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2016年9月30日 (金)

踊りの魅力:藤間会

926日、27日 二世藤間勘祖 二十七回忌追善 藤間会(歌舞伎座)
160930fujima3 張り切って全部見るつもりで3公演ともチケットを取ったのだけど、あまりの上演時間の長さに、泣く泣くあきらめた演目も。踊りのことは全然わからないので、的外れなことを書いていたら(きっと書いていると思う)ごめんなさい。
26日夜の部
幕開けは宗家藤間勘十郎さんと松緑さん(藤間勘右衛門)の素踊り「漁樵問答」。この踊りは前に一度見たことがある。老樵(松緑)と若い漁師(勘十郎)の年齢が最後に入れ替わるというお話で、漁師は浦島太郎、玉手箱をあけた後、水に映る自分の姿にあっと驚く。樵は養老の滝の水を飲んで若返る。面白いのではあるが、浦島の変化にはしんみりというか、何かを感じるというか、複雑な気持ちになった。
藤間綾・あかね・勘綾乃さんの3人による「女車引」は先月の合同公演でも見たので復習を兼ねて面白く拝見。
160930fujima1 藤間雄大「雨の五郎」。宗家の御曹司・雄大クン(ちゃんかな)が可愛い可愛い、ちっちゃいちっちゃい。ちっちゃいけど、ちゃんと拵えをして、後ろからおとうさん(可愛さに目を細めるようなことはなかったから師匠と言うべきか。でも我が子を大きく包んでいるようで、おとうさんっていう印象の方が強かったな)しっかり支えてもらい、声をかけられながら、やるべきことはちゃんとわかっているようで、手を動かしたり見得をきったり。セリフも言えたし。移動するときにぴょんこぴょんこ(六方の真似?)跳ねるようにして走るのがこの上なく可愛い。
時蔵さんと梅枝さんの親子共演「金谷丹前」。梅枝さんがあんまり美しくてどきっとした。机の前にアンニュイな感じで横座りしている姿は竹久夢二の世界みたいだった。美しい2人が姉妹のように踊る世界も夢の世界だったが、見ているほうも夢のような世界。
「春駒」は先日巡業西コースで見たのとほぼ同じ。
この時点で1830前だったけど、仕事もあるし帰らなくてはならず、お目当ての「白蛇盗仙草」と「卒塔婆小町」(吉右衛門出演)は断念。終演が2130近くになってしまうんだもの。「白蛇」は藤間流の役者さんの他に猿之助、勘九郎、七之助、壱太郎、尾上右近という豪華な出演だし、「卒塔婆小町」は勘祖、吉右衛門共演で本当に残念。とくに27日夜の部で勘祖さんの踊りを見てとても素敵だったのであとから残念さが増した。
27日昼の部
160930fujima2 この日は逆に途中から鑑賞。13時過ぎの「現在道成寺」からずっと歌舞伎役者の踊りが続くので、そこから拝見。
「現在道成寺」は亀三郎さんって書いてあったから、へ~珍しいと期待して待っていたら、舞台に現れたのはどう考えても亀三郎さんじゃない。俯いていて3階からは顔が見えないのだけど、あれは雀右衛門さんじゃないの。で、プログラムを見直したら、坂東じゃなくて藤間の亀三郎(中村雀右衛門)だった。まったく、早とちりというか、無知というか。ちなみに坂東亀三郎さんの舞踊家としての名前は藤間善蔵。時様は藤間勘三郎なのよ。ややこしいので、ここではすべて歌舞伎の名前で書いています。ちなみついでに、相撲の世界では木村勘九郎という十両格の行司がいる。踊りの感想でなくて…。

玉三郎さんの「山姥」の幕があいたら、空気がぐっと澄んで厳かに変わった。指先までが全身ひとつになって自然に動く、姿もすべての動きも美しい。
「笛を吹く人」は、なんと梅玉さんと梅丸クンの共演!! 共演と言っても梅丸クン演じる娘には笛を吹く男が見えないという設定のようで、2人が絡む場面はなかったが(梅丸クンは囲炉裏端で好きな男の人を思っている様子、あるいは恋に恋してる感じも。師匠は梅丸クンから離れたところで笛を吹いている)、ひたすら静かな空気の中で時々ふっと2人が交差するような感じを受けた。憧れの師匠と2人きりで舞台に立ったことは、梅丸クンにとってどんなに嬉しい糧となったことか。梅丸クンの娘の拵え、愛らしくて、本当に一途な女の子にしか見えなかった。梅玉さんは拵えはなく袴姿でカッコいい。梅玉さんの笛吹きと言ったら「狐と笛吹き」を思い出すな。
「経正」は菊五郎さん出演。経正の役で、スケルトンみたいな琵琶をもっている。亡霊である経正が琵琶を弾いて戦を語るということなのかな。戦の場面は宗家を中心に若手役者勢揃いで、誰を見たらいいのやら。新悟クン、右近クンも出ていたのが嬉しかった。で、経正は大半、花道で合引に腰かけて舞台で繰り広げられる戦を見ていたが、私の席からは菊五郎さんはあまり見えず。
27日夜の部
馬鹿みたいだけど、昼の部が16時前に終わった後、一度帰宅し、最後の2演目だけ見るために夜再び歌舞伎座へ。
夜の部最初の「三番叟」は藤十郎一家(藤十郎、鴈治郎、扇雀、壱太郎、虎之介)勢揃い。なかなか本公演では見られないから、実に残念。
「乗合船」も亀三郎さんの倅マン侑汰クンが出るのでぜひ見たかったが、時間的に難しくこれも断念。ほかに鷹之資、千之助、玉太郎、金太郎の歌舞伎役者に林ももこ、渡邊愛子、河野菜緒と歌舞伎役者の娘(愛子ちゃん以外、どなたの娘さんだかわからない)、そして亀三郎さんがまとめ役?
「娘七種」は藤間勘祖、染五郎、菊之助の3人による踊り。宗家のオーラが素晴らしく、そして美しい。幕が開いて立っている姿を見ただけで「違う!!」と惹きつけられた。その踊りに、わけがわからぬうちに目を奪われてしまっていた。染五郎さんと菊之助さんにはそれぞれの個性が現れていて、染五郎さんが何度も見せる見得がウケていた。後見が菊之助→萬太郎、宗家→梅枝、染五郎→歌昇で、得した気分。
リベンジ「蛇柳」ABKAIで寝落ちした)。今回はとても面白かった。ABKAIとは少し違う構成になっていたかも。勘十郎さんお得意の袴歌舞伎(舞踊)といった感じで、宗家の迫力、お人よし又五郎さんの軽妙、高僧梅玉さんの品位、若い僧侶たちの凛々しさ、たっぷり楽しんだ。久しぶりに見た鷹之資クンのセリフが上手でびっくり。成長したなあ。玉太郎クンは声変わりなのか(もう過ぎたかな)やや安定に掛けた。変身した宗家は袴歌舞伎でも隈取姿が見えるようだった。ラスト、海老蔵さんの押し戻しで場内大盛り上がり。藤間会に合わせたセリフもウケた。やっぱり成田屋の人気はすごい。
終演が22時過ぎであるにもかかわらず、大勢の客が残っていた。
踊りの会は主催者も演奏家も、客も大変だなあ。みなさんお疲れ様でした。
<上演時間>26日夜の部15時開演、2128終演。27日昼の部11時開演、1550終演、27日夜の部1645開演、2212終演

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