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2017年8月22日 (火)

不思議で、懐かしい不染鉄

818日 不染鉄展(東京ステーションギャラリー)
「玉兎・団子売」をもう一度見たくて、幕見狙いで歌舞伎座に行ったのだけど、ちょっと前に完売になったと…。発売時刻の1115直前に着いた私も甘いのだけど…。そこで、急遽、東京駅へ。不染鉄を見たかったから。
不染鉄、全然知らない名前だった。小石川・光円寺住職の子として生まれ、本名哲二(のちに哲爾)というから不染は珍しい姓だが本名だろう。
不染鉄の絵は、決してうまくはない(下手というわけでもない。絵の描けない私がそんなことを言ったらおこがましいが)。でも目にしたとたん、すっとその世界に入っていけるような、懐かしく、温かい感情が溢れてくるような絵だ。彼が何年か漁師生活を送ったという伊豆大島の村や漁港を描いた絵は、そういう光景に縁はないのにたまらなく懐かしく愛おしくなる。同じタイトル、同じようなタイトル、絵もおおまかに言うと似たような感じで、このタイトルを見てすぐあの絵が思い浮かぶというわけにはいかないのだけど、全体としてほんわか、本当にステキな絵なのだ。
不染鉄は距離感が独特で、俯瞰していながら近い視線ももち、遠景と近景が本来なら不自然な形で並べられているのに、すんなりとその風景が受け入れられるのが不思議だ。
伊豆の他に富士山、奈良(薬師寺東塔が面白い)など、どれも心惹かれる。
絵の中に小さい文字でその時々の気持ちや光景を書いてあるのが興味深い(いわゆる画賛なんだろうか)。文字が細かすぎて、全部は読み切れないから、図録を買いたかったけれど、ぐっと我慢。
不染鉄の展覧会はかつて1回しか開かれたことがなく、今回は一見の価値ある貴重な機会。今月27日まで。


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