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2016年9月27日 (火)

初代へのオマージュ、「シン・ゴジラ」

916日 映画「シン・ゴジラ」(MOVIX川口)
ま~ったく興味がなかったのに、先に見た娘が「絶対見て。見なかったら損するから」とメッセージを送ってきたので、見るまでしつこく言われるのもかなわないと時間のあるうちに行ってきた。何が「見ないと損する」のか――私、「エヴァ」見たことないし――どうやら長谷川博己主演だということらしい(私が好きなの知ってたのね)。
何しろ無関心だったから、庵野作品だということ以外は(さすがにこれは、ネットの見出しだけでも出てるから)何も知らないで見た。エンドロールでソロで名前が出たのが長谷川博己、竹野内豊、石原さとみの3人だけ、それ以外はどの俳優もその他大勢並に3人よりかなり小さな文字でだ~っと並べられていた。そして最後に「野村萬斎」の名が。えっ、どこに出てたの? あとできいたら、ゴジラの動きだったんだってね。後付けだけど、道理でゴジラの動ききれいだった。以下、ネタバレします。結末も書きます。

160927godzilla さて、映画はなかなか面白かった(左は、入口でもらった名台詞集のステッカー)。まず思ったのは初代へのオマージュだねってこと。ゴジラの顔が最初ちょっとユーモラスで、え?と思っていたら、進化して怖い顔になった(姿かたちが初代に近い)。それから政治への皮肉が面白い。初代も政府の混乱ぶりが描かれていたが、今回はそれ以上に、戯画的と言えるくらい。でも実際にそうだっていう部分もきっとあるんだろうな。法治国家としての限界みたいなものも感じた。余貴美子演じる防衛大臣は稲田さんかと思っていたけど、この映画の製作当時はまだ稲田さんじゃなかったよね。ということで、小池さんか。実際そう言われているらしい。大杉漣首相が意外にもあっさり落命しちゃって、めぐりあわせで後を受けたドンくさい平泉成臨時首相代理が実は…(かっこよかったな、平泉成首相)っていうのは、企業ドラマなんかでありそうだが、ここでは政治家に対するはかない希望だろうか。日本が本当の危機に陥ったとき、そういう政治家が出てくると信じたい。
表立っては科学者グループがかっこよかったな。この科学者たちも主流からははずれた人たちで、これだって実際の科学界を皮肉ってるんじゃないの?
初代ゴジラが原爆に関係していたのと同様、今回は福島の原発を頭に置いているのだろうが、アメリカがすぐに反応してきたことは、あの当時の混乱と恐怖を思い出させた。ゴジラ映画がつくられる意味を考えさせられる。

1人の科学者の命と引き換えに深海に消えた初代ゴジラ(とても厳かな気持ちになった*)に対し、シン・ゴジラは凍結されて東京に残る。凍結したゴジラは金をとって見世物にして、その利益を東京復興のために使うのだとか。それはいいけど、ゴジラは永久に凍結されたままなんだろうか。ある日突然溶解することはないのだろうか。初代ゴジラでは志村喬演じる山根博士が、あのゴジラだけで終わるとは思えない、水爆実験がこのまま続けば世界のどこかにゴジラの同類が出現するかもしれないというようなことを言っていたが、シン・ゴジラもそういう恐怖を残している。映画の続編の含みか、なんて下世話なことを言っちゃいけないね。原子力の恐怖を今後に残しているってことなんだろうから。それにしても、血液凝固剤注入までの場面は迫力あったな。無人の新幹線や在来線を爆弾がわりにしてゴジラにエネルギーを放出させるなんて、ハラハラどきどきした。
自衛隊の攻撃は多分初代に比べてかなり実際に近いものになっているのではないだろうか。8月末に自衛隊の総火演をネットで見たばかりだったので、「ああ」と思った。自衛隊からも都民からも多くの犠牲者が出たに違いないのに、それをリアルには描いていない。初代は怪我人でごった返す病院の場面とかあったよ。
品川で作戦実行寸前に、おばあちゃんの車椅子を押す高齢男性がいることがわかって実行回避。こういう映画にはお約束のようにこういうエピソードが入るよね。たいてい子供か動物と思っていたが、今回はやはり老老介護の現代社会を映しているのだと思った。
ゴジラに破壊された品川区。北品川は個人的にちょっと関係があるので、ああ、あそこもやられた、あの人たちも…とリアル感をもって見た。あんなに破壊されても電気系統って動くの?っていうのがずっと最後まで消えなかった素人疑問。
それにしても、ゴジラ音楽はやっぱり伊福部さんだね。シン・ゴジラでも使われていたが、今でも恐怖をあおるその迫力は変わらない。名曲だ。

23
時に終わる最終回だったので、観客は数えるほど。それが終映後廊下に出たら人がいっぱい。どうやら「君の名は」らしかった。
<上映時間>120

* ゴジラを倒す手段は、平田昭彦演じる科学者が開発したオキシジェンデストロイヤー(水中酸素破壊剤)以外にない。科学者はこれが他人の手に渡ったら恐ろしい破壊兵器になる可能性があるからと初めはその使用を拒否するが、自ら海に潜ってゴジラに使い、その成功とともに自分の命を絶つ。オキシジェンデストロイヤーに関する書類はすべて焼却処分したうえで自決したのは、自分の脳にその記録が残っているから。万が一自分がどこかの国につかまり拷問にかけられたら、教えてしまわないとも限らない、それを恐れたのだ。平田昭彦は悪役が多いし、シチュエーション的にもそうかと思ったら、若い科学者の勇気ある犠牲で日とはゴジラに勝ったのだ。

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