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2017年2月 1日 (水)

山種の名品:日本画の教科書(京都編)

128日 「日本画の教科書 京都編」(山種美術館)
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5日までの会期で、あと1週間というところで慌てて鑑賞。山種は好きなのだけれど、うちからは遠くてなかなか腰が上がらないのだ。でも、やっぱり山種はいいもの持ってるよなあ、と行くたび感心する。
今回は京都画壇ということで、東の大観に対する西の栖鳳を中心とした画家たちの作品が展示されていた。京都画壇は栖鳳の他には上村松園・松篁・敦之以外あまり知らなくて、名前は知っていても作品は初めてという画家がほとんどだった。
全員ではなかったかもしれないが、画家の作品制作における心構えや考え方が作品の脇に出ていた。最近、この展示法をよく見るが、そうしたものを読んでからあらためて作品を見ると、なるほどと納得できるから、大変いいことだと思う。たとえば色彩を追求していると言う福田平八郎の絵は、確かにその努力が感じられる。もっとも混雑する展覧会では人の流れが悪くなって困ることもあるけど…。
55点の作品の中では、やっぱり栖鳳がいいなあと思った。とくに「みゝづく」は愛らしくて好きだ。「艸影帖・色紙十二ヶ月」が素晴らしくて、家に飾りたい‼ 菊池芳文「花鳥十二ヶ月」は和む。疲れている時に心を休めてくれそう。伊藤小坡「虫売り」では歌舞伎の舞踊を思い出した。多分、去年の納涼歌舞伎「艶紅曙接拙」(紅翫)に出てくる虫売り。ほかにもあったかもしれないけれど記憶の新しいところで。
どの作品もよかったのだけど、とくに印象に残ったのは西村五雲「白熊」、村上華岳「裸婦図」、小野竹喬「晨朝」、山元春挙「火口の水」、池田遙邨「草原」、小松均「富士山」。
「白熊」は足元でアザラシを捕えた白熊に、獰猛さよりも水に濡れ汚れたように見える毛から自然の厳しさ、哀れさみたいなものを感じた。
重要文化財「裸婦図」(大正9年)は、華岳が描いた「久遠の女性」で、これ以降彼は生身の女性を描くことはなかったそうだ。上品な美しさで不思議な静寂が漂う。
「晨朝」は日本的なようでもあり、そうではないようでもありの明るさ。
「火口の水」は全体に比較的静かな日本画の中でドキッとする荒々しさ。
「草原」はカラの荷車を引く馬が後ろを振り向いている。荷車の上ではお百姓さんだろうか、馬に向かって荒い声を投げかけているようだ。
「富士山」は版画のように見えた。全体的なイメージは白黒なのだが、絶妙な色使いでこんな富士山の一面があるのかと思わされた。
唯一、写真許可だったのが松園「牡丹雪」。大粒の雪はたくさん描かれていないのに、しんしんと降りしきる雪の風情がなんとも言えない。その息子・松篁の大作「白孔雀」は孤高の気品が漂っていた。
絵画作品とは別に、日本画の画材―紙、筆、絹、基底材、墨、硯、天然の顔料・染料、人口の新岩絵具、胡粉、膠、箔、泥が展示されていて興味深かった。


京都編が終わると次は東京編が216日から2カ月間展示される。こちらもぜひ行ってみたい。

170131botannyuki

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