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2019年9月13日 (金)

松方コレクション展~モダン・ウーマン

9月3日 「松方コレクション展」「モダン・ウーマン」(国立西洋美術館)
内覧会でゆっくり見なかったので再見。
ところが、チケット行列約10分、中もかなりの混雑。チケットは幸いすでにもっていたので並ばずにすんだし、中も待てば直近で見ることはできる。ただ、近くで見たい作品もあれば離れてみた方がいい作品もある。その行き来はむずかしいという混み方だった。で、結局やっぱりある程度流すような見方になってしまった。

松方さん、どれだけ金持ちだったんだ!! とあらためて驚く。しかしその金を自分のためでなく、当時まだ西洋美術になかなか触れられなかった日本人に見せたいという一心で買い集めた精神に感銘をうけた。1万点を超える作品を購入したのだから、幅も広い。第一次大戦、第二次大戦という時代だったからこれだけの作品を購入できたのかもしれないが、コレクションはそれだからこそ数奇な運命を辿ったのであった。一番残念なのはロンドンでの焼失だろう。フランス政府が返却してくれない作品も非常に悔しくはあるが、見ようと思えば見られる(今回も展示されている)。しかし失われた作品は…。

さて、展示会場に入る前に展示されているモネ「睡蓮 柳の反映」のデジタル復元画は、内覧会の時にも思ったが、やはり上半分が失われている本物と並べてほしかった。最初にデジタル復元、最後に本物という展示方法はわからないでもないけれど…。

作品の展示法はなかなか面白い。通常展覧会では作品を横並びにするが、この展覧会では縦に並べられているケースもある。わずかしか行ったことのないフランスの美術館ではあるが、パリのモロー美術館で味わった雰囲気・感情が甦って気分が盛り上がった。解説とか絵のタイトルは読みづらいものの、時にはこういう展示もいいものだ。

フランス政府が返してくれない作品は悔しいけれど――まあねえ、たしかに返してくれないわねえ、と納得してしまうのがまた悔しい。


常設展を眺めながら松方コレクションと同時開催の「モダン・ウーマン」へ(松方展のチケットで入れます)。
日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念の展覧会で「フィンランド美術を彩った女性芸術家たち」というサブタイトルがついている。フィンランドの芸術のことはほとんど何も知らないのでとても興味深く見て歩いた。
フィンランドは1917年に独立して新しい国家を作り上げた(100年ちょっと前のことだったのか、そんなことすら知らなかった。フィンランドの歴史、全く知らない。もっと勉強しなくちゃ)。それに合わせて女性の社会的役割や立場にも大きな変化が起こり、フィンランド最初の美術学校は創立当初から男女平等の美術教育を奨励したそうだ。これは当時のヨーロッパでは珍しいことだったということだが、そうかわずか100年前のヨーロッパでもそういう状態だったのかとあらためて認識。フィンランドではこうした機会を得て多くの女性芸術家が誕生した。
190914modernwoman 今回は19世紀後半から20世紀前半に活躍した7人の女性芸術家の絵画、彫刻、素描、版画など約90点が紹介されている。各女性の写真もあって、襟の詰まった黒い服装をしている。芸術活動には不向きな服装のようだが、その服装で授業を受けている女性たちの写真もあったから、そのまま絵を描いたり彫刻をしたりしたのかしら。いずれにしてもこの時代にこれだけの女性たちが芸術家として活躍したことに感銘を受けた。
作品にはそれぞれの個性が表現されていて、どれも好ましく思えた。でもやっぱり明るい絵がいいな。

たくさんの絵画を見て歩くと、この絵は好きだなとかこの絵はいいなとか、好みは語れるのだが、芸術的な価値はわからない。ただ、さまざまな表現法を取り入れたとしても基本的に絵はうまくあるべきなのかなあ、とちょっと思った。つまり、デッサンがしっかりしているとか、絵がうまい(ってどういうことかと言われると困るけど)のであれば、どんな表現になっても納得できるというか…。なんて、生意気だわね。う~む、やっぱりよくわからない…。

写真の絵はヘレン・シャルフベックの「シルクの靴」。1938年制作のリトグラフ。

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コメント

以前東京都美術館で奇想の系譜展の後、公募展を観たことが有りますが応挙、若冲等の後では良いとは観られなかったです。天才と比べても仕方ないですが。松方コレクションは松方さんの情熱もあったでしょうが国策でもあったようです。

投稿: カトウ | 2019年9月14日 (土) 13時50分

カトウ様
こちらにもコメントありがとうございます。
奇想の系譜は素晴らしくよかったですよね。比べるのは確かにちょっと酷かもしれませんね。
私は、一見稚拙に見えたり、何を描いてあるのかわからないような絵画の芸術性がよくわからないのです。芸術の基本を理解していないからなのだろうと自分では思っています。

投稿: SwingingFujisan | 2019年9月14日 (土) 16時59分

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