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2016年9月12日 (月)

漫画で見るルーヴルの魅力:「Louvre No.9」

96日 「LOUVRE No.9」(森アーツセンターギャラリ)
160912louvre_no9 同じ森アーツで今「ジブリの大博覧会」が行われており、そっちはすごい行列。平日午後でもチケット買うだけで30分待ち、休日なんか1時間待ちとか。
私が行った時は午前中でもあり、まだそこまでではなさそうだったが、チケット売り場は人で膨れ上がっていたし、レストランに長蛇の列ができていた。
それを横目に見て会場に入ると、オープニングスペースの壁一面に今回取り上げられた16人の漫画たちの作品がずらりと貼られて鑑賞者を迎えてくれる。ここは写真OK。例のごとくばかみたいに写真を160912louvre_no93 撮る私(コンデジが壊れてきれいに撮れないので最近スマホで撮るんだけど、カシャカシャうるさくて気が引ける)。しばらくすると、扉が開く。そこはオープニングシアターで、ルーヴルと漫画の関係を紹介する約3分の映像が流れる。それが終わるとスクリーンが観音開きの扉となって、展示会場へと誘われる(おお、い別世界へ足を踏み入れる期待感に盛り上がる)。
タイミングによってはすぐにシアターに案内されるかもしれないが、オープニングスペースとシアターには戻ってこれないので、壁の漫画はちゃんと見て撮影して、映像もちゃんと見たほうがいい。

さて、フランス人は日本の漫画が大好きであるが、もちろんフランスにも漫画(bande dessinéeBD)はあり、9番目の芸術とされているそうだ[フランスでの18番目の序列は、建築、彫刻、絵画、音楽、文学(詩)、演劇、映画、メディア芸術:諸説あり、だそう。文学(詩)ってどういうこと?]。ルーヴルではルーヴルを漫画で表現するという「ルーヴルBDプロジェクト」を発足させ、日本人ではジョジョで有名な荒木飛呂彦氏が「岸辺露伴ルーヴルへ行く」でその先陣を切った。私は2011年に「BDで楽しむルーヴル美術館展」を見ているが、そこで紹介されていた「氷河期」「ルーヴルの空の上」「レヴォリ美術館の地下」「奇数時間に」「岸辺露伴ルーヴルへ行く」が今回も展示されていた。
ルーヴルが認めた9番目の芸術、は日本の漫画とはかなり違う。その相違点を今回のキーワード「9」に絡めて紹介していた。BDの特徴(日本の漫画との違い)を挙げると、①フルカラー。②そのため画集用の紙を使っており重い。③A4サイズより少し大きくハードカバー(アルバムと呼ばれる典型的な単行本は50ページくらい)。④制作は11作程度。⑤115ユーロは当たり前(①~④が反映されている)。⑥描き下ろし単行本。⑦大型書店、専門書店で売られている。⑧リビングで椅子に座って読まれることが多い。⑨1コマ1コマがじっくり鑑賞の単位(漫画はコマ割りに読者の視線の流れを作る工夫が凝らされている)。
私もほんのわずかBDを持っているが、確かに…。
160912louvre_no92 このような外見上の違いもさることながら、一番大きな違いは、漫画はエンタテインメント性を重視しているが、BDにはそれはあまりなく、哲学的思想的な要素が強いということではないかと思う。セリフで語らせるから文字が多い(吹き出しはほとんど使わない)。それに絵もずいぶん違う。だから正直、前回の展覧会ではあまり魅力的に感じなかった。しかし今回、各BDの一部を翻訳付きで読んでみると、なかなか興味深い作品も多々あり、じっくり読むのも悪くないと認識を新たにした。おおむねではあるが、BDのほうはルーヴルに神秘性や異次元性を感じているところがあるように思った(ルーヴルの出発点が要塞であることにも関連しているのだろうか)。
16
の作品、ルーヴルの9つの名所などを見ていたら、モーレツにルーヴルに行きたくなった。そして、モーレツにサモトラケのニケに会いたくなった。
詳細は→ココで。

参加作家と作品
1章 偉大なるルーヴル美術館
クリスティアン・デュリユー「魔法」
ダヴィッド・プリュドム「ルーヴル横断」
エティエンヌ・ダヴォドー「寄り目の犬」
谷口ジロー「先年の翼、百年の夢」
フィリップ・デュピュイ&ルー・ユイ・フォン「坑内掘りの芸術」
2章 ようこそ異次元の世界へ
ベルナール・イスレール&ジャン=クロード・カリエール「ルーヴルの空の上」
エンキ・ビラル「ルーヴルの亡霊たち」
エリック・リベルジュ「奇数時間に」
荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(登場人物のポーズがルーヴルの作品のポーズとリンクしてるんだって、今回初めて知った)
マルク=アントワーヌ・マチュー「レヴォリュ美術館の地下」
松本大洋「ルーヴルの猫」
3章 時空を超えて
五十嵐大介「ニケのうた」
寺田克也「ルーヴル消失」
ヤマザキマリ「美術館のパルミラ」
ニコラ・ド・クレシー「氷河期」
坂本眞一「王妃アントワネット、モナリザに逢う」

160912louvre_no91

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