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2019年9月20日 (金)

もう一度三国志を:「三国志」展

9月6日 「三国志」(国立東京博物館)
ぐずぐずしているうちに展覧会も終わり、ラグビーのワールドカップが始まってしまった。10年若かったらチケットゲットしていただろうな…。初戦、ロシアに勝利はまずはよかった。


さて三国志、16日までの会期、駆け込みに近い時期だったので混雑しているかと心配したが、金曜日夕方のおかげで、ほどよい混雑状況。

三国志は子供のころに全集で読んだことがあるだけで、ごく有名なエピソード以外はほとんど忘れてしまった。「三国志」は正史であり、今回の展覧会は「リアル三国志」を合言葉にその時代を丁寧に読み解いているのが興味深かった。今日の三国志を題材とした小説やエンタメなどは「三国志演義」をもとにしており、私が読んだのも演義由来だったのだろう。高校時代に勉強した中国史もすっかり脳から飛んで行ってしまっている(黄巾の乱とか、大きなことはちょっと甦る)。
NHKの人形劇も見たらしいのだが、記憶にない。今回の展覧会ではその人形も一緒に展示されており、記憶がなくても心躍った。また、横山光輝の漫画の原画も展示されていて、しかも全展示作品写真撮影OKということで、通常撮影OKの展覧会ではカシャカシャ音を立てるのは私くらいなものなのに今回は多くの人がカシャカシャやっていた。
190920sangokushi1 一番人気は恐らく新郷市博物館の関羽像ではないかしら。「神になった関羽」というタイトルで展示されていたが、これが力強くて実にかっこいい。皇帝になったわけでもない関羽が死後に神として祀られ、中国人のみならず日本人の心を捉えているのも、その「義」を知れば胸熱くなり納得なのである。
第1章では曹操・劉備・孫権のルーツを辿るが、三国志がきちんと頭に入っていない私が、中国史と地理を頭に置いておかないと混乱してしまう。ルーツに関連して面白かったのは第4章「三国歴訪」である。魏・蜀・呉の勢力地域による文物、暮らしの違いは非常に興味深かった。
様々な出土品、日本での国宝にあたる一級文物の中でとくに興味を引かれたのは河南省焦作市から出土した後漢時代の五層穀倉楼、四層穀倉楼、邸宅等といった副葬品である。お墓に入れるミニチュアでありながら大きさもあり丁寧につくられており、穀倉地帯であるこのあたりの経済的裕福さを如実に物語っている。ここには後漢最後の皇帝・献帝が暮らしていたそうである。

190920sangokushi2 武器もまた興味深い。戦いの激しさ、厳しさ、悲しさはひとまずおいて、こういう武器で実際に彼らが戦っていたのかと、目の前にその姿が浮かんでくるようである。よくこういう展示にしたなと目を瞠ったのは、当時の弩(クロスボウ)の矢である。天井に無数の矢が飛んでいた。
もうひとつ、すごいと思ったのは曹操のお墓の実物大の再現である。曹操は墓は質素にと遺言したそうだが、普通の権力者の墓とはちがい、たしかに質素であり、実を取る曹操の考え方に好感がもてた。
三国志の世界だからこそ、歴史や三国の風土・文化の違いをよく見て取るべき展覧会だった。と言いながら私はそこまで理解しきれていなかったが。
展示は「晋平呉天下大平」と彫られた煉瓦で終わる。「晋が呉を滅ぼし、三国時代は終わった」という意味である。
そして、最後に武将メーカーというのがあって、架空の武将2人と妖婦1人になることができる。自分の顔と武将のビジュアルが合成されるのだが、比較的すいていたし、面白いので3回並んで3人ともトライしてきた。

最後に、遅ればせながら、吉川英治の「三国志」を青空文庫で全部ダウンロードしたから少しずつ読もうと決めた。

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