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2016年12月27日 (火)

「あらしのよるに」:千穐楽にリピート

1226日 十二月大歌舞伎千穐楽第一部(歌舞伎座)
初日に見た「あらしのよるに」を千穐楽にリピート。この間、一度見ただけでもよかったかなあと思わないでもなかったけれど、忘れていたところもあったし、2度見ても感動できたから、リピートしてよかった。何度も繰り返し見ている演目でさえ完璧に覚えているなんてことはないんだから、たった1度しか見ていない、しかも新作の「あらしのよるに」に覚えていない箇所があっても当然か。何度見ても覚えていないからリピートするたび新鮮な感動を覚えるんだともいえるし、覚えていても質のいい作品にはそのたび感動するんだね。
ところで今回は1階の前方席。久しぶりに花道の下をくぐったし、オペラグラスなしで見られる席はやっぱりいいなあと思う。そうそう何回もは取れないけどね。
この日は冬休みに入っていたせいか、子供の観客がけっこう多くみられた。私の後ろにも子供さんが何人か。おかげで、がぶ(獅童)とめい(松也)の客席歩きは私の2列後ろで、もうほんと目の前に2人がいて盛り上がったわ~。子供のいる列を歩くって、開幕前に噂が聞こえてきたからちょっと期待していたのよね。
以下、箇条書きで。
・嵐の場面、小屋が舞台に登場する前に、吹き荒れる風が私の席にも吹いてきて涼しかった(やや寒い)。雪の場面では、送風機がこちらを向いているのに気がついたから一応心構えはできていたが、やっぱりちょっと涼しかった。
・<めい>を食べたいという欲求と友情との葛藤に苦しむ<がぶ>の心はコミカルに表現されているのだが、子供への配慮かなと思いつつ、初日よりはその葛藤が痛切に感じられた。義太夫へのクレームは2度入ったが初日も2度だったかしら。<がぶ>の苦しみが強く感じられたので、このクレームも初日よりは抵抗なく受け入れられた(作中人物が義太夫に話しかけるって、初日はちょっとどきっとしたのだ)。
・<がぶ>の葛藤を考えると、そういう思い入れのない狼が山羊を救うというのだから、<がい>(権十郎)はやはり特別な狼なんだなと思う。原作にはない役だそうだし。でも権十郎さんがそういう役を演じるのは嬉しい。

・石牢で、時々<がぶ>から漂う血のにおいがたまらなく疎ましかったと告白した<めい>。捕食される側とする側の永遠の対立や葛藤があるわけだが、それを乗り越えるだけの友情の強さに心を揺さぶられた。一方で、<がぶ>は<めい>の仲間を食べることはしないが、他の山羊は食べるんだと考えると、なんか複雑な気持ちになる。
・徳松さん二役目のうさぎ、口の動かし方が絶妙にうまい‼ 決して目立つ存在ではないのに、一度その口元を見たら目が離せなくなった。うさぎそのものだぜ。
・中車さん、どんどん歌舞伎らしさが身についてきている。近くで見たせいもあるかもしれないが、国崩しの悪役としての迫力がたっぷり。
・この日の流行語は「神ってる」。

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