« 歯の安静 | トップページ | 西武鉄道の記念電車 »

2017年6月28日 (水)

熱海五郎一座2017

627日 「消えた目撃者と悩ましい遺産」千穐楽(新橋演舞場)
年一のお楽しみ。ここのところ笑うのが躊躇われる気分だったけど、たくさん笑わせてもらい、立ち回りにショーと楽しんだ。今年はゲスト女優が藤原紀香さんということで、別の意味の興味も(我ながら下世話)。
ノリカ(親しみを込めてこう呼ばせていただきます)がステキだった。姿を現すだけで、ゴージャス。声がきれいで、滑舌がいいから、セリフが心地よく耳に入ってくる。歌もミュージカルをこなしているだけあって、うまい。おばあさん(気がつかなかったわ~)、ナンバーワンホステス、サブライズ歌謡の夫婦デュオ、スケバン。演技を見ていると、何よりこの人は真面目なんだなと思う。真面目に芝居に取り組んでいるのだ。
題材としては痴漢の冤罪と遺産を絡ませているのだが、痴漢の冤罪についてだけはあまり笑えない気分だった(真犯人にちょっと腹が立ったりしてね)。芸能人が痴漢容疑で逮捕され裁判にかけられたら、世の中大変な騒ぎになると思うけれど、その辺はスルーで、それが原因でデュオが解散したという程度。コメディだからいいんだけどね。
熱海五郎一座は14年目になるそうで、チームワークは当然見事。いつもいじられる昇太さんが今回もたっぷりいじられていた。笑点司会者とか、大河役者とか、結婚のこととか、噛むとか。2幕目では、蕎麦とうどんのすする音の違いをやってみろ、と無茶振りされて、「蕎麦食べます」「太い麺だな」でごまかす昇太さん。オグちゃんも毎度身長のことでいじられる。今回はノリカとコンビだからよけいね~。
ダブルキャストのTake2、千穐楽は最初の2回は東MAXだったけど、去年に続いて深沢邦之さん。悪徳検事役は深沢さんに合っていたと思う。この検事、名前が木曽賢治という。「木曽賢治検事」というわけ。熱海五郎は、登場人物の名前も一つの楽しみで、三宅裕司さん演じる弁護士が「橋上通」と名乗った瞬間、噴き出してしまった。ナベちゃんの医者「藪診誤」や昇太さんの弁護士になり損ねた僧侶「六法禅宗」よりも私としてはずっとウケた。あと、裁判長の「海山熱蔵」、刑事の「杉上左京」もちょいウケ。見ていない目撃者が「三田キヨ」、本当の目撃者が「南井実(みないまこと)」、夫婦デュオが「シャケ&京香」とか、作者(吉高寿男)遊ぶよね。
ラサールさんの大物弁護士「黒伊賀護(くろいがまもる)」に密着する番組「灼熱大陸」には大笑いした。葉加瀬太郎ならぬ弾加瀬次郎(ひかせじろう)、あの曲。そして黒伊賀の事務所は「整列のできる法律相談所」。いろいろなパロディが楽しい。
ハッピーエンドのラストはシャケ&京香(オグちゃんとノリカ)の歌のバックにキラキラのジャケットを着た三宅・渡辺・ラサール・昇太・深澤の5人が舞台上で宙づりになって盛り上げる。そこへ突然、アストライオス(星の神)のフライングが‼ びっくりしているうちに地上に戻ってしまったが、スピーディーできれいな弧を描いていた。

深沢さんの前説は、トランプ大統領。アメリカ国歌とともに登場し、「アタミファースト」とかわかりやすい英語で少し喋り、出演者の名前も英語で紹介し、カタコトの日本語で「メキシコとの間に壁はほしいが、お客様との間に壁は作りたくない」「顔だけ笑うのはやめて」(声を立てて笑ってほしい)「真剣に芝居見ないで」。いつもより前説短いような気がした。

カーテンコールは3回。
三宅:ここにたどり着くまで14年、演舞場までは10年。今年より来年と思っているが、最初にいいものができ、次にもいいものができ、3年目に最高のものができ、4年目は女優が「なんでもやります」と言っておかげでいい作品になった。(ノリカは)皆さんの期待を裏切らず、カーテンコールでも着替えてきた。藤原:冒頭のばあちゃんから七変化。うんこ座りもやった。企画から作る芝居は勉強になった。みんなが支えてくれるから、(立ち回りの)投げもかっこよく見える。普段は(歌舞伎役者の妻として)お客様を迎える立場だが、お客様がいらしてくださるのを見て、あらためて有難いと思った。コメディは初めて。拍手と笑いが本当に嬉しかった。
渡辺:藤原さんの元・夫役は貴重。スタイルがよく、どきどき。稽古着姿も素敵で稽古にならない。ある日隣で喋ったら気さくで、努力家。美に対しても努力していて、紀香ビューティーグッズを置いている。酸素水を飲む、水素水も飲む。酸素と水素で水じゃないか! 千穐楽なので藤原さんの御主人があちらの方に(と1階後方を見る。客席みんなそちらを注目し、ざわざわ)。ウソですよ。テーマがサプライズなので。
ラサール:すみません、笑いのためにウソをついて。サプライズと言ったら、愛之助さんが吊るされて紀香さんの上におりてきて、松嶋屋トーテムポール。それから紀香さんの肩に足をのせて上へ。リーダーとのシーンはアドリブがどんどん増えて三宅さんに怒られた。それ以来2人のシーンはなくなり、今回久しぶり。でもリーダー何もしかけてこない。
小倉:紀香さんがいるので特に小さく見える。芝居の最後で足がぐーんと伸びるんだけど(そういう場面がある)景色がすごくいい。人によって見える景色が違うのだ(これにはなるほど、とちょっと感心した)。バナナは80本近く食べた(バナナ好きの役で、1度に23本食べる。今回はナベちゃんのコーラ一気飲みでなくて、バナナ食い)。稽古場からだと100本くらい。好きなものも嫌いになるが、免疫力も上がって元気になった。
昇太:ラサールさんの息子役だが、何の喜びも感じない。バカで痴漢で滑舌が悪い。どんな役作りをしたらいいのか…ありのままの自分でやればということでやったあら、できた。ラサールさんの奥さんは薬剤師でこの前店を開いた。するとラサールさんが薬をいっぱい持ってきて色々説明する。笑点の楽屋みたい。
深沢:昇太さんと絡むことが多く、色々吸収しようと思ったが、吸収するものがなかった。でも魅力的なとっちゃん坊やです。

カーテンコールは2回目の後すぐに又幕があいて、昇太さんのための高座が設えられた。小噺2題。落語家ってやっぱり間がうまいんだな、と思った。

<上演時間>第一幕75分(12001315)、幕間30分、第二幕75分(13451500
終わったのは1525くらいだった。

|
|

« 歯の安静 | トップページ | 西武鉄道の記念電車 »

演舞場」カテゴリの記事

コメント

愉しいレポありがとうございます!

なべちゃんの「藤原さんの御主人があちらの方に(と1階後方を見る。客席みんなそちらを注目し、ざわざわ)。ウソですよ。」は私の観た日もありましたのでもしかしたら毎日やってかもしれませんね。

カーテンコールでの昇太さんの「小噺2題」は千穐楽ならではですね!

因みに、私の時は東バージョンでしたが「前説」はトランプでしたが中身は違いました。

「本編」も愉しいですが、「開幕5分前」と「カーテンコール」のおしゃべりもこのお芝居の付録というより全体の一部なんですよね。

投稿: うかれ坊主 | 2017年6月29日 (木) 10時26分

うかれ坊主様
コメントありがとうございます。
今回の感想は、あらすじを入れなかったので、芝居をご覧になった方にしかわからないですね…。

「藤原さんのご主人」はおっしゃるように毎日らしかったです。実際に愛之助さんがご覧になった日もあるようですが、ついだまされてしまいますよね。

小噺は千穐楽のお楽しみですねぇ(いじりといい、昇太さんが座員に可愛がられているのが毎回よくわかります。Take2を除けば一番若いんですものね。でも若いと言っても60歳に近いんですね、ビックリ)。そして開演5分前も見逃せませんよね。

来年は東MAXと深沢さんと両方見ようかしら。

投稿: SwingingFujisan | 2017年6月29日 (木) 12時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 歯の安静 | トップページ | 西武鉄道の記念電車 »