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2016年8月 5日 (金)

7月分①:巡業東コース

71日 松竹大歌舞伎巡業東コース(北とぴあ さくらホール)
1カ月遅れどころじゃなくなっちゃった。
さて、王子ではいつも安く見られる夜の部をみるが、今年は去年の倍額だった(それでも安い)。
「ご挨拶」
染五郎さんがスーツ姿だったのにちょっと驚いた。どの会場もスーツで通したらしい。
北とぴあは平成3年から巡業をやっている。染五郎さんは21年に「奴道成寺」を踊っているが、座頭は今回が初めて。「王子について調べた」と言ってファイルを開く。「王子と言えば狐。歌舞伎の千本桜、安倍晴明も狐である(晴明は染五郎さんが3年前に演じている)。王子には中国楽器屋があり、4月に演じた空海で使った楽器はそこで購入した(へ~!!)」
「巡業は27カ所、50公演と、体力勝負である。自分は肉が大好物で、自宅近くでよく行くステーキ屋『ケネディ』が王子にもある。終演後に行くつもり」
「歌舞伎は積極的に見て、悲しかったら泣いて、カッコよかったら拍手して、面白かったら笑って」
「興ざめなのは携帯…」と言いかけたところで染五郎さんの携帯に着信音が。「以前、1番前の座席にいた昔のお嬢様の携帯が鳴ったことがある。なんと出て『いまお芝居見ているから後にして』と言っていた」

「晒三番叟は源平の話。目と耳で楽しんで。松浦の太鼓は秀山十種の一つ。初代吉右衛門から二代目吉右衛門に受け継がれている。叔父に教わってこの巡業で初めて演じる。全員が初役であるが、今回が4回目(初日に2公演、2日目の王子も2公演だから)。暖かいご声援をお願いします。大高源吾を演じたことがあるが、今回は歌昇クンがやる。先輩から後輩への芸のつながりを見てほしい」
「壱太郎さんは5月は休みでハワイに行っていた。海を見つめ、木々に囲まれ、海に潜って心がきれいになったそうだ」
染五郎さん、それぞれのご当地に合った話題を取り上げるの、たいへんだっただろうな。昼夜公演の場合は同じ内容だったんだろうか。
「晒三番叟」
三番叟ものとしてはかなり珍しい踊りだった。曽我太郎の娘二の宮、実は平忠度(父がよく無賃乗車のことを「薩摩守」なんて言ってた。私にとっての薩摩守は坂東吉弥さん――彌十郎さんのおにいさんです――。菊五郎さんと純子夫人が結ばれるきっかけとなった「源義経」で忠度だった)の娘・如月姫が盗んだ源氏の白旗を用いて布晒しを見せる。新体操のリボンみたい。色々変化があって楽しめた。

「松浦の太鼓」
染五郎さんのセリフ回しがところどころ吉右衛門さんにとても似ていた。其角の句~源吾の句を考え込む姿、太鼓を聞いて喜ぶ姿がこれまた、吉右衛門さんに似ていた。教わったんだから当たり前か。今回へ~と思ったのは、松浦の殿様ってそんなに色好みだったのかってこと。今までそこに気づいていなかった。
染五郎さんにはやわらかさがちょっと不足するように思えて、声の張り上げなどやり過ぎな気もするが、おおむね心の動きがわかって面白い。舞台と客席が盛り上がる。この演目は何回か見ているから先はわかっているのに、早く、源吾の句の意味に気がついて!!と心の中でじりじりしたり、これからどうなるかとワクワクさせられた。「ばかもの」と繰り返す染五郎さんはコミカルだった。
ぬいの高麗蔵さんは雀右衛門さんに似ていた。と思ったら、やっぱり雀右衛門さんに教わったんだとか。教わった人に似るというのが歌舞伎の面白いところでもある。ぬいがお茶をもってきたのに殿が怒っている。其角の機転で怒りが解け熱いお茶に淹れ直したのに又なんだかんだとあって、これじゃせっかくのお茶が又さめるじゃないの、とつまらぬことが気になった。
歌昇クンの大高源吾は煤竹売りに身をやつしたみすぼらしい姿(雪の中、実に寒そうである)が悲しげに見えた(討ち入りの覚悟は覚悟としてお別れの気持ちが感じられた)が、討ち入りの成功への若々しい喜びが爽やかだった。
橘三郎さんの其角は、花形の中にあっていぶし銀の芸を見せていた。
「粟餅」
わずか15分の幕間で染五郎さん、松浦侯から杵造へ。あいかわらずタフな染五郎さんだ。六歌仙のところはわかる部分とわからない部分があったが、染五郎さんと壱太郎クンの息が合った華やかで楽しい餅つきには客席も大いにウケていた。江戸の風俗を身近に感じられて、それだけでもうきうき。染五郎さんは素敵だったし、いい気分で帰路についた。
<上演時間>「ご挨拶」10分(17001710)、「晒三番叟」25分(17101735)、幕間20分、「松浦の太鼓」75分(17551910)、幕間15分、「粟餅」20分(19251945

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コメント

SwingignFujisan様、こんにちは!
私が拝見したのが7/30ですから、ちょうど1か月たった頃なんですね。
「ご挨拶」の染五郎丈、とっても楽しかったですよね! 私が拝見したときの壱太郎丈情報は、「壱太郎さんの楽屋は練習用のピアノが設置されている部屋で、昼の部と夜の部の間にはピアノを弾いて、晒三番叟の気分を高めていらっしゃいました。弾いていた曲は…猫ふんじゃったでした(笑)。」でした!(どこまでが本当なのでしょう!)
その染五郎丈、研の會、そして八月歌舞伎座…。本当に、タフでらっしゃいますね。ご自愛を祈るばかりです!
オリンピックも始まりました! 毎日忙しくなりますね(笑)。

投稿: はなみずき | 2016年8月 7日 (日) 19時38分

はなみずき様
こんばんは。コメントありがとうございます。
私は初日の翌日、はなみずき様は前楽だったんですね。まさに1カ月ですね。
壱太郎クンの「猫ふんじゃった」には笑いました。染五郎さんらしい情報ですね。そう言っている時の染五郎さんのすました表情が目に浮かびます(又、趣向の華を見たい‼)。
染五郎さんのご活躍は嬉しいのですが、この暑さにダラダラくたっている私は、あそこまで身体を酷使していらっしゃる染五郎さんが心配です。

オリンピックは開幕前は全然盛り上がっていなかったのですが、始まるとやっぱり気になります。今日もメダルのシーン、何度も見てしまいました(コースケがもう1人)。
イチロー選手もあと1本ですね!!

投稿: SwingingFujisan | 2016年8月 7日 (日) 20時56分

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