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2016年7月21日 (木)

6月分⑥:ポンペイの壁画展

623日 「ポンペイの壁画展」(森アーツセンターギャラリー)
160721pompei これももう終わってしまった。父の月命日だったけれど、天候を言い訳に前日に墓参をすませ、この日は六本木へ(よんどころなくない用事で墓参の日を変更するのはなんか気がひける)。
子供向け雑誌だったかリーダーズ・ダイジェストだったか、ポンペイの悲劇を読んで大きな衝撃を受けた覚えがある。ポンペイの遺跡から、当時の生活がそのまま現れた、すなわち人々はのどかに昼食をとっている時に噴火に襲われ、どの生活のありさまがそのまま残っていたというような記事だったと思う。
この展覧会を見て忘れられないその記憶をまた新たにし、当時も我々と同じ人間が同じような営みを行っていたのだ、災害の多い日本にあってポンペイは決して遥か昔の他人事ではない、との思いを強くした。
バラバラになった壁画の破片をパズルのように組み合わせて復元していく努力には、当然研究という面があるにせよ、そういう人々の営みをいつくしむ心が感じられるように思ったのは、展示する側にもそんな心が見えるような気がしたからだろうか。なお、壁画は重いものだが、復元は表面のみ剥がして軽いパネルに貼ったそうだ。
展示は「Ⅰ 建物と風景」「Ⅱ 日常の生活」「Ⅲ 神話」「Ⅳ 神々と信仰」の4セクションに分かれていた。
家々(おそらく裕福な家々だろうが)は多くの壁画や装飾品で飾られ、豊かな文明、高度な芸術がポンペイの町を彩っていたことだろう。ポンペイの文化はヘレニズムの影響を強く受けていたようで、建物やフレスコ画などにそれがあらわれている。ギリシア文化=洗練だったようだ。2000年前にすでに遠近法が用いられている壁画もあった。
「戦車競走」はヴェスビオ周辺都市で戦車競走を描いた唯一の壁画だそうだ。神話の描かれた壁画はギリシア神話がほとんどで、ストーリー性を重視している。
「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」(写真の上半分はその一部)は本邦初公開だとかで(では、他の壁画はすでに公開されているのか…)、ヘラクレスの筋肉が実に見事だ。いや、筋肉だけでなく絵画としても美しい。
「踊るマイナス」(写真の左下)は薄い衣裳の軽やかな流れがとても魅力的。
衝撃的だったのは「天球儀」だ。3月にDNPで見た天球儀は1617世紀のものだったと思うが、ポンペイには天球儀を描いたフレスコ画があった!! 断片をつなぎ合わせたものの半分にも満たないのだけれど、これはちょっと感動的だった。
ひとつの驚き…ポンペイの赤と言われるが、もとは黄色だった? 噴火の熱で赤に変色したんだとか。本当? 頭の中であの赤を黄色に置き換えるのは難しい…。
さて、ベスビオはAD79724日(小プリニウスの記述から)午後1時に噴火した。そこからのシミュレーション動画が大変興味深かった。
7/24
 13時:噴火、14時:噴煙柱、15時:降灰、16時・17時:ポンペイに降灰。
7/25
 0時・1時:火山雷、4時:火砕流、5時・6時:エルコラーノに火砕流、7時:ポンペイに火砕流届く、8時:火砕流がポンペイをのみこみ、ナポリ湾へ。
ポンペイは火山灰に埋もれ、エルコラーノは火砕流で壊滅したそうだ。ベスビオ噴火の恐ろしさはそのまま、日本の火山噴火への危惧となって、でも自然に逆らうことはできないよな~、どこかで大噴火が起きたら日本は壊滅状態になるかもと、ちょっとぞっとした。

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