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2016年9月 5日 (月)

8月分⑧:第2回双蝶会

824日 第2回双蝶会(国立劇場小劇場)
先日の合同公演の時にも書いたが、若手の勉強会は楷書で丁寧に演じられるのが清々しく、見る側としても勉強になる。今年は「菅原伝授手習鑑」から「車引」と「寺子屋」。
「車引」
梅王丸の種之助クンは小柄ながら骨太で稚気たっぷり、時平に対する怒りが伝わってきた。「存分言おうじゃあんめえか」のセリフで両脚をつけたまま伸ばして腕を振り上げ、しばらくそのままの姿勢でいた時はハラハラしたがよく踏みこたえた。種之助クンは決めの形がきれい。小劇場だからか、やたら声が大きいのがやや気になったが(しかもちょっと割れていたのが惜しい)、荒事の魅力を楽しめた。種之助クンの良し悪しというのではなく、梅王丸は難しい役なんだなとちょっと思った。
梅丸クンは女方がやる立役ではなく、女方と立役両方のいいところをミックスした感じだった。悲しげな雰囲気が漂っていて、セリフにあるとはいえ「賀の祝」の悲劇が予感される。これから持ち役にしてほしい。
歌昇さんにはさすがに一段上の大きさがあった。松王丸の化粧って、顔をとりわけ目立たせるような気がする。
全体に「青い」印象。悪い意味ではない。いい感じの青さだった。
「寺子屋」
種之助クンの武部源蔵は若すぎてどうかなと思ったが、意外に違和感がなかった。姿も声もおとうさんにそっくり。
米吉クンの戸浪はやることが多くて手一杯な感じを受けた。線香台を各々に差し出す仕草にもう少し丁寧さがみられるといいと思った。
歌昇さんの松王は千代への愛情、思いやりが濃く出ていて、小太郎を含めた松王丸一家の生活というものを強く感じた(そんな印象を受けたのは初めて)。それだけに小太郎を犠牲にする親の心情が胸に迫った。声も太くてよかった。
春藤玄蕃(蝶十郎)に菅秀才の首を早く差し出すよう迫られてからの切迫した場面は期待したより緊迫感がなく、それゆえ首実検が無事に終わった後の源蔵夫婦のがくっとくるほどの安堵がいまいち感じられなかった。
しかし、千代が現れると、源蔵とのやりとりにぐっと緊迫感が漂った。梅枝クンの千代は別格だ。悲しみの姿も義太夫にのって美しかった。
まだまだ課題は一杯だろうが、全体に基本に則って丁寧に演じているのがいい。それだけでも伝わるところは伝わってくるし(多少不足な点があったとしても)、一生懸命播磨屋の芸に打ち込んでいる姿に感動を覚えた。
<上演時間>13001528

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
あの清々しい「双蝶会」からもう、2週間近く経ちますね。
私も同じ日の同じ舞台を見ていましたので、
興味深く読ませていただきました。

特に梅丸さんの桜丸(…ちょっとややこしいですね)、「賀の祝」の悲劇が予感される…とのこと。
私も少しそんなことを意識しながら見ていました。

まだ暑さが残りますが、これからは秋の観劇シーズン。
今後も観劇レポを楽しみにしています。

投稿: ゆーまー | 2016年9月 6日 (火) 21時59分

ゆーまー様
おはようございます。コメントありがとうございます。
同じ日にご観劇だったんですね‼ なんだか嬉しい気持になります。
梅丸クン、自分のしたことが招いた事態の大きさに対する桜丸(ほんと、梅丸…桜丸…梅王丸ってややこしい)の苦悩が悲しく伝わってきました。来年は「賀の祝」の上演、なんていうことにはならないでしょうかしらね。

ここのところレポがすっかり遅れてしまっていますが、何とかペースを取り戻すようにしたいと思います。

9月に入ってもまだまだ暑い日が続いていますね。
ゆーまー様もお体には十分お気をつけてくださいませね。

投稿: SwingingFujisan | 2016年9月 7日 (水) 09時29分

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