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2019年7月30日 (火)

七月歌舞伎座昼の部:「高時」「西郷と豚姫」「素襖落」「外郎売」

7月19日 七月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
危うく、この日もドタキャンかというところだったが(せめて「外郎売」だけでもなんとか幕見できればと考えていた)、無事に全演目見ることができた。
「高時」
2度目。前回の高時も右近さん(当時)だった。右團次さんはいつもはセリフが口の中にこもるように聞こえるのだが、今回ははっきりしていて聞きやすかった。ただ、前回見た時より傲慢さが和らいでいるような気がした。
九團次さんはいい役者さんだとあらためて思った。歌舞伎をやめなくてよかった。
「西郷と豚姫」
こちらも2度目。お玉という役に対して獅童さんが真摯に取り組んでいて好感がもてた。獅童さんのことだから、ちょっと危惧はあったのだけど、余計なことはいっさいせず、包容力があって優しく可愛い女性になっていた。錦之助さんの西郷は2008年9月の「竜馬がゆく」で見て、あの二枚目がとびっくりしたものだが、案外合っていたのを思い出した。今回も頼りになる西郷さんだった。でも一度はお玉との死を決意したのに…。それを受け入れ見送るお玉が悲しくも強く美しかった。変な笑いに走らず、しっとりと情が通って、しんみりした。
「素襖落」
友右衛門さん(次郎冠者)の踊りは珍しいような気がした。踊りの上手下手はどちらもよほどでない限りあまりわからないが、友右衛門さんは上品だったし、うまいと思った。権十郎さん(三郎吾)はいつも真摯に役に向かっていて好感が持てる。獅童さん(大名某)はここでも崩すことなく演じていてよかった。
この日は休演していた海老蔵さん復帰の日。まずは舞台に登場したことでほっとした。獅童さんと市蔵さん(鈍太郎)の間で隠し隠されていた素襖を見つけた時、海老蔵さんの目が一瞬鋭く光ってドキっとした。全体としてみんなが丁寧に演じていたと思う。

「外郎売」
勸玄クンに驚き!! 難しい早口言葉を難なくこなし(「むぐばぐ」とか私には絶対言えない。團十郎さんや海老蔵さんの早口でもすげ~と思っていたのに)、それもメリハリがあって、見事見事。子供の可愛らしさもありながら、大人並の立派な演技。力強さと品があるのが素晴らしい。子供の、というか、勸玄クンの力にはほんとうに目を瞠る。ついこの前、パパに抱かれた宙乗りを見たばかりだったのに…。この立派な姿をおじいちゃんとママに見せたかったと、やっぱりついつい思ってしまうな。襲名への心構えがそうさせるのか、成田屋の御曹司に生まれた運命を大変だなと思うと同時にとても頼もしく感じた。
そんなことで、私の中で海老蔵さんがかすんでしまって、ごめんなさい。とはいえ、無事に復帰し千穐楽まで大奮闘公演をつづけた海老蔵さんに感動した。
<上演時間>「高時」54分(11:00~11:54)幕間15分、「西郷と豚姫」62分(12:09~13:11)、幕間30分、「素襖落」48分(13:41~14:29)、幕間25分、「外郎売」34分(14:54~15:28)

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