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2016年7月13日 (水)

6月分①:歌舞伎座第一部

614日 六月大歌舞伎第一部(歌舞伎座)
やっと仕事が終わった。1カ月遅れになってしまったけれど、自分の記録と記憶のために観劇・鑑賞の記録はぼちぼちながら残しておこうと思う。
3
部制は8月には2部通しで見ていたがそれもけっこう疲れるので、今回は3部バラバラに見ることにした。そうしたら、いつも昼の部は眠いのに、第1部バッチリ目覚めていられた。
「義経千本桜 渡海屋」
色々楽しみがある中で、ミーハー的楽しみはやはりタケルくん。
なんて可愛いの!! 半面、子供だからちょっとハラハラ。でも、全然心配いらなかった。じっと動かないでいるのも立派だったし、右近さんがセリフ一つ一つに込められた安徳天皇の思いをタケルくんに教えた成果が見事に実を結び、大物浦では感動して泣いた。
渡海屋ではタケルくんと入れ違いに右近さんが登場。前半の相模五郎ってこんなに立派な武士だったっけというくらい、コミカルな印象が強かったが、右近さんの相模五郎はそういう私の思い込みを吹き飛ばした。考えてみれば、一応北条家の家臣という触れ込みなんだから、立派な武士であってもちっともおかしくない。その武士らしさを失わずにあのコミカルな曲がった刀延ばしとか魚づくしがあるから面白い。魚づくし、丁寧でわかりやすく、ウケていた。亀鶴さんの入江丹蔵は前半はいまひとつサエなかったような気がした。
染五郎さんは、渡海屋銀平としてはあまり大きさを感じなかったし、白装束になった時は大きく見せようとして力が入り過ぎているように思った。しかし大物浦では知盛の悲痛な心情がよく表れていて、私も知盛の気持ちに入り込むことができた。
猿之助さんのお柳は夫の自慢話の後の「おほほほほ」で、思わずといった感じの拍手を受けていた。今までこんなこと、あったかな。猿之助さんは熊の皮(?)を敷いて天皇を座らせるあたりから、お柳ではなくなって典侍の局になっていた。安徳帝にお神酒を飲ませ、知盛にもお流れを酌する場面は、3人の行く末を知っているだけに、悲しい気持になった。局の天皇を守ろうとする気持ちの強さが伝わってくる。

「大物浦」
屋体の下手側にでっぱりがあって、小さな碇が置いてあるのは、「碇知盛」だからか。
右近さんのご注進はメリハリがあって、力強く動きもきれいでカッコよかった。
3
階最後列からは沖が見えないのが残念だったが、沖を見て嘆くあたりから悲しみが漂ってきて、丹蔵の報告で絶望的な状況になったのを知った局が天皇の顔をじっと見つめるところで泣けた。そして屋体をおりて平場で嘆く局の心が切々と伝わってきた。
あの恐ろしい浪の下へただ1人行くのかやという安徳帝のセリフ、泣けた。辞世の歌では拍手が湧いた。
共に海へ飛び込もうとするところで、帝を義経四天王に奪われた時の局にも泣けた。事情がわからず、突然大事な御方を奪われたショックととまどいは如何ばかりだったか。知盛の前に義経と一緒に現れた局の心――多分だけど、知盛に対して、天皇を敵に奪われたすまなさがあったんじゃないか――が、とぼとぼというかしおしおというかした歩調に感じられた。
染五郎さんの知盛は、「天皇はいずれにおわす」が幸四郎さんに似ていた(吉右衛門さんじゃなくて)。「て~んの~う」の声は違うのに、なんか感じが似ていたのだ。知盛の衣裳の背中でぴろぴろしているしっぽみたいなのが気になってしまったけれど、全体に悲壮感が溢れ、天皇の諭しでがっくりきて壮絶な死を選ぶ豪快さは線が細い部分もありながら十分見せていたと思う。入水は感動して泣けた(私はいつも官女たちが次々と身投げするところで泣くのだが、今回は久しぶりに、あちこちでずいぶん泣いたな)。
松也さんの義経はイメージ違いな気もしたけれど、情も見せて悪くなかった。ただ、知盛の入水を見守る立ち姿がちょっと?な感じだった。
幕外で弁慶だけが残った時、席を立つ人が多いのに驚いた。義経一行が花道を去ったので終わりだと思ったのだろうか。だとしても、まだ花道に弁慶が残っているのに。知盛へ向けられた弁慶の鎮魂のほら貝は、観客にとっても心を鎮める大事な音だと思った。
「時鳥花有里」
梅玉さんとセリ上がってきたのが誰だか最初わからなかった。声を聞いて東蔵さんだとわかった。立役の東蔵さんでこういう踊りは初めて見たかも。
染五郎さんが官女の人形を持って踊る姿は、今見たばかりの大物浦を甦らせた。なんかよくわからなかったけれど、みんなきれいだったし、三ツ面の踊りは面白かったし(後見が猿四郎さんだったからビックリした)、その後の知盛の面はやはり大物浦だし、まあそれなりに楽しめたというところか。春猿さんと笑三郎さんが踊っている時に、春猿さんの顔って本当にきれいな卵形をしているなあと思った。
<上演時間>「碇知盛」120分(11001300)、幕間30分、「時鳥花有里」24分(13301354
これくらいだと、体もきつくないし、いいわ~。

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