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2017年1月29日 (日)

リピート満足「しらぬい譚」:千穐楽

127日 「しらぬい譚」千穐楽(国立劇場大劇場)
やっぱりリピートしてしまった。しかし今年は2回とも3階最後列で、初見は真ん中あたり、リピートはやや下手。でも、遠くの席でもたっぷり楽しめたし、リピートしてよかった。
・初見で海底だとはわからなかった発端。あれが魚群だったのか、と気づけばなるほどと海底であることを理解できた。
・宙乗りは初見の時には全然こっち見てくれなかったけれど、今回はかなり3階にも顔を向けてくれていた。今回が前回の席だったら絶対よく見えたのにな。蜘蛛の糸も3階にも投げていた。
・この場面では、劇場内全体が蜘蛛の糸に絡められたような感じだ(「場内には、明かりにて、蜘蛛の巣を張り巡らせる」と台本にあるとおり)。今回はアップは望めないものの、そんな感じだから、遠くから全体の流れを見るのもなかなか乙なものであった。スッポンでは尺八が、床では三味線が雰囲気を盛り上げる。
・病の秋作(松緑)に突然乳母の秋篠(時蔵)が告白する場面はやっぱり何度も笑いが起きた。母と息子小文治(亀寿)とのやりとりでも笑い。たとえば、「これ、母上」とたしなめようとする息子の姿に「お前は倅」で笑い。今言ったことは「転合」だろうと言う息子に「大真実じゃ」で笑い。というように。展開が唐突だからやむを得ないよね。
・でも秋篠の本当の心は悲しい。笑いの後、再び突然の展開で愁嘆場になって、さらに病の癒えた秋作が元気すぎて笑いと拍手。短時間でくるくると変わるので「合邦」のような深みはないが、秋篠にはけっこううるうるきた。
・「正月屋」(錦天満宮鳥居前)の場面では、菊十郎さんと扇緑さんが元気に雑煮を食べていてうれしかった。
・亀蔵さんのピコ太郎、「お照とお照でテルテル坊主」とやり、引っこむ前に錦天満宮の鳥居に向かって手を合わせ、振り向いて正月屋のほうにもお辞儀をしていた。萬太郎クン1人が笑っていて「変な参詣人ですね」と振っているのに、團蔵さんも菊之助さんも梅枝さんもスルー。もっといじってあげてぇ。しかし本当に本物そっくり。本物は23日は登場したそうだが、もし登場するなら千穐楽という私の予想は外れた。23日のお客さん、超ラッキー‼
・右近クンの猫の怪、なんとなく顔が胡散臭いのに対し、動きがきれいできびきびしているから、見ていてとても楽しい。セリフも迫力たっぷり。右近クンは傾城綾機、足利狛姫、そしてこの猫の怪で国立劇場賞奨励賞を受賞。
・南木(萬次郎)の吹き替えの役者さんの身体能力にもさかんに拍手が送られた。吹替え、音蔵さんだったんだね、音蔵さんも国立劇場賞特別賞受賞。

・猫四天と秋作との立ち回りも楽しかった。猫四天さんたちにも国立劇場賞特別賞。そして立師の咲十郎さんも特別賞(これ、嬉しい)。受賞のみなさん、おめでとうございます‼
・秋作が銀の槍を
2振りすると穂先が白く光り、客席大ウケだった。
・権十郎さんの海賊に「十二夜」の鳰兵衛を思い出した。

・若手でも演技がしっかりしていて体の動きもきれいだから、どの場面も見応えあって面白いが、團蔵さん、菊五郎さんとベテランが出てくるとやっぱり舞台が締まるなと思った。
・ところで、菊之助さんの声、少し変わったかなあ。初見の時もそうだったが、高い声が鈴を転がすような響きでなくなっているような気がする。若衆くらいの声だと鈴を転がす感じなんだけど。


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