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2017年6月12日 (月)

六月歌舞伎座夜の部①

611日 六月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
最近、1日中眠くて眠くて、夜の部だって寝に行くようになるんじゃないかと不安だったけれど、全体的に意外に頑張れた。
「鎌倉三代記」
この演目意外にも4回見ているらしい(1度はリピート)のに、とにかく苦手な演目で、まともに起きていられたことがない。当然今回も不安で、夜の部は上演時間が長いからパスしようとも思ったが、案外頑張ることができた(途中、多少寝ました)。チラシで先にあらすじを読んでいたせいか、話のとっかかりがわかり、またセリフや前半の義太夫も思いのほか聞き取れた。そうやって見てみると、ほとんど動きのない芝居(だから眠い)というのはまったくの思い込みであった。
雀右衛門さんの時姫、松也さんの三浦之助、バランスは悪くない。雀右衛門さんが若々しくてきれいで夫を思う心が可愛い。父と夫の板挟みに苦悩する心情にはうるっときた。夫は他人、父は血族と思うのだけれど、結局は父を討つ決意をする時姫。松也さんは重傷でありながら時姫の真意を測り、父親を討つことを決意させるという難しい役どころだったが、瑞々しくてニンに合っていたと思う。
秀太郎さんの長門は短い出番ながら長門という人の気概を見せていた。
暖簾の陰に藤三郎の幸四郎さんの姿がちらっと見えた時拍手が起きかけたが、幸四郎さんは一度引っこんでしまった。すぐに出てきたが、拍手はためらいがちにぱらぱらと。藤三郎はあまり愛嬌は感じられなかった。そのかわり高綱は幸四郎さんらしい大きさが圧倒的だった。
おくる(門之助)がよかった。突然自害して私は驚いたけれど、登場人物は誰も驚いていなかった。忠義のために死んでいく者の哀れを感じた。
ところどころ、ちょっと尼ヶ崎閑居に通じるものがあるような気がした。
「御所五郎蔵」
両花道はやっぱりいい。とは言っても私の席からは仁左様は斜め後ろ姿しか見えなかったし、子分たちは声のみだったけれど。それでも仁左様はずっとカッコよかった。本舞台で全部見えるようになったら、肩をそびやかしたスッキリほっそりの姿のまたカッコよさ。左團次さん(土右衛門)との達引は緊張感が溢れていて面白かった。
五郎蔵は誰が演じてもあまりお利口に見えなくて、気持ちはわかるけど共感できない、皐月の気持ちをわかってあげて…と、この演目はあまり好きになれないのだが、仁左様の五郎蔵は違った。皐月の去り状を2度読み、2度目はじっくり目を通して皐月の本心を測っている様子。そこへ皐月が姿を見せ、縁切り。五郎蔵と一緒じゃ一生楽できないからと言われた時の「そりゃあまりに情けないぜ」といった表情が印象的だった。そしてだんだん怒りがこみあげてくる。そこへ至るまでの心情に今回は共感、いや同化さえできたのは自分でも意外だった。皐月の気持ちをわかってあげてよ、というのは今回も同じだが、腹立ちゆえにそれが見えなくなっている男伊達の意地、せっかく皐月が工面した二百両を受け取らない意地がよくわかる。
一方の皐月(雀右衛門)も本心を隠して縁切りする辛さが哀れだった。
逢州の米吉クンは顔に幼さはあるものの、五郎蔵をなだめる必死さに皐月を思う心が感じられ、その場をおさめる貫録のようなものも見られた。
左團次さんは不気味さと、皐月にぞっこんの男の心情をうまく見せていた。一緒に歩かないとイロになった甲斐がないという土右衛門はいつもかわいいところあるなと思う。
五郎蔵の子分として吉之丞さんが出ていたのでほっとした(四月の休演以来どうしたかなと心配していたので)。


「一本刀土俵入」の感想は後ほど。

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コメント

母はもともと名がなかったのですよね。それを長門としたのは、息子の三浦之助のモデルが木村長門守なので、その名から拝借したものだそうです。そう言えば、忠臣蔵の六段目の母も当初は名がなく、のちにおかやとなったのも婿の勘平のモデルが萱野三平でその萱(かや)から取ったのと同じ趣向で面白いと思います。

投稿: うかれ坊主 | 2017年6月14日 (水) 00時45分

うかれ坊主様
役名のお話、おもしろい‼
どちらも全然存じませんでした。
教えてくださってありがとうございます。

投稿: SwingingFujisan | 2017年6月14日 (水) 15時13分

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