« 一月歌舞伎座昼の部 | トップページ | 一月演舞場夜の部 »

2017年1月25日 (水)

浅草歌舞伎第二部

121日 新春浅草歌舞伎第二部(浅草公会堂)
170125asakusa 「お年玉ご挨拶」
巳之助クンだった。第一部の松也さんは去年に続き2度目だが、巳之助クンは初めて。オールバックではなく真ん中分けで登場(こっちのほうがいい)。松也さん同様、型通りの口上のあと口調を変えて(松也さんと違うのはみっくんは座ったまま)「新年おめでとうございます」。年明けの挨拶については諸説あるが、新春歌舞伎だしお年玉ご挨拶なので「新年おめでとう」と言わせてもらったとのこと。今年の挨拶はもう8度目、質問コーナーをやっている。質問というのは、自分が質問してお客様に答えてもらう。「生まれて初めて歌舞伎を見た人」という質問で、何人か手を挙げていた中から1人選んでインタビュー。舞台から飛び降りて、舞台へ飛びあがって戻る。客席が「お~」と声を上げる。「毎回やるたび、お~と言われるが大したことないんですよ」。亀鶴さんを思い出す私。最後は携帯の注意で、「ラインの短い着信音が絶妙なタイミングで鳴る。大向こうさんと同じようなタイミング。不思議でしょうがない」と笑わせた。
「角力場」
梅丸クンの吾妻がめちゃくちゃ可愛い。若くて素直なだけに、隼人クンの与五郎といちゃいちゃする様子はちょっと幼くも見える。でも可愛いくて微笑ましい。隼人クンは体が大きくて硬いせいか、つっころばし感が薄い。でも頑張っているのはわかる。
松也さんの放駒は体が大きく似合っている。思いがけない勝ちに大喜びしている様子も素人っぽくてよい。それだけに、その勝利が実は相手がわざと負けたことによることだと知った時の怒りのエネルギーが凄まじい。若者らしい潔癖さがよく表れていた。とはいえ、声がやたら大きくて、怒鳴ればいいというものでもないような気もした。と、そこでふと気がついたのだが、浅草公会堂は声が通り過ぎるくらいよく透るのだろうか。「ども又」で壱太郎クンの声が大きく聞こえたのもそのせいかもしれない。
錦之助さんの濡髪が登場した時、1週間前に本物の力士を見たことが思い出され、体の大きさがリアルに感じられた(隼人、松也、錦之助と3人とも体が大きい)。錦之助さんと隼人クンは、並んで座っていると錦之助さんのほうが大きく見えるが(力士の拵えだから当然か)、立つと身長は隼人クンのほうがあるので、やっぱりつっころばし感が薄くなってしまう。
錦之助さんは立派だが、セリフが意外と面白く聞こえてこなかった。声がよすぎるのだろうか。あるいはやっぱり声が透り過ぎるくらいよく聞こえるせいだろうか(よく聞こえるのは大変ありがたいのだ)。
茶亭のおやじの國矢さんがうまい。このおやじさん、濡髪を褒めると与五郎から何かもらえることに気がついてずるがしこさを発揮したな、と今回初めてそんな気がした。これまではただお人よしの茶亭と与五郎の他愛ない遣り取りだと思っていた。でも、このオヤジさん、嫌いじゃない。そこが國矢さんのうまいところなんだろうな。

「御存鈴ケ森」
隼人クンの白井権八は爽やか美青年ではあるが、どことなく違和感を覚えた。柔らかさに欠け、心に闇を抱えているせいか顔がずっと険しい。ほかの権八はあんな険しい顔していたかしら。白井権八のイメージとして、優男なのに凄腕で冷酷だというギャップの魅力がほしい。でも、柔らかさが出るようになったらニンだと思うから、頑張ってほしい。
錦之助さんの幡隨院長兵衛は駕籠の中ではそうでもなかったが、外に出たら人物としての大きさを感じた。鼻高幸四郎は、「播磨屋の兄貴」になっていた。
雲助さんたちの好演が舞台を盛り上げた。
「棒しばり」
元々が面白い演目だから面白いことは面白いし、客席のウケもよくて笑いが起きていたものの、なんだかなあ…。酔っている状態を面白く見せようとこだわり過ぎているのだろうか。踊りのことはよくわからないくせにエラそうなこと言って申し訳ないが、芝居っ気が踊りより勝っている感じと言おうか(芝居心は面白かったんだけどね)。名人2人の舞台と比べることはしないけれど、松也さん「挑む」で初挑戦の時、勘九郎さんと巳之助クンが踊ったとき、あるいはほかのコンビの時とは違うなあという印象を受けた。とはいえ、1人は両腕を棒に括りつけられて、もう1人は後ろ手に縛られてあれだけの動きと表現をするのだから、その努力は大変なものだったろう。なにごともチャレンジだ。松也さんの扇投げはうまくいって拍手喝采。大名は錦之助さんがよかったんじゃないの? 別に隼人クンが悪いというわけじゃなくて、若手2人に対して年長者を入れたほうがよかったかなとちょっと思っただけ。
ところで余談だが、太郎冠者の縛りっていつも時間がかかってハラハラする。ヘタに縛るととちゅうで肩から抜けちゃったりしそうだから、ちょうどいいところで縛るのがまず難しそう。それから縛る強さも。後見さん、大変
だなあ。
<上演時間>「ご挨拶」10分(15001510)、「角力場」55分(15101605)、幕間20分、「鈴ヶ森」35分(16251700)、幕間25分、「棒しばり」45分(17251810

|
|

« 一月歌舞伎座昼の部 | トップページ | 一月演舞場夜の部 »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 一月歌舞伎座昼の部 | トップページ | 一月演舞場夜の部 »