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2016年8月 8日 (月)

7月分③:江戸絵画の華やぎ

714日 「美の祝典 江戸絵画の華やぎ」(出光美術館)
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日までの会期だから、相も変わらず滑り込み。実はこの後、歌舞伎座へ行くのでちょうどいいと思ったこともあって。
出光美術館は初めて行ったが、アクセスはいいし、企業の美術館だから規模もちょうどいいし、きれいだし、美術館としてだけでもかなりよかった。そして展覧会もとてもよくて大満足。
「美の祝典」は、Ⅰ期が「やまと絵の四季」、Ⅱ期が「水墨の壮美」、Ⅲ期が「江戸絵画の華やぎ」で、私が見たのは後期である。
「洛中洛外図屏風」、「祇園祭礼図屏風」、「江戸名所図屏風」。こういう屏風はよくわからなくておおむね、さっと見て流してしまう。ところが、今回の展示では地図が添えられていて、絵の中の通りが何通りであるとか、建物が何であるとか、よくわかる。こういう展示法は初めて見た。学芸員さんは大変だろうけど、こういうふうにしてもらえると、絵にもさらに興味が湧くし、ありがたい。もっとも、トーハクみたいなところでそうすると、そこに人がたまっちゃって混乱するかも。
ほかに、「南蛮屏風」、酒井抱一の「風神雷神図屏風」、「紅白梅図屏風」、歌麿等々、すごい作品がいっぱい。歌麿「更衣美人図」をはじめとする肉筆浮世絵が江戸絵画の華やぎを象徴する。屏風の展示は照明も含めた雰囲気という点で、ここの美術館が一番合っているかもしれない。
この展覧会の目玉は国宝「伴大納言絵巻」、Ⅲ期は下巻の展示である。出光さん、こんな素晴らしいものを持っているとは!! 登場人物、ストーリーなどていねいな解説を頭に入れてから実物を見る。下巻は真犯人検挙が描かれており、場面場面における人々の緊迫感、不安、悲しみ、安堵、喜びの表情から、犯罪者にも一族郎党がいて一つの犯罪が彼らを絶望のどん底に陥れるのだという切なさ、現実の厳しさが伝わってきた。応天門放火の動機は史実でははっきりしていないそうだが、絵巻では伴大納言が出世のために火を放ち源信に罪を着せ、しかし子供の喧嘩がきっかけで伴大納言のたくらみがバレてしまったことになっている。もちろん他人を陥れようとした伴大納言のたくらみは許せるものではないが、家族や家来の嘆き悲しみを思うとなんか気の毒になってしまった。印象的なのは最後の伴大納言が連行される場面で、八葉車に後ろ向きに座らされている伴大納言の表情が見えない点。後悔しているのか、悔しい思いでいるのか、絶望しているのか、見る者の想像をふくらませるうまい方法だと思った。
江戸絵画、気分の盛り上がりとほっと安らぐような気持ちと…いいなあ。

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