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2017年12月

2017年12月29日 (金)

歌舞伎納め:十二月歌舞伎座第三部

1226日 十二月大歌舞伎千穐楽第三部(歌舞伎座)
やっと第三部を見ることができました。今年の歌舞伎納めです。感想、年内に間に合ったぁ。
「瞼の母」
2011
年巡業、13年明治座と、獅童さんで2度見ている(いずれもおはまは秀太郎さん)。初見こそ、有名な話の割によく知らないで見たが、今はもう話の内容はよくわかっている。それでもこういう芝居を見ると昂揚する。
玉三郎さんのおはまは、気持ちが非常にわかりやすかった。明治座では母親の気持ちを考えながら見た、と自分の感想に書いてあったが(すっかり忘れていた)、今回はおはまの気持ちが表情に如実に表れるため、気がついたら、私の心は完全におはまの心の中に入っていき、反発するという選択もあるのにそうはしなくて、同化していた。訪ねてきた男が忠太郎であることはすぐにわかったに違いないし、使用人に忠太郎の後を追わせるのも自分で探しに行くのも、お登世(梅枝:見知らぬ男を見て、もしやにいさん?と勘づくあたりが自然だし、素直に育っている感じが窺えた)の説得はすでに胸のどこかにあったことを表に出させるきっかけに過ぎなかったのではないか、と思えた。
中車さんは任侠のきっぱりした部分、孤独、母親恋しさ、母親と同年代の女性へのやさしさの表現がとてもうまく、どれもびんびん伝わってきたし、泣かされたものの、おはまとの再会で私のほうがおはま側に立ってしまったのが我ながらなんとも複雑な気分だ。忠太郎の必死に訴える言葉の一つ一つは、中車さんの実体験と重なるものでもあり、切々と胸を打ち、それに応えないおはまがもどかしいのではあるが、おはまの心がわかるだけにおはまの方に涙してしまった。自分を探しに来たおはまに顔を見せればいいのにとつい思ってしまった一方で、会おうとしない忠太郎の心もわかるような気がした(「嫌だ、いやだ~」「上と下の瞼を~」のセリフが、ね)。金五郎(権十郎)を斬る直前に親も子もないことを確認するところでは胸が詰まった。

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2017年12月25日 (月)

再演希望、「隅田春妓女容性」

1219日 「今様三番三」「隅田春妓女容性」(国立劇場)
空席が目立つという噂を聞いていたが、たしかに…。こんな面白い演目なのにもったいない。
「今様三番三」
浅葱幕の前で、歌昇・種之助兄弟が白旗詮議の話をしている。何となくではあるが、兄・歌昇クンに貫録を感じた。
大薩摩の後、浅葱幕が振り落されると長唄囃子連中が正面に現れた。鳴物、三味線に合わせ、如月姫(雀右衛門)、佐々木行氏(種之助)、結城貞光(歌昇)の3人が中央からセリ上がってきた。セリ上がりはやっぱりわくわくする。
小気味のよい播磨屋兄弟の動き、構えは種之助クンのほうが低い。
初めて見るような気がしていたが、如月姫の扱う白旗が新体操のリボンのようで、そういえば去年の夏巡業東コースで壱太郎クンがやったのを見たんだっけと思い出した(この時の外題は「晒三番叟」)。終盤、やや眠くなったがなんとか持ちこたえた。短い時間に引き抜きあり、立ち回りあり、白旗あり、変化に富んで、なかなか面白かった。
それにしても、三番叟を三番三とも表記するとは知らなかった。
「隅田春妓女容性―御存梅の由兵衛」
カギは百両、盗まれた重宝、元主人への恩義のための腐心、横恋慕、付け文と盗みの詮議、身内殺し、縁切り等々、歌舞伎の面白いエッセンスが詰め込まれていた。
序幕、妙見堂の参詣人の中に菊十郎さんがいて、ちょっとびっくりした。そうだよね、播磨屋、京屋だけじゃなく音羽屋の舞台でもあるんだものね。一言だが声も聞けたし、どなたかに手を引かれながらもお元気に歩いていたのが嬉しかった。
きれいな芸者衆(種之助クンとてもきれい。最初誰だかわからなかった。声で、ああそうか…と)が去ると、ばっち~い姿の土手のどび六(又五郎)登場。又五郎さん、チャリ敵がうまい。丸い体と合って憎めず、なんとなく和む。同じくチャリの吉之丞さん(医者三里久庵)と息が合って面白い。橋本入口塀外の場では、吉右衛門さんが吉之丞さんにムチャ振りをして困らせていた。久庵が松の木にのぼって由兵衛から身を隠したつもりだったのに、由兵衛はとっくに見抜いていて、ありゃ烏だ、いやとんびだ、などと言えば、その都度久庵は「かあかあ」「ぴーひょろろ」。しかし最後に「ありゃ薮だ」とやられて吉之丞さんはめちゃ困っていた。そうかやぶ医者だもんな。後に出てくるもう1人のチャリ敵・歌昇クン(濡髪ならぬ延紙長五郎)が良い味を出していて、芸の幅が広がったなと思った。でもこの長五郎、相撲取りを目指しているわりには弱い。そこがまた面白い。
錦之助さん(金谷金五郎)が一見つっころばし風で、実は元武士であるから強い。10月の「霊験亀山鉾」の源之丞といい、錦之助さんのニンに合ってとてもよかった。

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2017年12月20日 (水)

三月歌舞伎座演目・配役発表

今日はやっと日中にパソコンを開くことができた。そうしたら、三月歌舞伎座の演目・配役が発表になっていた。詳細は→ココ
昼の部は
国性爺合戦、男女道成寺、芝浜革財布
夜の部は
於染久松色読販、お祭り、滝の白糸

男女道成寺は四世中村雀右衛門七回忌追善とあるが、もうそんなに経つのか…。
2月に続いて仁左玉様が見られる‼
「滝の白糸」は新派で見たことがあるけれど、歌舞伎では初めて。どんな風になるんだろう。

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2017年12月19日 (火)

十二月歌舞伎座第二部

1216日 十二月大歌舞伎第二部(歌舞伎座)
ここ3カ月ほどの寝不足と疲れがピークに達し、朝からめまいと軽い吐き気。よほどパスしようかと迷ったが、日程的に別の日を取るのはもう無理だし、絶対見たいし。電車の中で爆睡したらすこ~し持ち直した。と、相変わらずこんな状態だが、開演時間が遅いのがありがたい。
「らくだ」
2008年の勘三郎・三津五郎・亀蔵トリオの抱腹絶倒インパクトが強すぎて、その後何度か見た「らくだ」はもちろん面白いことは面白くても、そこから抜け出ることができなかった。上方バージョンは2011年の南座で見ていて、江戸版の方が面白かったと自分で書いているのも、2008年の公演と比較してのことだったのだろう。今回、抜けられたかと言われるとイエスとは言えないが、上方版としては前回と違いかなり面白かった。
亀蔵(坂東片岡)さんのらくだはやっぱり絶品だ。動きが自然で、死んだ人間としての違和感が全くない(亀蔵さん、自分で可笑しくなって笑い出さないのかな)。そして中車さんがうまい。愛之助さんとの掛け合いに見せるおどおどとした気の弱さ、卑屈さ。熊五郎が酒を飲もうとすると、手で香りを引き寄せ嗅いでみたり、床にこぼれた酒を舐める仕草に久六の生活感、人間が見えていた。酒を飲んでの人間性の変化について言えば、まだ早いだろうが、魚宗を見てみたいと思った。ただ、この場面、どことなく笑えないものがあり、客席もこの場面に関しては他の場面より静かだったような気がする(そこが、今回2008年版から抜け出られなかった原因かも)。愛之助さんは凄みが効いているのに気の良さも感じられ、久六の変化に逆転を許したのはちょっと気の毒に思えた。
3
人の息がぴったり合っていて、とくに中車さんと亀蔵さんとの絡みが可笑しくて可笑しくて。
大家の橘太郎・松之助夫婦も可笑しかった。松之助さんの玉の井、見てみたい。
しかし、上方はこてこての笑いかと思いきや、そうでもなかったようなのは、上方と江戸の役者が半々だったから?

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ボルサリーノ破産

私にとってのボルサリーノへの思い入れは映画「ボルサリーノ」くらいなのだが(何しろ、ベルモンド×ドロンだからね)、帽子といえばボルサリーノ、このニュースには驚いた。次元大介はどうするんだろう。

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2017年12月16日 (土)

十二月歌舞伎座第一部

1212日 十二月大歌舞伎第一部(歌舞伎座)
第一部をいつ見たんだっけと忘れてさえいるこの頃。かなり前に見たような気がしていたが、わずか4日前、今週のことであった。相変わらず眠くて、忙しくて(どうやら、時間の使い方がヘタになったらしい)。
「実盛物語」

愛之助さんの実盛を見るのは初めてだったか。見たことがあるようなつもりになっていた。きれいでとても爽やか、しかし情愛のにじみ出た愛嬌のようなものはやや薄く、クールなような気がした。決して情愛がないのではなく、心の中に何か、冷めたものがあるような感じというのだろうか。ところどころ寝落ちしてしまったので、そうじゃないかもしれないのだけど、見ている範囲ではそんな印象を受けた。何度も見ているこの演目だが、実盛の心情を考えるとそういう実盛像があってもいいような気がする。
吉弥さんは先月に続き老け役。先月はあまりピンとこなかったが、今回の小よしはとてもよかった。夫の松之助さんともども、夫婦の生活感が伝わってきた。でも、きれいな吉弥さんも見たい‼ 
笑三郎さんの葵御前は、第一印象が「デカい」。しっとりと上品で憂いを含んだ強さがあって素敵だった。
亀蔵(片岡)さんの瀬尾には豪胆さと情愛が感じられて哀れを覚えた。
太郎吉の子役が可愛くて上手だった。
「土蜘」
最初に團蔵さんが出てくる。堂々たる平井保昌で、頼りがいがありそうだ。團蔵さんは軽い役も得意としているが、こういう役もかっこよい。
彦三郎さん(源頼光)は気品がある。
太刀持ちの左近クン、もう長袴をつけて出る年齢になったのか、と感慨深い。顔が小さい。たくさんあるお仕事をしっかり丁寧にこなしていて感心した。
梅枝さんは三世時蔵にそっくり。
松緑さんは気配を消して登場するあたりから既に不気味さが漂う。私の席から花道が見えないこともあるのだろうが、突然目の前に現れたという衝撃が強い。引っこむ前に頼光に投げようとした糸が広がらず、3度目にやっと成功した。
間狂言も面白かった。権十郎さんに、片岡・坂東2人の亀蔵さん、新悟クン、そして石神に亀三郎クンという配役も面白い。幼い亀三郎クンがちょこちょこと新悟クンの背後に逃げるのが可愛かった。
土蜘の精と四天王たちとの立ち回りも含めて、全体に見ごたえ十分であった。
<上演時間>「実盛物語」85分(11001225)、幕間30分、「土蜘」80分(12551415

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2017年12月13日 (水)

名題適任おめでとうございます

今回は12人の方が名題適任証を取得されたそうだ。
おめでとうございます。

尾上音一朗
片岡當吉郎
中村梅丸
中村翫政
中村京珠
中村児太郎
中村鶴松
中村虎之介
中村橋之助
中村橋弥
中村福緒
中村福之助


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2017年12月12日 (火)

ジョニー・アリディ死す

フランスの大スター、ジョニー・アリディの訃報を今ごろ知った。
日曜日(10日)の新聞を今ごろ広げて見つけたニュースだった。ネットのニュースは携帯で時々見ていたんだけど、アンテナに引っかからなかったなあ。
前にも書いたかもしれないが、日本ではシルヴィ・バルタンの元ダンナでもフランスでは国民的大スター。マクロン大統領もミサに参列したそうだ。

今年はジャンヌ・モロー、ミレイユ・ダルク、ジャン・ロシュフォールと好きなフランス人俳優が続けて亡くなった。ジョニーの訃報は、数日前のことで時間がずいぶん経過してしまったが、私にとっても青春時代の思い出の歌手の1人であるから…。
74歳。若い頃はすご~く年上だと思っていた人も、最近はさほどの年齢差を感じなくなっている。自分も年をとったんだなあとしみじみ…。
ご冥福をお祈りします。

話は変わるが、フランスの大物歌手といえば、シャルル・アズナブールもその1人。何年前だったか、日本での最終公演だというから聞きに行ったのに、再び来日公演が行われるらしい。来年5月の公演時には94歳。すごいバイタリティだな。

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2017年12月 9日 (土)

浅草お年玉ご挨拶日程決まる

昨日、発表になっていたらしい。昨日は朝、来月の歌舞伎座チケットを取ったきり、だったから…。

来年のご挨拶に当たったのは、
なんと、今年とまったく同じ。第一部・二部の順番も同じhappy02 1年前とどう変わっているか、楽しみだけど、本当は全員のを聞きたいよ~。

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2017年12月 6日 (水)

猿之助さん、配役変更

猿之助さんの出演が予定されていた1月の歌舞伎座だが、配役変更が発表になっていた。
昼の部「箱根霊験誓仇討」は、
飯沼勝五郎:猿之助→勘九郎
滝口上野:勘九郎→愛之助(元々組まれていた役の奴筆助も)
夜の部「角力場」
山崎屋与五郎:猿之助→愛之助(昼の部と同じく元々の役、放駒長吉も)

昼の部の「寺子屋」涎くりは出演するそう。
楽しみにしていた役々が見られないのは残念だが、まずは完治が大事。涎くりが見られるだけでもありがたい。きっと、高麗屋のお祝いにこの役だけでも、と頑張っているに違いない。そのほかの役は、みんな同じ配役でというのは無理にしても、別の機会を待ちたい。
早い完全復帰を、と願いつつも、ゆっくり療治して、これまで突っ走ってきた疲れも取って、また元気なカメちゃんの歌舞伎を見せてください‼

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2017年12月 5日 (火)

低温動物

今日、初めて(多分)、インフルエンザの予防接種を受けた。
体温は医者に行ってから測ったのだが、一度36度まで上がってどんどん下がり35度になってしまった(体温計の数字が変わっていくのを見るのが好き)。途中で数字を見たのが悪かったかと思い、もう一度別の体温計で測らせてもらった。
そしたら、今度は34.5度だって!!(真夏の気温と同じか…)
完全に高齢者、だね。

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2017年12月 2日 (土)

青春時代は…さらば、はしだのりひこさん

はしだのりひこさんが亡くなった。
72歳。亡くなるにはまだまだ若いけれど、いっぽうでもうそんな年齢だったのかとも思う。
昔、「風」が大ヒットしていた頃、シューベルツを東京タワーの近くで見かけたことがあり、心の中で盛り上がったものだった。シューベルツは井上博クンが早逝し(ファンだったからショックだった)、フォークルは加藤和彦さんが衝撃の死を遂げ…。
ご冥福をお祈りします。フォークル時代、シューベルツ時代、クライマックス時代、エンドレス時代のいろんなヒット曲を口ずさみながら。

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