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2017年8月30日 (水)

八月歌舞伎座第三部

827日 八月納涼歌舞伎千穐楽第三部(歌舞伎座)
8
月の観劇は歌舞伎座だけにとどまり、27日で私の8月は終わった。
「桜の森の満開の下」
歌舞伎の野田版は面白いのだが、その逆、つまり野田演劇を歌舞伎にしたものにはついていかれるだろうか(野田さんの芝居は1度しか見たことがないが、私の頭にはむずかしくて挫折した)、と楽しみの一方で不安でもあった。
セリフが全部聞き取れたわけではないし(早口でがなるように喋るセリフは聞き取りづらかった)、全部が理解できたわけでもないから全部が全部よかったというわけにはいかないけれど、退屈することはなく、しかも、夜長姫の死の場面では体が震えるほどの感動を覚えて涙が浮かんでしまった。なんでそこまで感動したのか、自分でもわからない。終わりよければすべてよしだろうか。西洋音楽が流れても歌舞伎としてまったく違和感なく、再演にも耐えうる作品だと思った。
登場人物の中で一番興味深く魅力的だったのは夜長姫。七之助さんが無邪気で気まぐれで残酷な夜長姫そのもので、鬼の面と可愛い面をとてもうまく表現しているのが素晴らしい。七之助さんは「椿説弓張月」の時もだったが、透明感があるせいか、残酷な役が嫌味にならない。この芝居のオリジナルは見たことがないから何とも言えないが、夜長姫は女性が演じたらもっとリアルになるような気がして、女方がやったほうが合うのではないかと思った。
もう1人というか2人というか、気になったのが奴隷のエナコとその娘ヘンナコ(「ヘンナコ」と文字にしたら「変な子」と読んじゃった)。芝のぶさんが美しく不気味な母子を好演。この役にも女方の良さを感じた。
勘九郎さんの耳男はとても生き生きとしていて、演技の表情が豊かで、非現実の中に現実感を覚えた。
耳男の自在な疾走感、マナコ(猿弥)のスピードと重量感、オオアマ(染五郎)の陰謀を秘めた実行力、それぞれ役者の個性がうまく引き出されていたと思う。この中ではオオアマが一番わかりやすかった(美形で、頭も力もあり)。

登場人物があまりに多く、一人一人には触れられないが、彌十郎(エンマ→エンマロ)、片岡亀蔵(赤名人→仕事の赤鬼)、吉之丞(青名人→仕事の青鬼、吉之丞さんがこの芝居に出たのは画期的なように思った)、扇雀(ヒダの王)、新悟(アナマロ、女性ではあるんだろうけど性別不詳気味な中世的な役は新悟クンにぴったり)と適役だった。
桃太郎が2人出てきたのはウケた。山左衛門さんと虎之介クンだったのか。
大仏の頭は3階席上方からは見えない…筋書きでも頭は写っていないから、元々見えないのだろうか。マナコが打ち落とした頭を見るとやっぱり見えないように置かれていたんだろうな。
通常の月より公演期間が短いとはいえ、セリフも動きもこんな苛酷な芝居を20日近くもやるなんて、歌舞伎役者ってすごい。
カーテンコールは4回だっただろうか。2回目からは野田さんも登場して、盛んな拍手を浴びていた。
<上演時間>第一幕75分(18301945)、幕間20分、第二幕55分(20052100


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