「ワンピース」
11月20日 「ワンピース 麦わらの挑戦」(新橋演舞場)
10月に通常公演(夜の部)を取っていたのだが、体調不良のピークで断念。猿之助さんが大けがをしたからこそ、応援したいと思っていたのだが…。それにしても通常公演と麦わらの配役が同じになったのが複雑な気分だった。演舞場初演時とは場面や配役がいくつか違ったが(大きな違いも)、初演時の感想と重なる部分もあるので、今回は簡単に。
ルフィの尾上右近クンは動きが初演時の猿之助さんそっくり。感情表現が豊かで、行儀良く、かつはつらつ、生き生きとしており、ルフィ役が楽しくてしょうがないという感じ。若い分、よりルフィに近いのだろうが、今思えば2年前の猿之助さんのルフィも少年らしさが十二分に感じられて、あらためて猿之助さんの才能を思ったのだった。
楽しくてしょうがないのは他の若手も同じで、とくに新悟クンのサディちゃんは、普段辛抱の役が多い女方としても楽しかっただろう。ん?サディちゃんなんていたっけ? エースの拷問場面なんてあったっけ? と思ったら、この場面は演舞場初演時にはなかったみたい。ニューカマーランドや巳之助クン大熱演のボン・クレーは初演時の衝撃が凄すぎて今回はさほどでもなかったが、かわりにこのサディちゃんのインパクトが強烈であった。
シャンクスとエースが福士誠治クンから平岳大さんにかわったが、平さんもとても素敵だった。命を捨ててルフィを守ったエースがシャンクスとなって現れることで、もちろんエースは帰ってこないとわかっているのに、ほっとした気分になれた。
トニー・トニー・チョッパーの市川右近クンが可愛いだけでなく、役の心をよくつかんでいるのが素晴らしかった。猿クンバージョンも見たかった。
右團次さん(右近3人勢揃い)の白ひげは碇知盛の衣裳で、最も歌舞伎的。それでもまったく違和感がないのは、「ワンピース」という芝居そのものが、まさに歌舞伎であるからだろう。
また何年かしたら、見たくなるだろうなという余韻を残した芝居であった。
ところで、買うつもりのなかったタンバリン、買ってしまいました。
<上演時間>第一幕50分(11:00~11:50)、幕間30分、第二幕60分(12:20~13:20)、幕間25分、第三幕85分(13:45~15:10)
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