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2017年5月25日 (木)

明治座夜の部

521日 五月花形歌舞伎夜の部(明治座)
この日はちょっと色々あって疲れていて、パスも考えたほど。でも他の日程は無理だし、せっかく取ったコスパのいい席だし…。
170525hakkenden 「南総里見八犬伝」
八犬伝は浅草(20121月)、国立(20151月)、歌舞伎座(20157月)に次いで3度目だが、歌舞伎座は芳流閣~円塚山だけだったし(歌舞伎座だけ芳流閣が円塚山の先にきていた)、浅草も国立も富山山中が発端だった。今回は発端が富山山中より前の「安房国滝田城内曲輪の場」であり、里見家滅亡の背景がわかったという意味では面白かった。玉梓の千壽さん活躍だったしね。「富山山中」は前半の記憶がほとんどない。金碗大輔(松江)が鉄砲を撃ち誤って伏姫の命まで奪ったところは、子供の頃の大昔に読んだ少年少女向け本の挿絵を思い出した。「蟇六内」の場もところどころ記憶が抜けてしまった。
花形の中で鴈治郎さん、吉弥さん、橘三郎さんが舞台を締めた。里見義実の橘三郎さんは意外に(失礼)若々しく、美女・玉梓によろめくのに違和感はなかった。ではあるが、よろめくのも忠臣の忠告を聞きいれるのも簡単すぎるように思った。鴈治郎さんはさすがの貫録で、蟇六では鴈治郎さんらしいがちゃがちゃとせわしない言動で笑わせ、2役目の扇谷定正(大詰・相模国対牛楼)では小柄ながら憎らしい国崩しに余裕の大きさを漂わせていた。吉弥さんは化け猫役(ここでも発端の玉梓とつながる)で弾けていた。先月の意地悪ばあさんといい、今月の化け猫といい、品を失わない弾けぶりを楽しんだが、そろそろしっとり美しい吉弥さんを見たいものだ。
花形たち。新悟クン(浜路)は「蟇六内」「円塚山」合わせて、一途さも一途な故の強さも哀れさも、やっぱり新悟クンはいいなと思わせるものを見せていた。出番が短いのが残念。八犬士の中に入れてほしかったけど…。
隼人クンの左母二郎が意外とよかった。2役目の犬田小文吾より好き。顔が獅童さんに似ていておやっと思ったが、親戚だから似ていても不思議はないか(隼人クンのおじいさん・四代目時蔵が獅童さんのおとうさんと兄弟)。優男より骨太な役のほうがニンだと思う。

萬太郎クン(犬飼現八)も骨太な役が合う。声は高いがよく透るきれいな声で好きだ。米吉クン(犬塚信乃)との芳流閣大屋根での立ち回りは楽しかったが、立ち回り全体としてはややレベルが不足していたように感じた。明治座は3階からも上が見切れることがないので、その点はありがたい。米吉クンは前半の信乃はいいと思うが後半はどうかなあ。優しさが先に立ってしまうような気がした。
橋之助(犬川荘助)・福之助(犬江親兵衛)兄弟がうまくなった。橋之助クン(ついこの間まで「さん」だったのに「クン」って、自分ながらなんだかなあ…)は骨太で力強い。緩急を覚えると、お父さんより好きかも。福之助クンは国立の「魚屋宗五郎」を見た時は不安だったが、声の出し方が歌舞伎らしくなってきた。努力したのだろう。
壱太郎クンの犬坂毛野、先述した少年少女向けの本の挿絵のイメージ通り(顔は違うけど、イメージ的に)。ぶっ返りの衣裳が一條大蔵卿みたいだった。
種之助クン(犬村大角)はおとうさんに似て、姿勢が低く、決めの形がきれい。
犬山道節の愛之助さんは出番が少ないこともあって、八犬士の締め程度の印象しかもてなかった(若手に比べるとずっと大きさはあるんだけど)。
花形はまだ歌舞伎の味という点では薄いが、少しずつあるいは一段の成長が見て取れるし、溌剌としていて楽しめた。
<上演時間>「序幕~三幕目」95分(16001735)、幕間30分、「四幕目」35分(18051840)、幕間20分、「五幕目・大詰」65分(19102015


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