「物怪退治英雄譚(モンスターハンター&ヒーロー)」
国芳の「相馬の古内裏」をはじめとする色々。国貞は里見八犬士。国芳はダイナミックだ。私はちょっとユーモラスなところもある「岡部猫石」が好きだな、やっぱり(以下、絵のタイトルは長いので一部のみ採用。たとえば「相馬の古内裏」は「相馬の古内裏に将門の姫君瀧夜叉妖術を以て味方を集むる 大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り 竟に是を亡ぼす」)。国貞の八犬士は芳流閣の場面で、12枚、4階までの8枚で成り立っており、もちろん全部揃ってその場面になるのだが、11枚を別にしても絵として成り立っている構成が素晴らしい。
一幕目の三「畏怖大海原(ホラー・オブ・ウォーター)」
ここは国芳のみ4点。椿説弓張月とか大物浦とか。やっぱり国芳のダイナミズム、躍動感には心躍るね。
一幕目の四「異世界魑魅魍魎(ゴースト&ファントム)」
国芳には物語性が感じられる。国貞は清玄を在原業平に見立て、モデル(?)は八代目團十郎。恨めし気な表情が印象的。
一幕目の五「天下無双武者絵(サムライウォリアー)
6
点全部、国芳の合戦もの。私がとくに興味深く思ったのは「宇治川合戦之図」。有名な場面だし、佐々木四郎高綱に梶原源太景季だもの。首ぎりぎりまで川に浸かった馬の表情がリアルに緊迫感を醸し出している。すげぇーと思ったのは「水瓶砕名誉顕図(みずがめをくだいてめいよをあらわすのず)」。馬に乗った柴田勝家が敵を蹴散らし斬りかかり、やられた敵は体をのけぞらして宙に飛んでいる。国芳の絵って、国芳ばかりがすごいって言われるけれど、彫り師と刷り師はもっと凄いんじゃないかっていつも思う。

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2016年5月16日 (月)

爆笑2時間:段之、徳松ふたり語り

513日 歌舞伎夜話「段之、徳松ふたり語り」
めちゃめちゃ面白かった。
徳松さんの暴走トーク(戸部氏はもちろん、段之さんでさえ引く暴走ぶり)に笑った笑った。歌舞伎夜話はメモを取らないし、時様の時は必死で頭に叩き込めたのに、今回は徳松さんのおかしなおかしなマシンガントーク(ご自分もバンバン話すけれど、そこからすっと段之さんに話を振るのがうまい)に笑い過ぎて、それに2人の口調や表情(段之さんの猿之助真似顔とか。段之さんをご存知の方は想像つくでしょう)が面白すぎて、文ではレポしきれない(だいたいこんな話だったということで)。
チケットは5分で完売したそうだが、取れたのはラッキーだったんだ。「5分で完売ってあんたたち何やってるのよ、貴重な時間を。こんなとこ来ちゃだめでしょ」と徳松さん。今日は松也さんも来るって言ってたんだけど、用事が入っちゃったんですって。残念。
徳松さんは和服、段之さんはユニクロと猿之助コラボのTシャツをジャケットの中から控えめに見せて(あとで、バッチリ見せてくれた)。座る時、徳松さんは「ずいぶん高いわね」(確かに、スツール高い!!)着物の裾がはだけそうになり「チラリズムもいいかしら」。段之さんが「迷惑よ」(うん、私も徳松さんのチラリズムは遠慮しておく)。徳松さんは座りにくいスツールのせいか、何度も立ち上がって文字通りの熱弁。1時間~1時間半という予定を大幅に過ぎて2時間たっぷり笑わせてもらい、と同時に、お2人の歌舞伎愛、歌舞伎熱、師匠と坊ちゃんを思う心に大いに感銘を受けた。

13日の金曜日>
徳松さんがやけに13日の金曜日にこだわる。しょっぱな「13日の金曜日にこの2人よっ」。「なぜ13日の金曜日なの。スプラッタ気味…」。ラストで、「また段之さんと一緒になることあるかしら」に戸部氏、「また歌舞伎夜話をこの2人でやりましょう」。で、じゃあ、「また13日の金曜日に」って(まだまだ話し足りないみたいなの)。戸部さんが13日の金曜日は年に何回かあるって言ってたけど、今年はもうなくて、次は来年1月と10月。ぜひ実現してほしいわ。

<徳松さんと段之さんの共通点>
徳松さんが「あたしたち2人には共通点がたくさんあるの」。
・段四郎さんと松助さんが同い年。
・師匠は2人とも立役、本人たちは女方。
2人とも坊ちゃんの世話をしている。
・坊ちゃんどうしの年齢が近い。
・坊ちゃんが勉強会をやっている。
2人とも毛で悩んでいる。でも徳松さんは「舞台では鬘かぶるし、普段もこのままでいい」。段之さんは「最近克服しつつある」(段之さんが入ってきた時、以前より毛が増えたなと思っていたら、やっぱり!!)。


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2016年5月14日 (土)

10月名古屋錦秋公演、演目

10月の名古屋公演の演目が発表になっていた→ココ
先般、名古屋公演の日程がわかった時は「遠征できるかしら」と書いたが、絶対行きたい!!

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2016年5月13日 (金)

若冲狂騒曲

11日、再び若冲を見に行った。午前の時点で220分待ち。
3時間待つとして最終入室5時かた逆算して2時前に都美へ。通常の入口近くに行ったらそこはもう行列。当然ではあるが、どういう具合に行列ができているのかわからなかったから、とりあえず入口を目指したのだ。列は都美の建物に沿って旧東京音楽学校奏楽堂の先で折り返し。160分待ちと出ていた。
行列整理の人がこまめな水分補給を呼びかける。しかし水分摂ったらトイレに行きたくなるじゃないね~。行列中にトイレなんて、1人で来てたら無理。
「この混雑は今日だけではありません。いつもです」って、メガホン。
待ちました。2時間弱。やっと都美の建物にたどり着いたが、そこでまた30分待ち。私はこの30分がつらかった。この日は曇りで風も強かったから、時間は長くても外のほうが楽だったような気がする。いつも痛む足指がまたしびれてきて立っていられないほどにはなったけれど、それでも最後の30分が精神的にきつかった。最終的に140分強くらいだっただろうか。
中に入っても四重五重の列の外から人の頭の隙間を通して絵が見える程度。なんとかすいている場所を見つけてもぐりこんでも、最前列には辿りつかない。美術館の人も、すいているところからご覧くださいって声を嗄らしているけれど、すいているところなんてそうそうないもの。結局、動植彩絵は好きなものだけ重点的に見て他は流すにとどまった(それでも素晴らしさはわかる)。もう既に疲労困憊状態で入室したからね…。
都美の人にきいたら、5時までに並んだ人は全員入室できるけれど、6時には出てもらうって言ってた。

今日は知人が夕方5時前に行ったが、180分待ちだということで諦めたそうだ。金曜日は8時までやっているから夕方がすいているんじゃないかという見通しは大甘だったね。私はみんなそれを狙うから逆に混むんじゃないのって思ってた。今日は公園入口(西美のあたり)でも180分待ちの看板を持って立っている人がいて、「入るには入れても、すぐ出てもらうことになるかもしれない」と説明していたそうだ。
だったら、最低30分でも見られる程度の時間で行列を打ち切ればいいんじゃないの。本当は1時間ないと見切れないんだけど、せめて30分は見せてよ。あるいは整理券を配るとか。払い戻しはないのか、と噛みついている人もいたらしい。そりゃ、今日しか見られない人は噛みつきたくもなるわよね。
とにかくこの狂騒ぶり、ひとつにはNHKや「美の巨人」
の影響だろうな…(連休前は20分待ちで入れたっていう知り合いもいたもの)。正直、みんなそこまでして見たいのかと疑ったが、中の熱気は「そこまでして見たい」ということを物語っていた。確かにそこまでして見る価値もあるものなあ。
それにしても、みんな体力あるし、えらいなあ。体中が痛く、自分で自分の顔がげっそりしているとわかる私は、
本当に情けなくなった。もっと体力つけないといかんなぁ。

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2016年5月12日 (木)

ニナガワ死す

蜷川幸雄さんが亡くなった。
酸素吸入チューブをつけてもなお精力的に演出に情熱を傾けていた蜷川さんだから、信じられない思いだ(息子や娘から第一報が届いても信じられなくて、自分で確認するまでブログにアップできなかった)。
色々なお芝居で楽しませていただいた。ありがとうございました。
何日か前、もう一度「十二夜」を見たいなあと思ったところだった。追悼公演はむずかしいだろうか…。
今はただご冥福をお祈りいたします。

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2016年5月10日 (火)

線、色彩--上品な日本画の魅力:安田靭彦展

54日 安田靭彦展(東京国立近代美術館)
160510yasuda1 1
週間経っちゃった…。安田靭彦の絵には大いに感銘を受けたのだけど、まだ何となく調子悪いから、簡単に。

安田靭彦の名前はもちろん知っているけど、どんな絵を描く人だっけ…程度(情けない)。
まず驚かされるのは10代にしてほとんど完成された(と素人目には見える)絵を描いていること。「木曽義仲図」15歳、「静訣別之図」16歳、「遣唐使」16歳、「宇治合戦図」19歳。後の絵と趣が違う。
どの作品も よすぎて好きで、きりがないから作品名は挙げないけれど、線がしっかりしているように思った。線というのは輪郭線ではなくて(輪郭線のない作品もたくさんある)、端正に仕上がっているというか、見る者の視線をしっかり受け止めるようになっているというか、うまく表現できないのだけど、とにかく<絵の線>がいいと思ったのだ。それから色彩が澄んでいて美しい。人物の三白眼も好きだ。その色彩と三白眼によって人物たちは<静>に見えながら(<止>のように見えたりもする)、<動>あるいは<あふれる感情>を感じさせる。
160510yasuda2 人物画が印象的ではあるが、風景画や花の絵も好き。
そうそう、日本画家オールスターズといった感じの「東都名所」もよかった。題字は大観で絵は「不忍」、靭彦は「桜田門」。大正末期の東京の風情がしみじみ伝わってきて、東京という町をやっぱり好きだと思った。
展覧会は15日まで。上品、上質な日本画の良さを知る安田靭彦展、絶対お勧めです。

なお、MOMATもぜひ。目玉は安田靭彦がコメントを寄せた「靭彦☆リコメンド」だが(
私は時間がなくてコメントをあまり読むことができなかったのが残念)、他にもいい作品がいっぱい(新宿の風俗を撮影した写真が面白かった。寺山修司がいたな)。靭彦展のチケットがあればMOMATも見ることができる。

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2016年5月 8日 (日)

来月が思いやられる

安田靭彦展がとてもよかったのに、ずっと体調が悪く(なんか、体じゅうが痛いのよ)、仕事にもブログにも家事にもなかなか気力体力が向かない。やっと少しよくなってきた今日は6月歌舞伎座発売日。
アラームもかけてスタンバイして、10時。
公演一覧から先、ぜ~んぜん進まない。ただ○がぐるぐる回るだけ。
どうしようと考えあぐね、携帯から入ってみることにした。
「ただいま込み合っています」
何度もトップページに戻ることを繰り返していたら、画面が変わった!!
ところが、こちらでもログインしなくてはならない(当然だよね)。携帯からのログインは以前に比べれば楽になったけれど、パソコンで慣れているからね~bearing
まあ、そんなこんなでどうにか希望の日に行きつき、希望の席ではなかったけれどなんとか席を指定し(最初に指定したのが取れなかった。それも希望の席じゃなかったけど、仕方ない)、作業を進めたら、「接続が途切れました」ってshock 戻ってやり直したら、また「接続が途切れました」。これを3回繰り返し、やっと無事に確保。ま、千穐楽第3部だから人気なのはしょうがないよね。正直、猿之助さんの宙乗りは何度も見てるし、千穐楽でなくても、下手側の席でなくても、と思いつつも、やっぱりそれを狙ってしまった。
第1部、2部は無事に希望の日、希望の席を確保。でもこれも1度は「接続が途切れました」になったよ。
この混雑、猿之助人気に加えて日曜日ってこともあるのかなぁ。
来月の発売日は平日ではあるものの、いまから思いやられる(6月第1部、うっかり8日に取るところだった。直前に気がついてホッ)。

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2016年5月 4日 (水)

七月歌舞伎座演目発表

昼の部
通し狂言 柳影澤蛍火
 柳澤吉保:海老蔵
 徳川綱吉:中車
 護持院隆光:猿之助
流星:猿之助(また、宙乗りがあるぅhappy02

夜の部
荒川の佐吉
 佐吉:猿之助
 相模屋政五郎:中車
 成川郷右衛門:海老蔵
鎌髭:海老蔵、左團次
景清:海老蔵、猿之助

うかれ坊主様に情報をいただき、歌舞伎美人でやっと見つけました(ニュースばっかり見ていて、公演情報に目がいかなかった。歌舞伎美人のリニューアルに未だに慣れないbearing)。
昼の部は見たことのない演目だし、夜の部は私にとって佐吉=仁左様の佐吉を猿之助さんが演じるのが新鮮で楽しみ。でもチケット厳しいだろうなあ。

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2016年5月 3日 (火)

レスター優勝、おめでとう

岡崎の所属するレスターがプレミア初優勝good
おめでとうsign03
マンUに勝てば決まるところを引き分けたため、こういうのは勢いで決めないとと心配したが、翌日トッテナムがチェルシーに負けて、優勝が決まった。
最近サッカーに(というかレッズに)あまり関心がもてなくなっていたが、久しぶりに胸の熱くなる思いがした。地元のチームっていいものだなという気持ちにもなった(当然、地元じゃないけど、なんてったって岡崎が所属してるんだもの)。
ブンデスで結果を出したからと言って、プレミアでも活躍するとは限らない。そういう意味でも両方で活躍の岡崎は本当にすごいhappy02

 

海外で活躍する日本人選手でもう一つ嬉しいこと。
長谷部まこちゃんが、30日の対ダルムシュタット戦でMOMに選ばれたことhappy02 残留に向けてまこちゃん、頑張れ。
まこちゃんが戻ってきたらまたレッズの試合見に行こうと思ってるけど、所属するフランクフルトでの信頼が厚く、フロントとして残る可能性も示唆されている。それも嬉しいけど…。

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2016年5月 2日 (月)

和も洋もテレ東

洋は「キャッスル」。
2012年にNHK BSでシーズン1を見て以来、待ち焦がれていたシーズン2を去年テレ東で放送してくれて(NHKは上がりかけていたハシゴを途中ではずされた感じよ)、今またシーズン3が放送されている。シーズン4も続くらしく、くっつきそうでなかなかくっつかないキャッスルとベケットの関係も含めて毎日の楽しみ。
和は「眠狂四郎円月殺法」。
中学か高校の頃、小説にはまり、ニヒルといえば狂四郎、ずっと憧れのヒーローだった。でも映像化されたものを見る気はしなくて、市川雷蔵版も片岡孝夫版も見ていない。ところが「お命頂戴!」が終わっちゃって寂しく思っていたところへの「円月殺法」だから、内容がエロくてもグロくてもエグくても哀しくても見ないわけにいかない。そしたらいきなり竹下景子とのキスシーンがあったりして(竹下景子が若くてかわいい)coldsweats01
「お命」で内藤左門が仕えていた将軍家慶(伊吹吾郎)が、週が明けたら狂四郎を狙う薩摩方の武士とはbleah
「お命」ではまだ幼かった孝太郎ちゃんが「円月殺法」では幼さを残しながらも孝太郎クンになっていて、演技もとてもよかった。山田五十鈴ってすっごくきれいだったんだな。
「お命」では松之助さん、顔ではなかなかわからず(若い!!)声でわかったが、「円月殺法」では未だにわからない。
内藤左門は最後に人差し指と中指を揃えて刀を鞘にちゃりんと納めるのがカッコよい(その指の美しいこと)。狂四郎は親指を鍔にかけてかちっとちょっとだけ抜き出すのがカッコいい。
小説で抱いていた狂四郎のイメージはもう完全に仁左様に入れ替わっちゃって、思い出せない(転び伴天連と日本人女性のハーフだから、小説では赤毛だったんだよね。それもイメージできなくなっている)。
とまあ、楽しみにしている両ドラマなんだけど、1日に2本見るのは案外きつい…。

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2016年5月 1日 (日)

健康的な1日@東京競馬場

昨日、知り合いに東京競馬場に連れて行ってもらった。
大井のトゥインクルレース経験はあるが(何年前だったか、武豊騎手を見て盛り上がった)、日中、しかも中央競馬は初めて。
府中本町駅で大勢降りたが、競馬新聞を持っているオジサンはほとんどいなくて、家族連ればっかり(大井は駅に降りた時からにおいがしたけど、府中はにおわない)。みんなどこ行くの?と思ったら、みんな競馬場に行くんであった。競馬場の広い緑の芝でピクニックなのね。天気はいいし、途中から風が強くなったけど、気持ちのいい空気で、遊具もあったり、馬のショーみたいなのもあったり、競馬博物館も興味深いし、競馬観戦以外にもたくさん楽しめる。
1万5000歩超えで、健康的な1日を過ごした。

1605014
第10レース(春光ステークス)、スタート。

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