« 日本初公開がいっぱい:恐竜博2016 | トップページ | 歌舞伎鑑賞教室「魚屋宗五郎」 »

2016年6月 6日 (月)

自らの文化が生き続ける限り、その国はいきながらえる:黄金のアフガニスタン、バーミヤン大仏天井壁画

61日 「黄金のアフガニスタン」(東京国立博物館表慶館)
    「バーミヤン大仏天井壁画」(東京芸術大学陳列館)  
    「いま、被災地から」(東京芸術大学美術館)

2日続きで上野へ。本当は11件感想を書きたいのだけれど、今、モーレツに忙しくて。ということで、展示品には触れずに全体的な感想を簡単に。

1606061 「黄金のアフガニスタン」はNewsWebが終了する前、この展覧会を紹介する月曜ナビゲーター橋本麻里さんの言葉――アフガニスタン国立博物館の前に掲げられた「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」――を聞いて以来、どうしても見たかった。
まさに「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」を全身で感じ取る展示であった。ソ連侵攻による政治的混乱、文化財の略奪、タリバンによる破壊等に遭い、多くの貴重な文化財が失われたことを思うと心が痛む。そんな中で、人々の努力によって守られた収蔵品もある。大統領府の中央銀行地下金庫室に運ばれたティリヤ・テペの遺宝、黄金製品、情報文化省の預りとなったバーミヤンなどの遺物、これらは文化財の保護に尽力した人たちが内戦の間けっして秘匿場所を明かさなかった(家族にさえ)ことにより、無疵で守られたのである(ナチス・ドイツから美術品を守った人たちもいったっけ)。まばゆいばかりの見事なティリヤ・テペの黄金製品や、東西文化の混合した貴重な遺物は、そのおかげで今回私たちが目にすることができるわけである。

1606062 バーミヤンの東西2体の大石仏は人々の心のよりどころであったと言う。それがタリバンによって破壊された。自分たちは破壊の前に無力であった、と涙ながらに語る関係者の言葉を聞き、私も泣きそうになった。芸大陳列館の2階に上がった途端、思わず「あっ」と声をあげた。東大石仏の頭上に立ったという設定で正面にはバーミヤンの広大な風景が広がっている。四季の移り変わり――雪も降るんだ。アフガンって岩だらけの国だと思っていたが、緑の広野が展開して、遠くには山が望める。上を見上げれば、このたび復元された天井壁画が。そして、1階会場同様、日本に流出した文化財が展示されている。
日本には102点が流れてきて保護されており、それらは故国アフガンに返還されるそうだ。102点のうち15点は「黄金のアフガニスタン」で、87点が芸大で展示されている。
異教・異主義の文化を破壊する行為は私にとって歴史でしかなかった。しかし今回こうしてアフガンの文化財とその迫害・保護を目で見て肌で感じると、あの言葉「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」の真実が、そしてその国その地方の文化はその国・地方だけのものではなく人類みんなの財産だということがひしひしと感じられるのである。







1606063 「いま、被災地から」は、東北生まれだけでなく、東北に移住したり一時期東北で過ごした芸術家の作品が展示されている。2011年に同じ芸大美術館で東北の芸術を見てからもう5年が経つのか。時間がなくなってしまって駆け足で見たのだが、好きな作品がたくさんあった。津波被害を受けた美術品の復元、保護にどれだけの尽力がされていることか…文化は生き続ける。胸が熱くなった。

|
|

« 日本初公開がいっぱい:恐竜博2016 | トップページ | 歌舞伎鑑賞教室「魚屋宗五郎」 »

展覧会」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 日本初公開がいっぱい:恐竜博2016 | トップページ | 歌舞伎鑑賞教室「魚屋宗五郎」 »